６／２１　関電交渉速報
やはり使用済み燃料が再処理される確約はなかった！
「再処理の時期に関する協議の提案すらない」
「９７年１２月『覚書』には個別の使用済み燃料の再処理時期の規定はない」

　６／２１関電との交渉を行いました。前回の６／１２の交渉で関電が答えることができなかった、使用済み燃料搬出の根拠等についての回答を得るためです。１０人で約１時間半の交渉でした。今日の交渉で、やはり、今回高浜原発から搬出された使用済み燃料が再処理される確約がないことが明らかになりました。速報でお知らせします。

１．再処理の時期に関する協議の提案すらない
　再処理の時期については、９７年３月３日の「再処理基本契約」の中で、「日本原燃が定期的に再処理契約を提出し協議することになっている」とのことです。そして、現在は、この再処理の時期に関する協議もしていないこと。さらに、日本原燃から再処理計画も出ておらず、協議を行うという提案すらないということが明らかになりました。

２．９７年「覚書」では個別燃料の再処理時期の規定はない
　関電は、９７年１２月の「再処理料金および前払等に関する覚書」でも、個別燃料の再処理時期の規定がないことも認めました。この「覚書」では、再処理の前払料金については決められているのに、肝心の再処理の時期はどこにもないというのです。これでは「再処理前払金」＝使用済み燃料保管金になってしまいます。

３．再処理前払費が１トン５０００億円から１兆円に値上がりした時期と理由
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　値上げの時期は２００１年２月。理由は、「再処理工場の工事費の増加・工期延長に伴う償還資金の需要があり、日本原燃から資金協力の依頼があったから」とのことです。「償還資金」とは「利息」などと述べました。

４．再処理料金は９７年「覚書」に記載されている。しかし守秘義務で答えられない
　再処理料金は９７年１２月の「覚書」に記載してあることは認めました。しかし価格については、守秘義務で答えられないとの回答です。再処理費用の上限が設定されているのかという質問に対しても回答しません。しかし「上限が設定されているかどうか」が守秘義務の範囲に入るなどおかしな話です。

５．「再処理できなかった時には施設外に搬出する」ことを尊重する電力の「確認書」は存在する。しかし、具体的にどこにどう搬出するかは決めてない
　９８年７月２９日に日本原燃、青森県、六ヶ所村が安全協定を締結した際に、「再処理事業の実施が著しく困難になった場合、使用済み燃料を施設外に搬出する」との「覚書」が結ばれました。この覚書の効力を担保するために「確認書」を作成したかの質問に対しては、
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@「確認書」はある　A確認書の日付は、上記「覚書」と同じ９８年７月２９日　B日本原燃と電力９社＋日本原電の１１社の名前が並んでいるもの　C内容は、「覚書を十分尊重する」というもの　Dこの「確認書」は現在も効力がある。との回答でした。
　交渉の中では、再処理されなかった場合「施設外に搬出する」となっているが、具体的にどのように搬出するのか、どこに搬出するのか等が記載されているのかと追及されると、「具体的なものは書いていない」「いやはっはりしない」と言うのです。「施設外」とはどこなのか、青森以外なのか、その燃料の搬出元の原発サイトの事なのか等についても一切答えられません。「確認書」といいながら、まったく具体的内容のない、無責任なものだと追及しました。

６．燃料プールの使用についての「覚書」等があるかないかははぐらかす
　「六ヶ所の使用済み燃料プールの使用に関する協議あるいは『覚書』等があるか、あればその内容等を明らかにすること」という問書については、「再処理基本契約に基づき、所定の場所に貯蔵することになっている」と答えました。この答えは、基本契約に「基づいた」何らかの約束等があるというニュアンスでもありました。しかし、私達の質問（具体的な協議等があるのか）の答えになっていません。関電も「質問の答えになっていない」ことをその場で即座に認めました。前回のように、担当者に回答を聞きに行くよう要求しましたが、よほど前回怒られたのか、席を立とうとしません。そのため、明日回答を得ることになりました。
　さらに、六ヶ所の３０００トンのプール使用について、関電枠があるのかについても答えませんでした。こちらも次回回答です。

７．使用済み燃料搬出をなぜ秘密にしたのか
　今回の高浜原発からの使用済み燃料の搬出に関して、関電は事前にマスコミに対しても情報を公開しませんでした。
@なぜ発表しなかったのかと追及すると、「核物質防護上」を繰り返すだけです。具体的にどこで規定されているのかと問うと「前科技庁が出した通達」だといいます。次回その通達を公表することを確認しました。
A国家公安委員会には事前に連絡したと回答。福井県、高浜町にいつの時点で、どのような内容を伝えたのかには答えられませんでした。
B福井県、高浜町との間で、使用済み燃料搬出に関する「安全協定」を締結しているのかとの問いには、一般的な「安全協定」の中に含まれている。それは公表されているもので次回コピーを渡すということになりました。



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