2月14日の交渉での2月1日付質問への回答

1.貴社のプルサーマル計画の経緯について
 貴社が1月30日に発表した「当社のプルサーマル計画について」の【主な経緯】では、
  ○H11.9.13 MOX燃料データ問題が発覚(高浜3号機用燃料)
  ○H15.10.23 報告書「海外MOX燃料調達に関する品質保証活動の改善状況について」を原子力安全・保安院、福井県、高浜町、京都府に提出
 と書かれており、肝心の高浜4号機のMOX燃料データねつ造事件についは一言も書かれていません。また、H11.9.13〜H15.10.23(1999.9.13〜2003.10.23)の間の約4年間は空白となっています。

(1) 高浜4号機のMOX燃料データねつ造事件について何も書かれていないのはなぜですか。
 プルサーマルの準備再開に関しては、当社のプルサーマルに関する経緯や今後の準備作業の内容が簡単に分かる資料を参考資料として配布させていただいたもので、つまり平成16年3月に原子燃料工業株式会社の方にフランスのコモックス社とMOXの燃料加工に関する基本契約を締結し5月から6月に原子燃料工業とかメロックス工場に対して品質保証についての監査をおこなった。7月に監査結果を国とか福井県さん、高浜町さんに報告した。同年の8月9日に美浜3号機の2次系配管の破損を起こして、以後プルサーマルの計画を中断していたというところをお示ししたものです。

(2)1999年12月に高浜4号機のMOX燃料にデータねつ造があったことについて、貴社はどのような反省を行ったのですか。
 当社として海外燃料メーカーの品質管理状態について、書類確認が中心だったことや、海外燃料メーカーにおいて設備が自動化されていないなど、データのねつ造が容易な作業環境だったことに鑑み、二度と同様なことが起きないように当社のMOX燃料調達にかかる品質保証活動を改善するとともに燃料メーカーに対して当社の要求する改善策を確実に燃料メーカーの品質保証活動へ反映させることとしています。

(3)2001年12月にコジェマ社でMOX燃料を製造しておきながら廃棄にした事実についても書かれていません。これはなぜですか。
 プルサーマルの準備再開に関しては、当社のプルサーマルに関する経緯や今後の準備作業の内容が簡単に分かる資料を参考資料として配布させていただいたものです。

2.フランスのアレバ社メロックス工場の監査などについて
 上記同資料では、【プルサーマル計画の準備作業の内容】として「過去に実施した原子燃料工業梶Eメロックス工場の加工施設等の品質保証システム監査の結果を確認するため、再度、監査を実施」と書かれています。また新聞などでは「2月中に社員を現地工場に派遣」「3月末までにMOX燃料加工契約を締結」すると報じられています。また社長は1月30日に、「あらゆることをオープンにして理解を得る」と述べています。

(1) 監査を行うのはアレバ社のメロックス工場ですか。
 メロックス工場に対して監査を行うこととしています。

(2)「再度、監査を実施」とは、2004年に行った監査を初めからやり直すということですか。
 前回の監査と同様なことをやる予定にしています。具体的には、品質保証システムに関する管理文書、記録の確認。経営トップほかの関係者へのヒアリングなどにより、品質マネジメントシステムがISOの9001、2000等の要求事項に基づき構築維持されていること。製造管理、原燃工さん、および製造、メロックスの工場ですが、の業務プロセスとして原燃工はメロックスを適切に管理する仕組みになっていること。および、メロックス工場は原燃工の要求事項を適切に製造プロセスに反映する仕組みになっていること。BNFLの問題再発防止対策を適切に反映する仕組みがあり、今後、具体的な対応を取ることになっていること。輸入燃料体検査制度に適合するために当社の要求事項を適切に反映する仕組みがあり、今後、具体的な対応を取ることになっていること。を、確認することです。

