関電−美浜3号破断配管を「測定を実施し減肉なし」と2000年に国に虚偽報告
保安院は、それを鵜呑みにしていた−保安院の責任も重大だ!

 関西電力は、2000年5月の自主点検報告書の中で、今回破断した2次系配管について「計画的な肉厚測定を実施しており、摩耗・腐食で薄くなる異常な減肉は認められなかった」と原子力安全・保安院に報告していた。28年間1度も検査していないのに「計画的な肉厚測定を実施」したと虚偽の報告を行い、「異常な減肉は認められない」としていた。
 関電は、今回の事故を防げなかったのは、検査会社から1度も検査をしていないと報告を受けた昨年11月の段階で検査をしなかったためだとし、「結果的に、判断ミスだった」と繰り返している。あたかも、昨年11月の判断ミスのみが悪かったかのように、それも事故が起きたから「結果的に」悪かったと言っているにすぎない。しかし、今回明らかになった国への虚偽報告は、安全性を全く無視した、関電の体質そのものに原因があることを改めて示している。
 そして、保安院はこの報告を鵜呑みにして、安全だとお墨付きを与えている。国の検査や安全性確認がいかにデタラメなものであるかを改めて示している。保安院は、私たちの度重なる要求を無視し続け、今年2月に、関電のプルサーマル計画について品質保証体制は妥当との報告書を出した。保安院の責任も重大だ。

関電の自主点検報告の概要 http://www.kepco.co.jp/pressre/2000/0529-1j.html