検査記録の書類チェックで、新たに4箇所で運転開始以来検査をしていなかったことが判明
高浜1号機でも30年間1度も検査していない配管があった
まだ止めていない高浜1号機を即刻停止せよ!

 関電は昨日(8月16日)、これまでの検査記録の書類調査結果を発表した(http://www.kepco.co.jp/pressre/2004/0816-1j.html)。4機の原発で、美浜3号機の事故箇所と同様に、運転開始以来1度も検査したことのない箇所のあることが判明したと発表した。この限られた調査でも、関電の安全管理がいかにずさんであったか、その一端が明らかになりつつある。
 関電の発表では、1度も検査をしていなかったのは下記の部分である。

  

        関電hpより http://www.kepco.co.jp/pressre/2004/0816-1j.html

 驚くべきことに、関電は高浜1号の運転を継続したままだ。当初、書類調査で検査漏れが見つかれば、運転を停止すると言っていた。しかし、スチームコンバータを隔離しその機器を停止させているから、原発そのものの運転は停止しないと発表した。「原子炉の安全性には関係ない」「計算で出した寿命予測はまだ残っている」というのが理由だ。
 今回の事故とまた同じことを繰り返そうと言うのか。高浜1号は、運転開始以来30年になる(運転開始1974年11月14日)。その間1度も検査をしていない箇所が見つかったのである。関電の寿命予測があてにならないことは、この間の事実でもって示されている(大飯3号の上蓋管台では、20年間亀裂は発生しないと寿命予測しながら、わずか2年で貫通亀裂が起きていた)。それに今回発表したのは、書類上の検査記録の確認でしかない。実際どれだけ減肉が起きているのかは、原発を停止して、徹底した検査を行わなければ分からない。これが、今回の美浜3号機事故の直接の教訓ではないのか。
 関電は、即刻、高浜1号の運転を停止せよ!