本日(8月27日)、今度は美浜2号で、最低限必要な配管肉厚(国の基準)を下回った配管があったことが明らかになりました。関電は、昨年9月の定検でこのことを知っていながら隠し続け、放置して運転を続けていたのです。関電の安全無視、人命無視、情報隠しは、確信犯そのものです。 美浜2号は、事故後運転を停止して配管の肉厚検査を行い、関電は「配管10箇所の点検を終了し、肉厚は十分だった」と8月23日に発表したばかりでした。今回明らかになった減肉隠しの配管は、この10箇所の検査対象には含まれていませんでした。運転を停止して行っている検査がいかにずさんであるかを改めて示しています。 超危険な会社関電に原発の運転を続けさせてはなりません。まだ動いている4基の原発を停止させましょう。今行っている関電の検査があてにならないことがはっきりしました。関電がやるべきことは、まだ動いている4基の原発を停止して、原発検査に関する全ての情報を公開することです。 減肉を隠していた配管は、約65〜88気圧もの圧力がかかった220度もの高温の2次冷却水が流れている2次系の主給水配管でした(事故で破断した美浜3号の配管では、約9気圧、140度の2次冷却水が流れていました。今回減肉を隠していた配管は、破断した配管より過酷な条件です)。厚さ19ミリの炭素鋼配管が17.4ミリに減肉していました。国の基準は17.6ミリでした。 関電は昨年9月に行った定期検査でこのことを知っていながら、国や福井県に対しても隠し続けていました。そして放置したまま8ヶ月間も運転を続けていたのです。明らかに違法運転です。しかし、新聞報道によると、関電は国に対し「独自の基準で安全と判断した」と「反論」しているとのことです。本当にぞっとするほど恐ろしい関電の安全無視、「関電の独自基準」、独善的態度です。 さらに、関電の2次系「管理指針」では、配管寿命が2年以下と判断されると配管を取り替えることになっていました。しかし、美浜2号では、取り替えずに運転していた配管も見つかっています。 この美浜2号は、美浜3号の事故により、運転を停止し検査を行っていた原発です。関電は、美浜2号について「10箇所の点検を終了し、配管肉厚は大丈夫だった」と23日に発表していました。減肉を隠していた配管は、この検査の対象にも含まれていませんでした。国の基準をも下回って配管が減肉しているにもかかわらず、それを隠して「点検終了」、「安全でした」と言っていたのです。 これらは、現在運転を順次停止して行っている検査そのものが、全くずさんだということを改めて示しています。それもそのはずです。関電が現在行っている検査は、オリフィス下流部等の極めて限定した箇所だけです。11基の原発全てで、運転開始以来1度も検査をしていない2次系配管の箇所は、約1万1500箇所にも及びます。現在行っている検査で対象箇所となっているのは、11基の原発でわずか276箇所にしかすぎないのです。こんな手抜き検査で「安全」と宣言し、運転再開を狙っているのです。 以下が関電の点検・検査の実態です。こんな検査で安全などもってのほか。まだ動いている4基の原発を即刻停止させなければ、いつまた大事故が起きるか分かりません。 ・点検リストからもれていたため、運転開始以来1度も検査をしていなかったのは17箇所 ・点検リストには載っているが、運転開始以来1度も検査をしていないのは1万1539箇所 ・事故後、運転を停止して検査を行う対象は、わずか276箇所。上記の未点検箇所のわずか2.4%にすぎません。 ・まだ4基の原発(美浜1号、大飯1号、大飯2号、高浜1号)が動いています。4基で運転開始以来検査されていない箇所は3千310箇所にものぼります。 美浜1号 793箇所 大飯1号 781箇所 大飯2号 1,135箇所 高浜1号 601箇所 ・関電はこの4基について、「過去の検査結果から安全」と言っています。しかしこの約3千箇所は、運転開始以来1度も検査していないのですから、「過去の検査記録」は存在しません。「安全」だとする根拠はなにもありません。 8/29集会では、関電の検査がいかにデタラメであるかについても詳しい報告を用意しています。是非ご参加ください。 |