ブッシュの対イラク戦争と劣化ウラン兵器の使用に断固反対する! |
ブッシュの対イラク戦争に断固反対!イージス艦派遣と日本の事実上参戦糾弾! 12月20日、アメリカ政府は湾岸周辺地域への5万人増派を決定した。これで、湾岸での米兵力は10万人に増強されることになる。すでに空爆が頻繁に行われ多数の死傷者が出ている。ブッシュ政権は、イラクへの攻撃開始に向けた最終準備に入った。イラクが国連に提出した大量破壊兵器に関する申告書に対しアメリカは、具体的な根拠を示さず一方的に「重大な決議違反」と決めつけた。国連査察団の報告が出る1月最終週が「イラクの意図について世界が判断を加える時期になる」と公言し、1月下旬から2月にかけての武力行使の意図を露骨に表明している。何が何でも戦争に持ち込みたいのである。アメリカの対イラク戦争には何の正当性もない。「アメリカに逆らう国家には何をしてもよいのだ」「国家元首を抹殺し、国民を殺戮しても構わない」という、野蛮極まりない侵略戦争である。 日本政府は、このような侵略戦争に直接加担しようとしている。反対の声を押し切り、12月16日に海上自衛隊のイージス艦をインド洋に派遣した。これは、対イラク戦争へのなし崩し的な参戦に他ならない。 対イラク戦争でも劣化ウランがまき散らされ、湾岸戦争以上の深刻な被害が引き起こされる。 1991年の湾岸戦争でアメリカは、推定320トンもの劣化ウランをイラクの国土にまきちらした。その結果、戦場に近いイラク南部のバスラを中心とした諸都市で、癌・白血病が3倍〜7倍に増加するという深刻な被害が発生している。最近の報告では、1999年以降、癌・白血病がさらに急激な勢いで増大しているという※。また被害は癌・白血病だけではない。湾岸戦争後に生まれた子供達の間で、四肢、眼、耳、鼻、舌および性器の変形や欠損といった先天的障害が頻繁に現れている。極めて深刻な事態である。 次の対イラク戦争では、湾岸戦争と同じように、戦車砲弾や航空機からの機銃弾として劣化ウラン弾が大量使用されることになるだろう。しかも、湾岸戦争では比較的人口の密集していない南部が主戦場であったが、今回は首都バグダットとその周辺が戦場になると想定される。直接の死傷者数・被害が増大するだけでなく、人口密集地域で劣化ウランを使うことで、たとえ同じ量であったとしても、その被害の大きさは前回の比ではないだろう。アメリカは、すでに劣化ウランの被害に呻吟しているイラクの人々の上に、再びより大規模に劣化ウランをまきちらし、さらなる苦しみを与えようとしているのである。 私たちは、アメリカの対イラク戦争と、日本の事実上の参戦に断固反対する。また、放射能汚染反対・被曝反対の立場から、深刻な放射能汚染と被曝被害をもたらす、対イラク戦争と劣化ウラン兵器の使用に反対する。最悪の非人道兵器=劣化ウラン兵器の使用を断じて許してはならない。 ※2002年12月1日、広島で開催された「イラクの医師を囲む集い」に講演者として招かれたバグダット大学医学部のジョルマクリー医師は、最新のデータを用いてそのことを明らかにした。特に白血病の増加が特徴的で、バスラでの小児白血病(悪性)の発生数は、1994年〜1998年は24〜25人であるが、1999年は30人、2000年は60人、2001年は70人と増加傾向が顕著である。また、バスラでの15歳以下の子供における悪性腫瘍の発生率は、1994年〜1998年は10万人当たり7人前後で推移しているが、1999年〜2001年には11人〜13人と急激に増加している。その中でも5歳未満の乳幼児の白血病発生率の増加が顕著で、2001年度における15歳以下の子供の白血病の発生数70のうち41が5歳未満であった。 |