緊急要請書 |
大飯原発3・4号の運転を即刻停止するよう強く求めます |
関西電力(株)社長 八木 誠 様 |
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昨日11月4日の大飯原発断層調査団の評価会合で、大飯原発敷地内のF−6断層について、以下の2点が確認されました。 ・ズレは12万〜13万年前以降に生じたことは確かである。 ・ズレの原因については、活断層によると考えても矛盾はない。ただし地滑りの可能性もある。 調査団の渡辺満久氏は、「大飯敷地内に活断層は存在する」と明言しました。ズレの原因は活断層であると主張し、他の専門家はこの意見を否定することはできませんでした。地滑りについては「海から山への地滑りは起きない」こと、また、台場浜や山頂付近のトレンチ調査から、これまで関電がF−6断層と示していた位置からずれた箇所に活断層が存在することを示しました。 調査団の廣内大助委員は、「活断層の条件を満たしており、地滑りの専門家が見ても、活断層かどうかの判断はできない」と述べました。これを受けて島崎委員は「地滑りの専門家が見ても、活断層を否定することは難しいだろう」とコメントしました。 昨日の調査団の評価会合は、F−6が12万〜13万年前以降に動いたことを一致して確認しました。これは、「12万〜13万年前頃の地層に変位を与えていない」として、活断層ではないと言い続けてきた関西電力の主張を根本から覆すものです。関電と国の責任が厳しく問われることになります。 国の「手引き」に従えば、「12万〜13万年前以降に動いたことが確定」され、「断層運動が原因であることが否定できない」場合、活断層と判断されるべきです。(注1) さらに「手引き」では、活断層の真上にSクラスの施設を造ってはならないとなっています(注2)。 F−6活断層の真上には耐震安全上重要なSクラスに分類されている非常用取水路が通っています。この非常用取水路の海水系配管は、事故時には、炉心を冷却するための高圧注入ポンプなどの冷却や非常用ディーゼル発電機を冷却する重要な役割を担います。さらに通常運転時にも使用済燃料プールの冷却器等を冷却する設備です。 大飯原発の敷地内には、多くの断層が存在しています。これらの抜本的な調査も必要になってくるでしょう。これら調査も、原発を停止してから実施すべきです。また、10月23日の事前会合では、小浜湾内に熊川断層が連続していることも新たに議論されています。 私たちは、関西電力を相手とした大飯原発3・4号の運転差し止めを求める仮処分裁判でも、活断層の危険性を訴えてきました。 福井県民をはじめ、多くの人々の生命がかかっています。 直ちに、大飯原発3・4号の運転を止めるよう強く要請します。 2012年11月5日 グリーン・アクション 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会) 大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581 おおい原発止めよう裁判の会 (連絡先:美浜の会) (注1)国の「手引き」(発電用原子炉施設の耐震安全性に関する安全審査の手引き)9頁 (下線は引用者)
(注2)同上(19頁)
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(12/11/05UP) |