7・1関電交渉を踏まえた再度の国土交通省への要請


やはりEXCELLOX容器にも腐食の疑い

6月27日国土交通省通達に則り、
MOX返送用容器を使用しないよう関西電力に指示してください



国土交通大臣 扇 千景 様

 不正MOX燃料返送用EXCELLOX型容器について、「構造が違うから腐食はない」との関西電力の主張が具体的にいかなるものであるかについて、私たちは7月1日に関西電力との交渉の場で確認しました。その結果、やはりこの容器でも腐食の疑いが濃厚であることが判明しました。
 貴省は、TN型輸送容器について、腐食の疑いがあるので、腐食検査が行われるまでは当面使用しないよう6月27日、関西電力と東京電力に通達しています。この趣旨からすれば、当然、腐食の疑いのあるEXCELLOX型容器についても使用しないよう指示を出すべきです。
 関西電力は、使用するかどうかは貴省の判断次第であると表明しました。いままさに、この容器の安全性に関する判断の責任は、貴省にかかっているのです。ぜひ6月27日の自らの見解に則って、MOX返送用輸送容器の使用許可を出さないようにしてください。このことを強く要請します。

 貴省は6月27日発表の見解において、TN型容器の腐食原因は、使用済み燃料を運搬していた頃に侵入した水であり、経年劣化によって腐食が進んだと判断しています。この腐食原因は、EXCELLOX型の場合にはさらにストレートに当てはまります。なぜなら、使用済み燃料を運んでいた頃、EXCELLOX型容器の本体胴は水の浸入を受けるどころか、水にどっぷりと漬かるような構造になっていたからです。この点を関西電力ははっきりと、繰り返し認めました。
 関西電力はしかし、次のように反論します。この容器をMOX輸送用に変更する工事直前の1996年か1997年頃に、本体胴を目視検査して腐食のないことを確認した。その後は水が浸入できない構造になったのだから、腐食環境にはなかったのだと。しかしTN型でも水が浸入したのは基本的に使用済み燃料を運搬していたときのことであり、この点は、使用済み燃料輸送容器として使用されているときに繰り返し水に浸かっていたEXCELLOX型でも条件は同じです。さらにその後EXCELLOX型では、MOX輸送用に変更された後、湿気を含んだ空気が外装板で閉じ込められ経年劣化が進んだ可能性は否定できません。現に、レジンと外装板との間に隙間があるという構造が見えており、そこに空気が溜まっていたと考えられます。むしろレジンで本体胴を覆ったことによって熱がこもるような腐食に適した構造になったと言えるでしょう。
 ところがこのEXCELLOXの場合、前の目視検査から6〜7年も経過しているのに、その間本体胴の腐食検査はいっさい行っていないというのです。安全性を重視するなら、勝手な「理論的」予測をするのでなく、何よりもまずきちんと検査して腐食のないことを確かめるべきです。
 このように本体胴に腐食のある疑いが濃厚であり、6〜7年間も腐食検査をしていないような容器が安全であると誰が認めるでしょう。ましてこの返送容器は船に積まれていろいろな国の近くを通っていくのです。それだけ慎重にも慎重を重ねた取り扱いがなされるべきでしょう。
 貴省の6月27日通達どおり、このEXCELLOX容器に腐食のないことをまず確認し、それまではこの容器を使用しないよう通達を出してください。以上要請します。

2002年7月2日
 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之



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