福井県原子力安全専門委員会への追加要望書
760ガルを700ガルに引き下げた問題について
関電は地震動をなぜわざわざ建物の向きに合わせて評価し直したのですか

福井県知事 西川一誠 様
福井県原子力安全専門委員会 委員各位 様

関西電力は5月21日の貴委員会に、以前の760ガルを700ガルに引き下げた地震動評価を提出しました。この問題について、5月23日付要望書及び5月25日付追加要望書に加えて下記の要望を行いますので、よろしくご考慮くださるようお願いいたします。

5月21日の貴委員会に資料No1-1として提出された地震動評価(応答スペクトル)が、以前と相当に異なっていることについて、5月25日付追加要望書で指摘しました。その変化の理由は、伝え聞くところによると、地震動の東西(EW)などの向きを実際の東西ではなく、建物の向きに合わせるようにしたためだということです。
 もしそうなら以下の疑問が浮かびます。

(1) 評価している地震動は、構造物などないものと想定された解放基盤表面に関する地震動のはずなのに、なぜ建物の向きに合わせるのでしょう。
(2) これまでの耐震バックチェック報告中でのEW,NSは、建物の向きではなく、実際の方向を意味していたのではないでしょうか。
(3) 今回、建物の方向に合わせた場合、以前の評価では最大760ガルだった加速度が700ガル以下に下がっています。このように方向を変えて加速度が変わる場合、安全判断からは、大きい方の760ガルの評価を採用すべきではないでしょうか。
(4) 原子力安全・保安院は3月28日に、760ガルという評価を妥当とし、それに基づいて安全性評価をする必要があると地震・津波に関する意見聴取会に報告し、その趣旨を貴委員会にも報告しています。この評価との関係はどうなるのでしょう。

 今回関西電力が行った地震動評価の改変は、これまでの評価方法をも踏みにじり、何が何でも700ガル以下に納めようとする実に姑息なやり方です。しかもこの改変について、5月21日にはほとんど何も説明がなかったのです。断層の長さが2倍近くに増えても従来と同じ枠内に納まるような結果など誰も信用しないでしょう。
 ぜひ、このような関西電力の姿勢を厳しく批判してください。このような姿勢をもつ関西電力が大飯3・4号機を再稼働することなど、けっして認めないよう強く要請します。

2012年6月3日

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(12/06/03UP)