大飯2号機の2次系配管大幅減肉に関する「対策」について
追加質問と回答(12月12日)


関西電力社長 森 詳介 様

2007年12月5日

1.貴社は11月22日に、大飯2号機の2次系配管大幅減肉に関する「対策」を発表しました。その中では、「至近2回の定期検査で未点検の部位については、今回の定期検査で点検を実施」、さらに「今回の定期検査終了時点で点検回数が3回に達しない部位は、今後3定期検査を超えない範囲で順次点検を実施」するとしています。
(1)大飯2号機以外の全ての原発についても、この点検方法を採用するのですか。
(答)全てのプラントに展開することにしています。

2.他方、原子力安全・保安院は、11月30日に「原子力発電所の配管肉厚管理に対する追加要求事項について」を出しました。そこでは、「公称肉厚の確定が困難であって肉厚測定実績が1回のみの部位について余寿命評価を再評価」するよう求めています。
 今回の保安院の余寿命評価方法は、1回しか測定値のない部位について、至急に配管肉厚を測定するよう求めているものではありません。過去に1回だけ測定した測定値をもとに、例えばエルボ・曲げ管については、「円周8方位の方位毎に管の軸方向流れに沿った測定点の最大肉厚と最小肉厚を求め、その差を時間で割って減肉率を算出し、その方位毎の減肉率から最大減肉率を求めること」となっています。
 すなわち、この方法は、流れ方向に沿った測定値の最大と最小を比べるもので、別紙図「(1)90°エルボ」でいえば、図の円周方向1について、流れに沿ったA〜Eの過去の測定値の中から最大肉厚と最小肉厚を求め、その差を時間で割って減肉率を出し、同様のことを2〜8で行い減肉率を出し、その中で減肉率が最も大きいものを最大減肉率とする方法です。その結果、余寿命が5年未満の場合は、来年の5月31日までに配管取替計画などを保安院に報告するよう指示しています。
(1) 2004年の大飯1号機の大幅な減肉では、減肉率は加速していました。10年以上も前に測定した値を用いて、現在の減肉傾向を確認できると貴社は考えますか。
(答)1回の測定結果から算出された減肉率は不確定な因子が多く含まれていることから、余寿命の評価ではある程度のばらつきが発生する。このことから現在の管理指針、今年3月に改正したものですが、10年以内に1回は測定を実施すること、また前回の測定時期が10年以上前の部位については、至近の定期検査で測定することとしています。

(2)貴社はこの方法で、1回しか測定値のない配管の安全性が確認できると考えますか。
(答)上記の回答と同じです。

2007年12月5日
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(07/12/12UP)