データ改ざん/隠ぺい工作/盗水/無許可工事など数々の違法行為−水力発電所
蔓延し 常態化している関電の悪質な不正・違法行為
データ改ざんプログラムが関電の「標準機能」/経営トップは今度こそ責任をとれ!辞任せよ!


  2月23日、河川法の監督官庁・国土交通省は、違法に取水していた関電の5ヶ所の水力発電所に対し、取水停止を指示した。このため、2発電所が発電停止。この5ヶ所は発電用とは別の取水口を設置して河川から直接取水していた悪質な違反であった。国交省は、今回の指示だけで違反処理を終わらせてはならない。河川からの直接取水はあと37ヶ所もある。取水停止で発電できなくなる黒部川第3発電所では、代替手段が用意できず黒部峡谷鉄道の運行に支障が出るという。国交省は、関電の悪質な違法行為に対し毅然と対処するべきである。
 2月14日に関電が公表した不正・違法は、「関電の慣習が法律」ともいうべき実態である。河川法違反、電気事業法違反がほぼすべての水力発電所で行われていた。無許可での盗水=水泥棒や工事実施にとどまらず、全社をあげて違法行為の隠ぺい工作を積極的に行っていた。1973年頃から取水量データの改ざんを目的として、許可最大取水量の超過分を自動的にカットできるプログラムを「標準仕様」として採用し、全水力発電所に設置してきた。データ改ざんとその隠ぺいのためのプログラムは、本社の指示による「標準機能」(2/15関電交渉)なのである。しかも、2004年の火力発電所での検査データねつ造が発覚したあと、05年にはこっそりとこの不正プログラムの廃棄指示を出したが、国への報告も公表もしていなかった。この間に美浜3号機の事故を引き起こしたのである。隠ぺい工作だけでなく、責任追及を逃れるためか、不正・違法行為は、時期とタイミングを都合よく選んで公表しているのである。
 
これまでに公表があった数々の不正・違法は以下のとおり。
 ◆水力発電所の2ヶ所を除くすべてでデータ改ざんなど・・148発電所中146ヶ所
 ◆会社ぐるみのデータ改ざん・隠ぺい工作・・・データ改ざんプログラムを標準機能
  ・取水量データ改ざん・・124発電所
  ・発電電気量データ改ざん・・120発電所
  ・無許可の違法取水・盗水・・129発電所・459件、京都・蹴上では110年間も盗水
  ・貯水池流量に関する不正プログラム・・データが残存せず件数は不明
 ◆無許可、無届での工事
  ・河川法関連・・51発電所で管理所の建替え、ゲート取替え、えん堤改修などの工事
  ・電気事業法関連・・4発電所/水圧鉄管弁取替え、洪水吐ゲート取替えなど
 ◆ダム堆砂状況(定期報告)データ改ざん・・49ダム中25ダムで改ざん
上記は調査途中の件数であり、国の再調査期限の3月14日までにさらに増えるに違いない。

 公表した日の記者会見で関電は、「多くの不祥事が発覚して深く反省」と頭を下げたものの、「長年の慣習で違法行為という意識はなかった」と弁明した。制限超過の取水のためにデータ改ざんプログラムを装備したにも係わらず、「違法行為の意識がなかった」と言えるのは、不正・不法の責任を感じていない証拠である。事実、「不祥事」とは言うが「違法行為」とは言っていない。ホームページ上でも「不適切な取り扱い」を「詫び」ているだけである。
 同時期に発覚した不二家の不正では、不買で売り上げが激減し、社長は辞任した。関電は、電気の不買ができないことの上に胡坐をかく地域独占企業である。こんな会社こそ経営トップの責任は重いはずである。今度こそ、関電トップは責任を取り、辞任するべきである。
 国交省、保安院は、関電の悪質なデータ改ざん・不法行為の責任を追及するべきである。
まずは、品質保証の国際規格であるISOの取消しを要請するべきである。