病院の野放しの略奪、および公衆衛生記録を保管しているほとんど全ての省や他のセンターの破壊は、イラクにおける公衆衛生システムを見る影もなく解体し、世界の人々を当惑させている。これは「作戦上の失敗」か?あるいは慎重に仕組まれた出来事か?「劣化」ウラン兵器の使用を永久に禁止するキャンペーンに取り組んでいる活動家達にとっては、病院や基準線となる健康データの破壊は、明白な法的な目的をもつものとなる。略奪は病院が現在機能することを不可能にしており、そして、米英軍によって使用された「劣化」ウラン兵器や他のもっと実験的な兵器に結びつく症状について記録したり報告する能力を妨害している。 疑いが強まることには、米国国際開発局(USAID)が、1000万ドルの費用で、世界保健機構(WHO)を住民の直面するニーズを確認するために、雇ったのだ。これは、利害衝突に対する懸念を引き起こす。「劣化」ウランの早期健康傷害についてのあらゆる資料収集が、米国によってその代金を支払われているが、米国は、これらの傷害に関係するコストを支払わなければならないであろう中心的存在なのである。この利害衝突は、法案H.R.1483の行き先を危険にさらすかもしれない。連邦下院議員ジム・マクダーモット(ワシントン州の民主党)によって提出されたその法案は、劣化ウラン弾の健康影響に関する研究を要求している。 略奪と燃焼の目標にされたところ(計画省、情報省、健康省など)は、取り決められた企てが、重要なデータを破壊するために作られたという推測を裏付けている。略奪を阻止するための米国の戦車と兵士による石油省や内務省の厳重な警備と、略奪され放火によって破壊された他の公的施設における軍事的警備の明白な欠如は、イラクのインフラのより一層の意図的な破壊を示唆している。 第二次湾岸戦争前の健康記録のデータは、第二次湾岸戦争後のイラクにおける癌およ び先天的欠損症のレベルの増加を示す基準線を確立するために、決定的に重要であ る。予想通りに、「劣化」ウラン兵器によって第二次湾岸戦争での都市部への直接爆撃は、「劣化」ウラン兵器がバスラ南部の戦場で使用された第一次湾岸戦争におけるより、より大きな[癌等の]増加を引き起こすだろう。使用された量の増加と都市が標的であることは、劣化ウランへの被曝による疾患や死亡の始まりを加速しその人数をおおきなものにするだろう。 「劣化」ウラン兵器、集束爆弾および燃料気化爆弾は、人権保護と促進に関する国連小委員会の国連専門家会議によって、国際法違反であると宣言されている。 第一次湾岸戦争の期間中、1991年に米国および英国によって「劣化」ウラン兵器がもたらされて以降の高いレベルの癌および先天性欠損についての報告に、国連事務局長および小委員会による報告書や研究が続いている。 カレン・パーカー弁護士は、1996年以来、国連において劣化ウランの違法性を訴えてきているが、次のように述べている:「国連小委員会が劣化ウラン兵器が現在の法律を破っていることを最初に明らかにしてより、劣化ウランに反対する証拠はより一層強くなっている。アメリカは、一部にはイラクにおける劣化ウランの影響をできるだけ隠ぺいする必要のために、イラクに対する制裁体制を維持するために激しく戦ったと、私は以前から考えていた。今、病院および劣化ウランに関するイラクの科学者によって収集された記録の破壊は、アメリカの目的が劣化ウランに関する真実を隠ぺいすることであるという結論を一層支持している。また、赤十字国際委員会が述べたように、病院を保護することは米軍の義務である。それの完全な不履行は、ジュネーブ条約の重大な違反である。」 ルーレン・モレは、独立した劣化ウランの専門家でリバモア核兵器研究所の元科学者であるが、第一次湾岸戦争における「劣化」ウラン兵器の使用は戦場での放射線兵器の軍事利用に対する46年間のタブーを破ったとコメントしている。第一次湾岸戦争での劣化ウランの使用は「・・・第4世代の核兵器の使用を導入する軍事的前例を確立した。」 米連邦下院議員ジム・マクダーモット(ワシントン州の民主党)によって提出された、劣化ウラン弾の健康影響に関する研究を要求する法案H.R.1483では、これらの放射能兵器からの汚染にさらされた後に人が示すであろう初期のあらゆる兆候を、医師が記録するために直ちに働かなければならないことになる。この最近の紛争では、米国/英国によって以前の湾岸戦争での5倍の量の「劣化」ウランが使用されたことを情報源は示している。 巡航ミサイルおよび他の兵器中の「劣化」ウランは衝撃でエアロゾル化し、放射性超微粒子の大量吸引をもたらし、また、バターをスライスするナイフのように身体を通ってウランの小さな破片が送られる。初期の症状はほとんで神経学的なもので、頭痛、衰弱、めまい感、筋肉疲労等として現れることになる。長期的影響は、ガン、先天的欠損症および他の放射線に関連した疾患―慢性疲労症候群、関節および筋肉痛、発疹、神経学的なまたは神経の損傷あるいはその両方の損傷、気分障害、感染症、肺および腎臓障害、視覚問題、自己免疫不全症、感覚損失などである。 この現在の湾岸戦争では、低レベルの放射線病の徴候を持ったいかなる軍隊も、それらの部隊に報告するだろう。それらの兆候は、劣化ウラン被ばくに結びつけることを軍によって否定されるだろう、なぜなら米国の政策は、劣化ウラン兵器が病気を引き起こすことができるということをずっと否定しているからである。軍および民間の医者は、第一次湾岸戦争で神経系の病気を外傷後ストレス障害[PTSD]として定義し、かつ帰還兵の体内の放射性の破片を放置するように訓練された。軍がこの政策を繰り返すことが予測される。 米軍劣化ウランプロジェクトの前の責任者であるダク・ロッキは、劣化ウランの使用に反対してキャンペーンを続けている。彼は、一連の湾岸戦争症候群で米軍兵士が既に発病していると報告している。 政治評論家であり長年の反劣化ウラン活動家であるフィリッパ・ウインクラーは、即時の独立した研究を要求している:「劣化ウランへの被ばくや可能性のある新型兵器の使用に結びつく症状について、独立した健康科学者が、第二次湾岸戦争兵士、イラク市民、イラクの医師、ジャーナリスト、人間の盾、および他のボランティアの人々を、観察し、検査し面接することが緊急に必要である。」 人道的弁護士連合の連絡先: カレン・パーカー:劣化ウランに関する国際法の専門家 ied@igc.org フィリッパ・ウインクラー:政治評論家、「ペルシャ湾岸戦争の隠された犠牲者(Hidden Casualties)、環境・健康・政治的帰結」(1994年、amazon.com参照)の編集者、またビデオ・ドキュメンタリー「放射性鉱山(Radioactive Mines)から核兵器(Radioactive Weapons)まで」の共同制作者 pjw82001@yahoo.com 先住民のための科学者達の連絡先:ルーレン・モレ:独立の科学者であり劣化ウランの専門家、「先住民のための科学者達」の議長 leurendu@yahoo.com |