(3)監査の実施期間はいつですか。また派遣する社員は何名ですか。
 2月の18日から21日にメロックスで監査をする予定です。派遣する社員は4名を考えています。

(4)何を監査するのですか。
 具体的には先ほど申し上げましたように、品質管理システムに関する管理文書、記録の確認。現場確認。経営トップほかの関係者へのヒアリングなど、品質マネジメントシステムがISO9001等の要求事項に基づき構築されていること。製造管理および製造の業務プロセスについて、原燃工はメロックスを適切に管理指導する仕組みになっていること。およびメロックス工場は、原燃工の要求事項を適切に製造プロセスに反映させる仕組みになっていること。BNFL問題再発防止対策が適切に反映する仕組みがあって、今後具体的な対応を取ることになっていること。輸入燃料体検査制度に適合するため、当社の要求事項を適切に反映する仕組みがあり、今後、具体的な対応を取ることになっていること。を、確認します。

(5)BNFLのMOX燃料データねつ造事件の反省から、貴社はメロックス工場に対して、MOX燃料ペレットの寸法データについて、全て公開するよう求めますか。
 ペレット寸法データの公開については、今後、MOX燃料加工についてメロックス社と協議することとしています。

(6)メロックス工場では、プルトニウムスポットの検査にアルファ線測定法ではなく化学エッチング法を用いると言われていますが、それは事実ですか。その場合、プルトニウム濃度は測定できるのですか。また、プルトニウムスポットの品質検査はペレット全数について実施するのですか。
 メロックス工場でのプルトニウムスポット径測定検査は、アルファオートラジオグラフィー法または化学エッチング法でおこなわれる。双方の手法とも、プルトニウム濃度の具体的な値の測定はできなく、他の部分と比べ、プルトニウム濃度が高い部分をプルトニウムスポットと判断している。プルトニウムスポットの品質検査は、破壊検査であるため、抜き取り検査を実施する。

3.耐震安全性について

(1)日本原電が、2004年に提出した敦賀原発3・4号機増設の申請書で、敷地内のボーリングデータから浦底断層について断層の下部だけを断層と評価し、古い岩盤が新しい地層の上にあるということから上部は断層でないと評価しています。
 このことについて地形学の専門家が「地質学の常識を無視した意図的な評価だ。耐震安全性を緊急にチェックするべきだ」と指摘しています。
[1]貴社は、日本原電と同じ評価で美浜原発を運転しているのですか。
 日本原電が2004年に提出した敦賀原発3、4号機増設の申請書については確認している。その中で、浦底断層に対して複数の調査分析結果から、総合的に評価されているものと判断している。現在、原電殿が追加調査を指示され、さらにデータを拡充され、評価されると聞いており、今後はその内容についても確認し検討したいと考えている。その内容も含め、新耐震指針に照らした耐震安全性評価、いわゆる耐震バックチェックの中間報告としてとりまとめ、3月頃に報告する予定である。

[2]下部と上部をひとつながりの活断層として評価するべきではないですか。
 現在、平成18年に改訂された耐震設計指針を踏まえてご指摘のあった活断層も含めて改めて耐震安全性評価を実施しており平成20年3月の中間報告でとりまとめることとしています。

(2)敦賀湾を横断している浦底断層の評価について、政府の地震調査推進本部の評価(長さ約25キロメートル、M7.2)に比べ、日本原電の評価は、長さ約6.5キロメートルと約1/4です。美浜原発では、浦底断層の長さ及び地震動評価はいくらと評価しているのですか。
 日本原電が追加調査を指示されて、さらにデータを拡充され、評価されると聞いており、今後はその内容についても確認し検討したいと考えています。その内容を含めて新耐震指針に照らした耐震安全性評価の中間報告で3月頃に報告する予定です。

(3)貴社が現在行っている耐震安全性評価(バックチェック)での陸域と海域の断層調査データの全てを当然のことですが公表しますか。
 現在実施している調査については、新耐震指針に照らした耐震安全性評価、バックチェックに対する中間報告としてとりまとめ、3月頃に報告する予定である。国の公開の場で審議されるものと認識しております。

(08/02/20UP)