敦賀2号の加圧器配管系で、冷却水喪失事故につながる貫通傷
すべてのPWRを直ちに止め、加圧器系を点検せよ
維持基準の導入などもってのほかだ



 日本原電の敦賀2号で、1次冷却水喪失事故に直結しかねないほどの危険な状態が、9月9日午後4時頃に見つかった。加圧器逃し弁の管台にホウ酸が付着しており貫通傷が生じていた。それも定検で管台部点検のために保温材を取り外して初めて分かったという。
 加圧器は、1次冷却水が高温でも沸騰しないよう150気圧の圧力を作るための装置である。ヒーターで余分に加熱して上部に水蒸気をつくり、その圧力で加圧している。
 もし、当の管台が破損すれば、たちまち加圧器上部の蒸気が抜け出す。1次系圧力がいっきに下がり、冷却水が沸騰する。燃料からの除熱が損なわれ燃料棒が破損・溶融する。1次冷却水が管台の破損部分から抜け出すのを止めることはできない。まさに冷却水喪失事故となる。ECCSが緊急に冷却水を補給するが、へたをすると炉心溶融事故となる。
 敦賀2号は1987年に運転開始した出力116万kWの加圧水型炉(PWR)である。ことの重大性に照らせば、すべてのPWRは緊急にとめて保温材をはがし、加圧器の配管系を点検すべきである。維持基準の導入などもってのほかだ。
日本原電のHP


日本原電のHPより


日本原電HPより