ヨーロッパでは、「バルカン症候群」と劣化ウラン弾の因果関係を巡って、深刻な事実が明らかになろうとしています。さらにそれは、日本の原発とも無関係ではない可能性も出てきています。日本のマスコミでは全く報道されていないため、海外の情報からいくつかを紹介します。 1月16日、スイス連邦科学技術研究所は、国連調査団がコソボで回収した劣化ウラン弾からウラン236が検出されたと発表しました。ウラン236は、原子炉の中の核分裂によって作られます。このウラン236が検出されたことは、劣化ウラン弾の材料として、使用済み核燃料の再処理で取り出されたウランが使用されていたことを示唆しています。これまで劣化ウラン弾の材料は、核兵器や核燃料を製造するためのウラン濃縮の過程で出てきたウラン238が使用されていると言われていました。 さらにドイツ・テレビは、劣化ウラン弾にプルトニウムが混入していた疑いをとりあげ、ドイツ国防大臣は、米に対して、プルトニウム汚染の疑いを明らかにするよう要求しました。スイスの専門家は「もし再処理ウランが使用されていたとすれば、プルトニウムも存在することは『大いにありうる』」と述べています。 また、BNFLやコジェマ等の核産業は劣化ウランビジネスのリーダーです。これら核産業の存在が、英仏政府の劣化ウラン弾に対する政治的立場を規定していると、報道されています。 日本の原発の使用済燃料は、英BNFLと仏コジェマで再処理されています。その再処理ウラン等が劣化ウラン弾の材料になっているという可能性も出てきます。BNFLやコジェマでは、再処理後の廃棄物についても国別の管理などほとんど行われていません。 私達は、英仏での再処理委託に反対してきました。日本の再処理委託は、これまで再処理にともなう膨大な放射能放出によって英仏の環境と人々を放射能汚染にさらしてきました。さらにその上に、ヨーロッパの兵士や戦場となったバルカン諸国の子供達が放射能被害で苦しみ続けることの片棒を担ぐなど断じて許すことはできません。 これから、プルトニウムの混入問題、混入の経路等々が明らかにされていくはずです。この問題に目をひからせていきましょう。 劣化ウラン弾の使用に反対しよう!被害に対する責任と補償を要求する欧米の運動と連帯しよう! 日本の政府・電力会社に、BNFL・コジェマとの関係を一切断ち切るよう要求しよう!再処理の中止、英仏への新たな再処理委託をやめさせよう!福島T−3号、柏崎刈羽3号でのMOX使用阻止の運動を一層強力に押し進めていこう!関電のBNFL・MOX新工場との新契約を阻止しよう! |