新潟日報社は、7月26日〜28日にかけて、柏崎市などで被災者600人を対象にアンケート調査を行った。その結果が7月29日付の新潟日報に掲載されている。1面トップの見出しは「『原発』不安トップ 地元の信頼揺らぐ」。2・3面でアンケート結果の詳しい記事があり、社会面でも「原発のまち複雑な思い 『地元は危険なだけ』 雇用の場、共存求める声も」との見出しで、地元の人々の声を紹介している。これら記事の一部はWEBでも見ることができる。 ◎被災者の原発への不安4割超 新潟日報 2007.7.29 家屋の倒壊、ライフラインの復旧もなかなか進まないなかで、「これからどんなことが不安ですか」との問いに、「原発トラブル、放射能漏れ」をあげた人が最多で42%に達している。続いて、「住宅再建」40.5%、「生活資金」29.3%、「体調や健康」26.5%となっている。自宅の再建や生活・健康よりも、柏崎刈羽原発を最も不安に思っている。震災による被害に加えて、原発立地点の怒りと不安が示されている。原発の設置を許可した国に対する怒りの声も強い。 さらに、アンケート調査では、放射能を含む水が海に漏えいしたこと等について過半数の51%の人が「許せない」と答え、今回の地震に伴う次から次に出てくる事故や東電の対応について、地元の人々の怒りが伝わってくる。原発の運転再開については、原発立地点であるにもかかわらず「閉鎖すべきだ」が22%にも達している。「分からない、どちらとも言えない」が27%、「安全が確認されれば再開してもよい」が50%と半数となっている。家族や親類が、原発や関連会社で働いているという現実のもとでの回答である。 昨日の国の「調査・検討委員会」に出席した新潟県危機管理監は、このアンケート結果を引用し、「今後の事業者や国の行政の対応いかんによっては、この容認の回答も反対に回るのではないか」と発言している。また「原子力発電所を受け入れた地域の住民だけにリスクを負わせ、『電力は首都圏へ、リスクは地元で』では立地地域は浮かばれません」とも発言している。 ◎「『中越沖地震における原子力施設に関する調査・対策委員会』における新潟県危機管理監の発言内容をお知らせします。」 新潟県 7月31日 これら地元の声は、地震が原発を襲えば、通常の震災に加えて立地点であるがゆえの被害や負担、苦悩が重なることを、まざまざと映し出している。 8月5日の講演・討論会では、新潟の小木曽茂子さんから、地元の人々の思いを伝えていただく。是非、ご参加を。 ○講演・討論会の案内 (07/08/01UP) |