BNFL事件では燃料棒にネジやコンクリート片が混入 |
今回メロックスでは陸上輸送容器に木片が混入 |
関電とメロックス社の安全管理のずさんさを示す |
MOX燃料の陸上輸送容器に混入していた異物(木片)等に関する |
質 問 書 |
関西電力(株)社長 森 詳介 様 | ||||||||||||||||||||||||
2009年12月22日 |
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貴社は12月21日の福井県原子力安全専門委員会で、高浜原発用MOX燃料のフランス国内での陸上輸送において、輸送容器1基の内部に26個もの木片が混入していたことを口頭で報告しました。この問題及びMOX燃料の安全性の問題について、以下に質問します。 1.陸上輸送容器内に木片が混入していた問題について 新聞報道によれば、MOX燃料12体をメロックス工場から約800q離れたラ・アーグにある海上輸送のための詰め替え施設に陸上輸送を行っている中で、輸送容器1基の内部に木片が混入していたことが明らかになったとのことです。これは11月19日に発見され、メロックス工場から運びだす際には異物がないことを確認し、その後密閉状態でラ・アーグの施設に陸上輸送され、施設到着後に容器からMOX燃料を取り出した後に異物が発見されたとのことです。 (1)事実関係に関する質問
(2)11月19日に異物が発見されたにもかかわらず、貴社が口頭で報告したのは1ヶ月も後の12月21日です。
(3)輸送前には輸送容器内には異物はなく、輸送中は密閉されていたのに、輸送完了時に異物が見つかったとのことです。現在メロックス社が調査中とのことですが、1ヶ月を経過してもまだ原因は明らかになっていないと報道されています。 このことは、メロックス社と貴社の安全管理がずさんであることを示しているのではないですか。 (4)貴社は、「MOX燃料の健全性に問題はない」と話していますが、どのようにして健全性を確認したのですか。 (5)また貴社は、「海上輸送など今後の工程には大きな影響はない」とも話しています。異物混入の原因も明らかにならない内から、なぜこのようなことが言えるのですか。海上輸送はいつ頃に開始する予定なのですか。 (6)今回の輸送容器への異物混入事件は、メロックス社と貴社の安全管理のずさんさを示すものであり、さらに、輸送容器だけでなく、MOX燃料棒にも異物が混入しているのではないかという疑義が生じます。 燃料棒に異物が混入していないことを、どのようにして確認しているのですか。 2.プルサーマルの安全性に関するMOX燃料棒内圧の評価について 燃料の燃焼が進むにつれて、ペレットは核分裂生成物やガスによって膨張し、他方被覆管は1次冷却材による圧力によって縮まり、やがてペレットと被覆管のすき間はなくなります。このすき間が再び開くようなことになれば、燃伝達率が低下し燃料が溶融する危険があるため、すき間が再び開くことのないように、燃料棒内圧などが厳しく制限される必要があるとされています。 (1)燃料棒内圧の設計基準値について、貴社は設置変更許可申請書では、約19〜約20MPaと設定しています。他方、輸入燃料体検査申請書では、これを19.0MPaとしています。20ではなく、19.0MPaを採用したのはなぜですか。輸入燃料体検査申請書2−16頁に書かれているように「最も厳しくなるものとして」低い値を採用したということですか。 (2)燃料棒の内圧評価にあたって考慮すべきガスの影響としては、初期ヘリウムガス、放出核分裂性ガス、放出ヘリウム、揮発性不純物によるガス放出が考えられます。貴社の燃料棒内圧評価で考慮しているガスの影響は、基本的にこの4点ですか。 (3)設置変更許可申請書では、BNFLで製造することになっていたA型MOX燃料についての解析結果(3.2.5図)では最大内圧は16.1MPaよりかなり低い値に見えます。最大内圧をいくらと評価したのですか。 他方、輸入燃料体検査申請書では最大内圧は16.1MPaとなっています。この違いはA型とB型の違いによるものですか、それとも揮発性不純物などの評価が新たに加わったためですか。 2009年12月22日 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之 大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581 |
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(09/12/28UP) |