5月21日関電交渉報告 その2
(質問3)


プルサーマルで「ウラン資源を約25%節約できる」との宣伝は「回収ウラン」で上げ底した誇大広告
(質問)
3. プルサーマルによるウラン資源の節約について
 貴社の藤谷若狭支社長は「プルサーマルを行うことで、ウラン資源を約25%節約することができます」と述べています。
 質問3.プルサーマルを行うことによって、なぜどのようにしてウラン資源を約25%節約することができるのか説明してください。
    ↓
(関電の回答)
 関電はホワイトボードにグラフを描いて説明した(下図参照)。これは、資源エネルギー庁が公開している資料『核燃料サイクルのエネルギー政策上の必要性』で示されているものと基本的に同じもので、単純な計算上の話である。再処理によって発生したプルトニウムからMOX燃料が製造され、また回収ウランを再濃縮することでウラン燃料が作られる。このMOX燃料と回収ウラン燃料によって、次サイクルで使用するウラン燃料のうち25%を代替できるという計算である。なお、MOX燃料と回収ウラン燃料は等量で、それぞれ12.5%のウラン燃料を代替できると関電は説明した。

 「質問3」に対する関電の説明によれば、MOX燃料による正味の「節約」は12.5%に過ぎない。回収ウランを全量使ってはじめて25%になるのである。
 そこで、「25%節約」と宣伝するのだから、「回収ウランを全量使うことがプルサーマル計画の前提になっているのか」と関電に聞いた。関電は、小さな声で答えにくそうに「まぁそうです」と答えた。「必ず回収ウランを使うのですか」と重ねて追及すると、「誤解を招くかもしれませんが」と前置きした上で、「プルサーマルをやるということは、核燃料サイクルを回すということでして、それを目標にしてやっていくということで25%と言っています」などと言う。結局、回収ウランの「再利用」は、プルサーマル計画の条件でも前提でも何でもなく、単なる努力目標に過ぎないということなのである。事実、回収ウランは不純物があるため、放射能が強く扱いが難しい。次の「質問4」で明らかになったように、再利用されているのは全回収量の1割程度に過ぎない。今後の使用についても具体的な計画はほとんど決まっていない。  回収ウランが全量使われるなどというのは、机上の空論に過ぎないのである。回収ウランの使用をこっそり前提として、「ウラン資源を25%節約」とプルサーマルの宣伝をすることは、明らかな誇大広告であろう。