関西電力(株)社長 森 詳介様
2006年12月19日 大飯3・4号機の温排水を管理している復水器出入り口と取水口・放水口の海水温度に関するデータを、貴社は改ざんしていたことが明らかになりました。このデータ改ざんは、1998年1月から、最長で2004年10月まで行われていました。データ改ざんの指示は貴社の技術課長から計器の調整を担当する第二電気保修課に出され、同課や協力会社の担当者が改ざんを行ったと報道されています。これは、会社ぐるみのデータ改ざんに他なりません。貴社は、1999年のMOX燃料データねつ造が発覚する以前から既に温排水データの改ざんを行なっていたわけです。その後も6年間以上、温排水データは改ざんされたままでした。MOX燃料のデータねつ造については「謝罪」したはずの貴社が、温排水データ改ざんはそのまま放置していたわけです。さらに、2002年の東京電力の検査データ不正事件の後に、貴社もデータ不正や改ざんなどについて一斉調査を行ったはずですが、温排水データの改ざんは続けられていました。 さらに貴社が安全協定に基づき、福井県やおおい町に年4回報告している温排水の環境影響調査についても、この改ざんされたデータを報告していました。福井県やおおい町、県民や町民を何度だませば気が済むのでしょうか。 これらが示しているのは、貴社がデータねつ造・改ざんの常習犯であるという事実です。原発の各種測定データの改ざんは、原発の安全管理・安全確保の基礎を掘り崩すものです。貴社の安全軽視の体質が、またもや改めて明らかになりました。貴社は海水の入り口と出口温度の差を7度と設定しています。温度差が7度を超える場合は、海水量の調整や出力の低減によって7度の範囲を守ることができるはずです。出力の低減ではなくデータ改ざんを行ったことは、貴社の経済性最優先の姿勢を示すものです。 このような貴社が、1月中旬に美浜3号機の運転再開を行うなどもってのほかです。 温排水のデータ改ざんに強く抗議するとともに、改めて美浜3号機の運転再開を断念するよう求めます。 なお、下記の質問について早急に回答し、年明け早々に交渉を設定してください。 1.何のために温排水のデータ改ざんを行ったのですか。 2.復水器出入り口と取水口・放水口の温度データの時系列(最近1年間分)を公表してください。 3.MOX燃料のデータねつ造が発覚した後も、温排水のデータ改ざんを続けたのはなぜですか。MOX燃料データねつ後の貴社の反省と体質改善が不十分だったことを示しているのではないですか。 4.温排水のデータ改ざんに関してどのような責任をとるのですか。 5.全ての原発の計器のデータについて、他には一切データねつ造・改ざんは存在していないのですか。 2006年12月19日 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之 大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581 |