高浜3・4号機使用済燃料プールのリラッキング変更申請(2003年)に
プールの未臨界性評価の解析条件や結果が書かれていないのはなぜですか

質  問  書


関西電力(株)社長 八木 誠 様
2010年9月3日

 貴社は、高浜3・4号機使用済燃料プールのリラッキング(貯蔵容量の増強)について、2003年7月28日付で設置変更許可申請書を国に提出しました。国の許可が2004年1月13日に出て、その後リラッキング工事も完了し、現在に至っています。このプールには現在MOX新燃料も保管されています。

(1)貴社はこのリラッキングについて、2003年7月28日付のプレスリリース等で変更内容を書いています。そこでは、使用済燃料集合体を収めるラックの中心間隔を36.5p→28p、ラックの板厚を6o→4oに変更するとなっています。これによって、プールの貯蔵容量は、使用済燃料集合体1,190体から1,770体に増強されました。実際のリラッキングは、このような内容で既に行われたという理解でいいですか。

(2)9月1日の貴社の電話回答では、「2003年の変更申請書には、プールの未臨界性の評価について、具体的解析条件やその結果は記載されていない」とのことでした。
 変更する具体的条件に即して、未臨界性評価の解析条件やその結果及びプール水温度の解析条件やその結果が変更申請書に書かれていないのはなぜですか。

(3)高浜3・4号機のプールリラッキングに際して、未臨界性の評価やプール水温度について解析は行ったのですか。その場合、解析条件とその結果を示してください。

(4)解析条件や解析結果が変更申請書に書かれていないのに、国はそのことをどうやって確認したのですか。国はどのような変更をどのように確認したと、公的な何に基づいて言えるのですか。

(5)大飯3・4号機(1997年8月1日に変更申請)や美浜3号機(1998年2月3日に変更申請)のプールリラッキングの場合は、それぞれ国に出した設置変更申請書で、未臨界性の評価について、実際のラック間隔や板厚を解析条件として解析し、その結果として中性子増倍率等が変更申請書に書かれています。
 それにもかかわらず、高浜3・4号の変更申請書には具体的解析条件が書かれていません。大飯3・4号や美浜3号の場合と異なっているのは、何か理由があるのですか。

(6)貴社は、高浜3・4号機では、プルサーマルのための変更申請書を1998年5月11日に提出しました。そこでは、プールの共用化も変更内容となっています。この変更申請書では、プールの未臨界性について具体的解析を行っています。解析の条件は、「ボロン添加ステンレス鋼ラックの場合、中心間隔30p、板厚6o、ボロン添加量0.5wt%(下限値)」で、その結果として中性子増倍率は、ウラン燃料で0.938、MOX燃料で0.9025となっています。
 これらは、プール水温度を含む解析条件とその結果とともに、この変更申請書の審査を行った第95部会の資料でも記述され確認されています。
(a) この98年の解析は、何のために行ったのですか。

(b) また、プールのリラッキング申請はこの5年後(2003年)に行われているのに、高浜3・4号炉の「原子炉設置許可申請書」には、この1998年当時の解析がそのまま掲載されているのはなぜですか。



 2010年9月3日

   グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
      京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952

   美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
      大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581


(10/09/20UP)