地元の榎本さんたちは12月2日の核燃に対する残土実力撤去に引き続き、大雪の12月24日、第二弾の実力撤去に踏み切った!私たちはこの行動を全面支持する! 核燃(旧動燃)が鳥取県東郷町方面地区の村に残したウラン残土を撤去する闘いが、88年開始以来、非常に重要な転機を迎えている。闘いの中心は孤立を恐れず奮起して進めてこられた地元農民であり核燃ウラン採掘事業によって被曝を強いられた被曝者でもある榎本益美さんだ。榎本さんは核燃が貯鉱場跡の鉱石残土290立法メートルを袋詰め(552体)にしたまま放置し続けている土地を今年8月に地区の長老から譲り受けた。そして、12月1日から2日未明にかけて、支援者である対策会議の松永忠君さんと共に、地元市民グループの協力を得て、鉱石残土1体分(800kg)を核燃人形峠事業所へ実力撤去する行動に踏み切った(詳しくは美浜の会HP参照)。 そして第二、第三の実力撤去を宣言した。榎本さんは、「核燃が残土を持っていかないならば持って行くしかない。毎日一袋ずつでも持っていく」と撤去闘争にかける自らの決意を述べている。年間52ミリシーベルトという非常に強いガンマ線を発する袋詰め鉱石残土を、被曝しながら体を張って核燃人形峠事業所まで運びこむ。まさに自らの命を懸けた抗議行動である。 撤去直後の12月6日には核燃に対して次の様な通告書を突きつけた。地権者である榎本さんの土地に無断で残土を不法放置し続けている事に対し、@残土を即刻撤去して土地を明け渡せ、A実力撤去した残土を榎本さんの土地に核燃が再び持ち込むな、B核燃の関係職員が土地に立ち入る事を禁じる、と。採掘以来残土を40年以上に渡って村に放置し続け、方面地区自治会と結んだ撤去協定も地権者の権限も無視し続け、村人の人権を蹂躪し続けてきた核燃のあまりにひどい対応が、榎本さん達を実力撤去に踏み切らせた。まさに12年の闘争を一日に凝縮した歴史的な日であり、核燃に直接宣戦布告を突きつけた日である。この実力撤去によって事態は急速に運動にとって有利に展開し始めている。 実力撤去後、東郷町は反対運動にとって一つのネックであった残土町内保管決議を撤回した。町内保管は98年6月に東郷町が受け入れを決議していた。これは前西尾知事県政時の鳥取県当局が、事業所撤去を回避して残土を方面に放置しておきたい核燃の意を汲んで、東郷町と水面下で謀議を凝らして突然発表したものであった。移転先候補地として方面地区に隣接する別所地区の波関梨園を挙げており、核燃が「梨園への処分に向けて交渉中である」と方面に据え置き続ける口実として利用してきた。しかし、実力撤去後の12月7日、片山新知事は県議会で「町内保管にこだわらない」と発言。町内保管の提案者であり大きな推進力であった県の後押しが失われた格好となった。13日には一旦残土処分受け入れを決議していた梨園の地権者の果樹生産組合が受け入れを撤回、そして14日には果樹生産組合の受け入れ表明以後組織的に残土受け入れ拒否運動を行ってきた別所地区自治会が、地区内136名の受け入れ反対署名を添えて、東郷町と県当局に「町内保管撤回と事業所での処理を求める要望書」を送付した。同時に核燃には抗議文を送り、方面地区への連帯の意を示した。東郷町は移転先候補地と移転先地区両者の受け入れ反対を受け、ついに町内保管撤回に追い込まれた。実力撤去が勝ち取った大きな成果である。これによって残土処分先は核燃人形峠事業所しかありえなくなった。敵がより鮮明になり、運動の基盤も広がった。 東郷町保管案を撤回させた今、焦点は核燃が事業所撤去を拒否するもう一つの理由としている岡山県知事の事業所への残土搬入反対を撤回させる事に移っている。17日に町議会の捨石堆積物処理対策特別委員会が町内保管撤回を決議すると同時に、対策会議の松永さんは撤去に向けた具体的進展がなければ実力撤去第二弾を行うと宣言した。実力行使回避の条件として、前日までに@片山知事と核燃が話し合いを行い、書面による撤去の確約を結ぶこと、A片山知事と岡山県知事との会談日程の見通しをつけること、を挙げて早期解決を迫った。 これを受けて20日、片山知事が上京し都甲理事長と会談し、核燃による残土間題の処理を求め、必要とあらば岡山県知事との会談を持つ用意がある事を伝えた。榎本さん達は片山知事の核燃への申し入れを評価しつつも、その時の都甲理事長の談話が抽象的で従来から核燃が言ってきた事の範囲を出ておらず、方面からの残土撤去の具体的道筋が見えなかったため、これに対する抗議の意味を含めて第二弾の実力撤去に踏切る事を決定した。12月24日、これまで核燃が長らく「鉱山保安法に基づく管理責任がある」として榎本さんの土地に勝手に張ってきた杭23本と鉄線を大雪が降り積もる中で撤去し、人形峠事業所ゲート前に持ち込み、その場で核燃との交渉を行った。 これに対して核撚は、岡山県知事との交渉を県側に申し入れた事を明らかにした。一方岡山県知事は、この日こ開いた記者会見で核燃との会談に応じる姿勢を示しながらも、「搬入断固拒否」の姿勢を全く変える気がない事を宣言し、鳥取県知事との会談も拒否した。岡山県は被害を受け続けている方面住民の立場に立って即刻鳥取県知事との会談に応じ、残土搬入を認めるべきである(岡山県は人形峠の残土は核燃に事業所で処分させている。県内の残土は事業所搬入を認めておきながら、「鳥取県で危険なものを岡山県に入れるわけにはいかない」とは全く筋が通らない)。核燃が生み出したウラン残土は核燃が引き取らねばならない! 私達は榎本さん達の闘争を全面的に支持する。地元から実力撤去と闘争全体に対する支援の要請が来ている。地元の要請に応えて岡山県知事に残土事業所搬入受け入れを迫ろう!残土全面撤去を目指して身を挺して命懸けで闘う榎本さん達に全国から闘争支援のカンパ、激励を集中しよう !(M) |
激励先 榎本益美 〒689-0724 鳥取県東伯郡東郷町方面183番 松永忠君 〒689-3425 鳥取県西伯郡淀江町佐陀120 石田正義 〒682-0121 鳥取県東伯郡三朝町大瀬965-6 カンパ送り先 郵便振替 01420-1-26199(反原発新聞鳥取支局) 要請先 岡山県 石井正弘知事 〒700-8570 岡山市内山下2-4-6 抗議先 核燃本社 都甲泰正理事長 〒319-l184 茨城県那珂郡東海村村松4番地49 科技庁 中曽根弘文長官 〒100-8966 東京都千代田区霞ケ関2-2-1 通産省 深谷隆司大臣 〒100-8901 東京都千代田区霞ケ関1-3-1 |