12.17 原告団が関電本社へ

プルサーマル白紙撤回を申し入れ



  原告団等40名は、ついにデータねつ造を認め燃料装荷を断念した関電に対し、ねつ造はないというウソをついてきたことの謝罪を求め、高浜3・4号炉MOX燃料の作り直しをしないこと、プルサーマルの白紙撤回を申し入れるため12月17日午後4時関電本社を訪れました。
 本社玄関前にはテレビカメラが何台も待ち受け、マスコミの関心の高さを示す一方、関電は入り口付近に立入禁止のプレートを付けた鎖をはり、緊張した面もちで出迎えました。関電側は、せいぜい10名ほどがやっと入れる小さい部屋しか用意せず、原告団側の厳しい抗議の末ようやく、全員が入れる部屋を隣のビルに用意する始末でした。
 関電側の出席者は庄野広報部次長、安部広報課長、大森広報課員の3名。原告団側は、予め申し入れていた関電社長への面会を改めて要求。関電側、「社長は福井へ行っており不在」。それでは代わりに副社長を出すようにと原告団側が求めたところ、「所在不明」とのこと。原告団側は、安部課長に副社長の所在を確認してくるまで待つと伝える。しばらくして帰ってきた安部課長、「副社長はそれぞれ関係の業務の所に行っており面会不可能です」。「データねつ造なし」「全数検査をしているから大丈夫」とのウソの主張で原告団に敵対し、今日の事態を迎えた関電のとるべき態度とはあまりにかけ離れた、全くの不誠実な態度に、原告側の怒りの声が飛び交いました。
 庄野広報部次長、「昨日事実が判明し、記者会見をしたところでして、まことに申し訳ありませんが、今日は関係者の所在がつかめないので、改めて技術者も出席して説明させて頂きたい。改めてご相談させて頂きたい」。
 原告側、「責任をどうとるのか。プルサーマルをやめるようにという申し入れに、責任を持って答えられる者を出せ。経営に責任のある者をだせ。」と要求。
 関電側、「NII書簡は昨日受け取ったばかり。何故(データねつ造の)新たなロットが出てきたのかわからない。原因究明が必要なので、年内は無理」。
 しばらくのやりとりの末、庄野広報部次長が次のことを確約しました。
 後日改めて100人規模以上の公開の話し合い(交渉)の場を持つ。開催は、休日か土曜午後か、平日の夜。経営方針に責任のある部長級以上の者が出席する。この件についての経過は原告団へ1週間以内にお知らせする。市民側がNIIに出したグラフについて関電も検討し、その結果も含めてその場で報告する。
 この確認の後、原告団は関電社長宛の申入書を読み上げ、高浜3・4号炉のMOX燃料の作り直しはしないこと、プルサーマル計画そのものの白紙撤回、海外での再処理の中止、プルトニウム利用の中止を要求しました。申入書は庄野次長が受け取り、社長に必ず渡すと約束しました。続いて市民団体4団体がそれぞれ申入書を読み上げ庄野次長に渡しました。
 最後に原告団側は広報部に対し、抜き取り検査データのねつ造はないなどとウソの広報や説明を行ってきたことの謝罪を求めました。庄野次長等は、ただ単に「申し訳ありませんでした」と繰り返すだけなので、何が申し訳ないのか明らかにするように問うと、「データねつ造はないと信じていた」「説明が不十分だった」「調査が不十分だった」などと言い、事実としてウソをついてきたことをなかなか認めませんでした。長いやりとりの末、やっとそれを認め「申し訳ありませんでした」と謝罪し、約1時間半の関電申し入れ行動を終了しました。



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