本日名古屋高裁金沢支部は、福井地裁の不当な判決を破棄し、高速増殖炉「もんじゅ」について昭和58年になされた設置許可処分が無効であるとする判決を下した。 私たち原告団と弁護団が長い間待ち望んできた判決であり、裁判所の深い見識を高く評価する。 判決は、ナトリウム漏洩事故について事故原因を検討した結果、安全審査で想定した事故を超える事故が現実に発生したことを重く受けとめており、安全審査が誤りであったことを明確に認めた。蒸気発生器についても、高温ラプチャー現象による伝熱管破断の可能性を審査していなかった誤りを明確に認めた。また炉心崩壊事故についても安全審査には機械的エネルギーの評価に関して重大な欠落があることを明確に認めた。 判決はこの三つの誤りから、「もんじゅ」の安全性について調査審議する過程に過誤・欠落があったことを導いた。 しかもその違法は、看過しがたいものであり、プルトニウムを内蔵する危険性の高い「もんじゅ」では、重大な違法であることを認めた。そして、判決は結論において変更許可申請によって瑕疵が是正されるものではないとし、もんじゅの安全審査は全面的やり直しを必要としていると断じた。さらに、本件安全審査は、争点とされた事項以外の設計基準事象の解析の評価において、単一故障の仮定の有無を真実検討したのかについて重大な疑念を抱かざるを得ない、とまで述べている。裁判所は「もんじゅ」の危険性をはっきりと認めたのである。 大本の設置許可処分が無効である以上、一部手直しによる変更許可処分はその根拠を失い、無意味なものとなる。国と核燃料サイクル開発機構は、判決を重く受けとめ、「もんじゅ」再開計画を中止し、廃炉にすべきである。 2003年1月27日 |
もんじゅ訴訟原告団・弁護団 もんじゅ訴訟を支援する会 原子力発電に反対する福井県民会議 |