高嶋教科書訴訟を支援する会・公式WEBサイト

SINCE 2000.9.


ここでとめなきゃ、いつとめる!
    教育基本法改悪をとめる!9・23神奈川集会

  日時:2006年9月23日(土) 午後1時半〜4時半
  場所:鶴見会館 3Fホール(JR・京浜急行 鶴見駅 下車 徒歩7分)
  参加費(資料代):500円 *高校生以下無料
  内容:講演 小森陽一さん(東京大学大学院教授)
     リレートーク 悲鳴をあげる子どもたち
            横浜の「教育改革」
            高校再編と格差

  主催:教育基本法改悪をとめる!神奈川実行委員会

長い間の御支援ありがとうございました。

  高嶋教科書訴訟を支援する会は6月17日の総会をもちまして解散致しました。
  当WEBサイトは2006年10月下旬頃を持ちまして閉じさせて頂きます。
  後継組織については『 教科書・市民フォーラム』を立ち上げました。以下御参照ください。

  ◎『 教科書・市民フォーラム』
    高嶋教科書訴訟の理念を継承し、検定を中心とした教科書を取り巻く
    情報交換・発信、及び市民の立場からの行動を目的とする。
     ア)定例会を開く 
     イ)会報発行、会費徴収(年会費2,000円)
     ウ)学習会・集会開催
     エ)各地域の教育運動への支援・協力
     オ)その他
    連絡先:〒222-0035 横浜市港北区鳥山町1096−4 
               ブロードストーン小机103号  045-471-7270

    *後継組織につきましては、現在ブログのサイトを準備中です。

            
『高嶋教科書裁判が問うたもの 
       ◆その焦点と運動13年の総括』、高文研より刊行

                       高嶋教科書訴訟を支援する会 編
    四六並製 304ページ  本体価格2,000円 ISBN4−87498−367−7
    内容構成
     1章 教科書裁判で目ざしたものと得たもの   高嶋教科書訴訟原告 高嶋伸欣
     2章 ドキュメント・高嶋教科書訴訟の13年
              高嶋教科書訴訟を支援する会 鈴木 晶・柴田 健
     3章 〔争点〕勝海舟「氷川清話」と福沢諭吉「脱亜論」
             ・福沢諭吉のアジア認識  安川寿之輔
             ・勝海舟のアジア観    松浦 玲
     4章 家永訴訟から高嶋訴訟へ     高嶋教科書訴訟弁護団副団長 大川隆司
     5章 資料編

 

諸団体より不当判決への声明をいただきました
 【高嶋教科書訴訟・最高裁判決に対する地理教育研究会の声明】
 2005年12月1日、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は、5人の裁判官全員一致で、
 高嶋教科書訴訟の原告・高嶋伸欣さんの上告を棄却し、高嶋さんを全面敗訴とした東
 京高裁の判決をそのまま追認する不当な判決を言い渡した。この判決はとうてい承服
 できないものであり、反社会的なものとして、地理教育研究会常任委員会は強く抗議
 する。
 地理教育研究会の綱領には、「第二次世界大戦までのわが国の地理教育は科学性に乏
 しく、国家主義、軍国主義の政策に奉仕する場合もあった。」とある。これは戦前の
 軍国主義教育の反省の上に立っているものである。地理教育研究会は、これまで高嶋
 さんとともに、日本が行った侵略行為に対して東南アジアで聞き取り調査を行ってき
 た。高嶋さんが教科書で執筆した「アジアの中の日本」は、戦前の軍国主義教育の反
 省と、これまで積み重ねられてきた取り組みを反映して書かれたものである。
 高嶋さんがマレー半島に何度も足を運ぶにつれて、「これだけ熱心に取り組む日本人
 がいるのだから」と、長い間の沈黙を破り、何人ものお年寄りが戦争体験を証言をし
 てくれた。「大事なことだから日本の人に話しましょう。この事実を伝えて下さい」
 と語ってくれた。しかしこの最高裁判決は、これまで証言してくれた人々に背くこと
 になるだろう。
 
