アレバ・メロックス社 1月〜6月に複数の材料取扱設備で故障
高浜3・4号機用のMOX製造は4月6日から
設備の故障を知っていながら、MOX製造を行ったのですか
質  問  書 と回答(9月27日)


関西電力(株)社長 八木 誠 様
2010年9月3日

 貴社は、8月31日付のプレスリリースで、高浜3・4号機用のMOX燃料(第2回製造分)の製造計画の変更を発表しました。そこでは、4月6日から製造を開始したMOX燃料について、「輸入燃料体検査申請書において、36体分を連続して製造・検査するとの記載がある。これらを20体分と16体分とに分割して製造・検査することに変更した」と注釈されています。

1.変更の理由として、アレバ・メロックス社が「1月から6月にかけて、メロックス工場において複数の材料取扱設備の故障が発生したことに伴い、製造計画を見直すこととし」たためだと書かれています。
(1)「複数の材料取扱設備の故障」とは、具体的にどのような工程でのどのような設備が故障したのですか。

(回答)グローブボックス内の材料をある設備からある設備に動かす設備が故障したものであるが、故障の詳細についてはメロックスの商業機密であり回答できません。

(2)貴社がアレバ・メロックス社から工程の変更を告げられたのはいつですか。

(回答)8月16日にメロックスから原燃工、8月17日に原燃工から当社に工程の変更について書面にて申し入れがあった。

(3)4月6日の製造開始から、既に何体分のペレットや燃料棒、燃料集合体が製造されたのですか。

(回答)何月何日時点で何体分のペレット、燃料棒および燃料集合体が完成したといったメロックス工場の製造能力にかかわる具体的情報はメロックス社の商業機密に当たるため回答できません。

(4)4月6日以降、製造を中止、あるいは再開したのはいつですか。現在は製造中ですか。

(回答)故障によって製造に影響があったのは本年1月から6月である。故障は一つ一つは発生してから確実に修理されており、修理完了日などの故障の詳細についてはお答えできないが、現在は製造・検査を実施中である。

(5)貴社は4月6日から36体を製造中としていますが、他方、「平成22年1月から6月にかけてメロックス工場において複数の材料取扱設備の故障が発生した」と書かれています。この関係はどうなっているのですか。ペレット製造・検査、燃料棒製造、集合体組み立ての各段階を区別しながら具体的に説明してください。

(回答)当社は4月6日から製造を開始しており、設備が故障した状態で当社向けMOX燃料が製造されたということはない。なお、故障した設備や製造状況の具体的状況についてはメロックスの商業機密でありお答えできません。

(6)これらの故障について、アレバ・メロックス社はフランスの規制当局に報告をしていますか。報告している場合、日付と内容を具体的に示してください。

(回答)一連の機械的な故障は原子力安全および防護、環境に対する影響はないので規制当局には報告していないと聞いている。

2.メロックス工場では「1月から6月にかけて」故障が発生し、他方、貴社は4月6日の製造開始前からメロックス社に社員を派遣し立ち会いなどを行っていたはずです。

(1)貴社はいつから社員を派遣して巡視・立ち会い検査を行っていましたか。

(回答)3月下旬から社員を派遣した。

(2)また、元請会社の原子燃料工業はいつから社員を派遣して巡視・立ち会い検査を行っていましたか。

(回答)原子燃料工業は当社と同様、加工状況の確認のために3月下旬から社員を派遣した。

(3)メロックス工場での故障について、貴社が知ったのはいつですか。

(回答)当社社員が設備の故障については把握していました。

(4)故障については、アレバ・メロックス社から告げられたのですか。それとも貴社や元請会社から派遣されている職員から連絡があったのですか。

(回答)故障についてはメロックス社から当社社員が聞いています。

(5)故障の状況と原因、修復の方法、計画について具体的にアレバ・メロックス社から知らされていますか。または貴社の調査により、あるいは元請会社の原子燃料工業の調査により知ったのですか。

(回答)設備の故障についてはメロックス社への聴取および故障設備の現場確認を行うなどして製品の品質にはまったく影響を与えないものであることを確認しており、故障は一つ一つは発生してから確実に修理されているが故障の状況や原因などの詳細についてはメロックスの商業機密であり回答できません。

(6)故障が起きていることを知った上で、4月6日から製造を開始したのですか。

(回答)設備が故障した状態で当社向けMOX燃料が製造されたということはない。

(7)複数の材料取扱設備で故障が起きているのに、既に製造したMOX燃料の安全性と品質保証はどうやって確認しているのですか。

(回答)設備が故障した状態で当社向けMOX燃料を製造したということではなく、故障によって造り直すことになった燃料もないことから、故障そのものは製品の品質に影響するようなものではなく、MOX燃料の安全性や品質への影響はない。

(8)メロックス工場での故障の状況等について、原子力安全・保安院に報告したのはいつですか。

(回答)8月の17日です。

3.8月31日付プレスリリースでは、「製造次期の分割に伴い」、輸入燃料体検査申請書の記載内容を「連続して製造することに基づく記載から分割して製造することに基づく記載に変更しました」と書かれています。

(1)「36体分を連続して製造・検査する」ことを、「20体分と16体分に分割して製造・検査すること」に変えるとのことですが、その分割はどの時点になるのですか。今年度と来年度ですか。1月から6月の故障発生との関係はどうなっているのですか。

(回答)メロックス社は平成22年1月から6月にかけてメロックス工場において複数の材料取扱設備の故障が発生したことに伴い、製造計画を見直すこととし、当社向け36体についても、平成22年に製造する予定から、平成22年に20体、平成23年に16体と時期を分割したいとの申し出を受け、了承したものである。

(2)貴社は、第2回分のMOX製造についての輸入燃料体検査申請書を、36体分として、今年1月26日に国に提出しています。同日のプレスリリース「参考−1」の注釈では、「全ての燃料が完成した後、輸入燃料体検査補正申請を行う」と書かれています。
 これは現在も、「36体分全ての燃料が完成した後、輸入燃料体検査補正申請を行う」という意味に変わりはないですか。

(回答)20体分の燃料が完成した後、高浜3号機用に16体および4体の輸入燃料体検査補正申請を行う予定です。


  2010年9月3日

    グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
       京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

    美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
       大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581


(10/10/04UP)