抗 議 文 |
高浜3・4号機用MOX燃料の搬入に抗議する |
関西電力(株)社長 八木 誠 様 |
2010年6月30日 |
関西電力は、多くの反対の声を踏みにじり、本日(6月30日)、高浜3・4号機用のMOX燃料12体を高浜原発に搬入した。何度も繰り返されるフランスからのプルトニウム海上輸送には、多くの国々が憂慮の念を表明してきたが、これらを全く無視して危険な輸送を強行した。私達は、MOX燃料の搬入に強く抗議する。 フランスのアレバ社・メロックス工場で製造されたMOX燃料は、ペレットに含まれる不純物がウラン燃料の安全基準さえ満たしていない劣悪な燃料である。ウラン燃料を燃やすように設計された通常の原発で、プルトニウムを含む劣悪なMOX燃料を燃やすことは、事故の危険を一層高める。 さらに、関西電力がプルサーマルで生み出すものは、どこにも持って行き場のない使用済MOXという核のゴミだ。この猛毒の核のゴミは、高浜原発の使用済燃料プールに超長期に渡って保管され続ける。政府は、使用済MOX燃料の処理の方策について、2010年頃から検討を開始するとしている。しかしその検討開始の前提条件である、六ヶ所再処理工場はガラス固化工程で完全に行き詰まり、「もんじゅ」も14年ぶりに運転再開したとたんにトラブルが続発している。検討開始できるための前提条件は一層後退している。このような中でプルサーマルを強行すれば、高浜町を使用済MOXという核のゴミ捨て場にしてしまう。 そもそも、「処分の方法」を記載できない使用済MOXを生み出すプルサーマル自体が、原子炉等規制法に違反する行為である。 さらに、使用済MOXを原発プールで超長期に保管する安全性は確保されていない。米国では、2005年にインディアン・ポイント原発で、2002年にはセーラム原発等で、プール水が漏えいし環境を汚染する事故が頻発している。微量のプール水が、気づかれることなく、5年間も漏れ続け、土壌や地下水等を汚染し続けていた。トリチウムによる飲料水汚染は連邦の安全基準の126倍にも達するなど、社会的に大きな問題となっている。 関電の使用済燃料プールの管理は、プールの水位が保たれていることが基本であり、微量の漏えいは放置され、地下の土壌や海を汚染する危険がある。実際に、伊方3号機や六ヶ所再処理工場でも使用済燃料プールからの漏えい事故が起きている。 使用済MOXの原発プールでの超長期の保管は、地元を核のゴミ捨て場にすると同時に、プール水の漏えいによって、若狭の自然を放射能で汚染する危険がある。豊かな自然を、将来にわたって子や孫達に残していきたいという多くの人々の切実な思いを踏みにじるものである。 私達は、高浜3号機に10月からの定期検査でMOX燃料を装荷することに反対する。福井と関西の人々の連携を強め、高浜3号機でのプルサーマルを阻止するために全力をあげていく。 |
2010年6月30日 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之 大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581 |
(10/06/30UP) |