ARIS 1月16日 スイスの研究所は、今日、コソボの戦場で集められたアメリカ製武器に、放射能汚染を示唆するウランの同位体の痕跡を見つけたと発表した。 その研究所−スピエルズにあるスイス連邦科学技術研究所−は、ウラン236の発見された分量は微量であり、使用済銃弾の中に他の物質が含まれていたかどうかを調査していると述べた。それらは劣化ウラン弾の影響を調査していた国連調査団によって回収されたものである。 4つの他のヨーロッパの研究所は、コソボからのサンプルを分析している。土壌、水、そして使用済薬きょうの中で見つけだされた毒物の共同の発見は、3月に出版される予定になっている。そのスイスの研究所が、今日、その結果の一部をなぜ発表したかは明らかではない。 コソボから帰還するNATO兵士の間での病気に関するヨーロッパの怒りが焦点を変えようとしている時に、その研究所は発表した。ヨーロッパの科学者と核の専門家達は、対戦車砲で使用された、一部の劣化ウランは「汚い」、つまり汚染されている兆候があると述べている。 スイスの研究所によるウラン236の発見は、なぜ15人のヨーロッパ人兵士が最近白血病で死んだり、その他の人々が説明のつかない病気にかかったりしているのかに関する議論で、不安を増加させることは確実である。 その発表は、『劣化ウラン、見えない戦争』と題した本が来週フランスで出版されるのと符合している、その本は劣化ウランの汚染とその結果を調査しており、パリで話題になっている。 NATOは、劣化ウラン弾は衝突の後に、重大な健康問題の原因にはなりえないと言って、その騒動を静めようとしてきた。NATOははやくも医学委員会を作り、その委員会は「バルカン症候群」を認識するのは不可能だと、今日繰り返している。 ヨーロッパと合衆国の科学者と核の専門家達は、その危険性に関して見解を異にしている。彼らはまた、それが他の汚染物が存在するかもしれないことを示唆しているとしても、ウラン236の存在が重要な違いになるかどうかについても食い違っている。 ウラン236は、自然界のウラン鉱石の中では存在しないし、また、原子炉と爆弾の中で使用するため適当な元素を取り除いた劣化ウランの中に見いだされないということは誰もが一致しているようである。 「ウラン236は原子炉の中でつくられる」とフランスの核物理学者Monique Seneは述べた。「それは核燃料から来ている、そしてもっともありそうなのは核廃棄物[使用済核燃料]のリサイクル[の過程]から来ている。他の知り得る源泉はない」。 アメリカ人の物理学者Steve Fetter氏は、劣化ウランの武器の中にウラン236が存在していることは知られていた、しかしそれは健康問題を引き起こさないだろう、なぜならそのアルファ放射線は多くの被害を与えることはできないからだとと述べる。彼によれば、ウランは、白血病が起こる骨や骨髄を貫通しないという。 しかし、監視委員会である、フランスの放射線防護委員会の代表Jean-Francois Lacronique氏は、インタビューの中で、ウラン236の発見は憂慮すべきである、なぜならば「それは劣化ウランより10倍以上放射能をもち、そして、それは症状が早く現れる(非常に早く効く)」と述べた。ウランを先端につけた武器が炎の中で爆発した時、その高い温度は、ウランを肉体に入ることができる小さな小滴や塵の粒子にかえることができ、人間の体内でそれは200日間放射能の影響があるとLacronique氏は述べた。 彼によればまた、『The European Journal of Nuclear Medicine』の中で公表されているリポートは、ウラン236は湾岸戦争の退役軍人の尿と骨の組織の中に発見されていたと述べている。 ウラン236の存在は健康問題の次元を変えるとLacronique氏は述べた。「劣化ウランから癌になるために、人は非常に長期間、大量に被曝しなければならない。しかしウラン236の存在は、その方程式を変える(問題を複雑にする)、なぜならそれはリサイクルされた燃焼後の核燃料から来ている(を起源としている)。私達は、燃焼後の核燃料からの他の汚染物が、プルトニウムやアメリシウムのような、もっとも有害な物質が存在するのかどうかを明らかにする義務がある。」 |