 私たちは、現在ほどアジアを教えることが必要で、とりわけ日本を含めたアジアの地
 域としての正しい認識を持つことが重要な時はない。それゆえ地理教育に責任を持つ
 ものとして、この判決は不当に政治的であり、許し難いものである。
 地理教育研究会は、活動方針として高嶋教科書訴訟を支持してきたが、今後とも高嶋
 さんとともに教育・教科書に関わる問題点改善をめざして活動していくことを表明す
 る。
               2005年12月17日  地理教育研究会・常任委員会

【高嶋教科書訴訟・最高裁判決に対する声明】
 12月1日、最高裁は高嶋教科書訴訟の上告棄却を決定した。
 広島県教職員組合は国の教科書内容への介入をさらに強めることとなる今回の決定に
 強く抗議する。
 1994年文部省(当時)は高嶋教授に対し福沢諭吉の「脱亜論」・天皇死去報道・
 湾岸戦争と情報コントロール(メディア操作)・掃海艇派遣の4つの内容に対し削除
 を命じた。政府の考えにあわない記述は認めないという検定制度は大きな問題がある。
 横浜地裁判決もこの検定の一部を違法と認定している。
 来年度からの使用が許可される扶桑社の社会科教科書の原爆記述を見ると「8月6日、
 アメリカは世界最初の原子爆弾(原爆)を広島に投下した」とだけであり、核兵器に
 対する警鐘はどこにも見あたらない。原爆犠牲者数の記述も、被爆者の手記もなく被
 爆の悲惨な実相を伝えようとしている他の教科書の記述と大きな相違を見せている。
 このような教科書が検定に合格している事実を見るだけでも現在の検定制度の欠陥は
 明らかである。
 諸外国で教科書検定制度を採っている国は少なく、良識ある出版社が自由に出版する
 国々が多い。教科書の採択権も教職員に大きく委ねられている。
 広島県教職員組合は今回の最高裁の上告棄却決定に強く抗議するとともに、教科書検
 定制度の改善・廃止。教科書採択を現場教職員に委ねることを強く求める。
   2005年12月1日 広島県教職員組合  執行委員長 山今 彰 【声明】 

 【高嶋教科書訴訟最高裁の不当判決に抗議する】
 最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は、12月1日、高嶋教科書訴訟に対し5人の裁
 判官全員一致で、原告高嶋氏の上告を棄却する判決を言い渡した。このきわめて不当
 な判決に対して怒りを込めて抗議する。
 高嶋教科書訴訟は、一審の横浜地裁で4つの争点のうち2つの検定意見が違法なもの
 とされ原告が一部勝訴していた。一つは、福沢諭吉の「脱亜論」に対比させた勝海舟
 の『氷川清話』の引用について、大幅に改ざんされた文献を根拠にして検定意見をつ
 けたのは学説状況の把握が不十分として違法な検定とされた。もう一つは、湾岸戦争
 時の掃海艇派遣に関して、「東南アジア諸国から事前に意見を聞いて欲しかったとい
 う声が相次いだ」という記述に、「低姿勢過ぎる」と言ったのは検定意見であると教
 科書調査官自身が横浜地裁で認め、裁量権を逸脱した違法な検定とされた。東京高裁
 は、この一審判決を破棄して、国側を全面的に勝たせる不当なものであった。最高裁
 ・横尾判決は、この東京高裁判決をなんら具体的に検証することなく全面的に容認す
 るものである。
 横尾判決は、家永教科書裁判第一次訴訟の最高裁・可部判決(93年)と第三次訴訟の
 最高裁・大野判決(97年)の「看過しがたい過誤」を検定の違法性の基準に使ってい
 るが、可部判決は個々の検定意見を具体的に検証することなく、いわば、文部省は多
 少の根拠があれば検定は何をやってもいい、という意味で「看過しがたい過誤」を使
 った史上最悪の判決であった。それに対して大野判決は、検定意見を具体的に検討し
 て「看過しがたい過誤」があるかどうかを厳密に検討して、4点にわたって違法性を
 認めたのである。「看過しがたい過誤」という基準の適用の仕方は、可部判決のやり
 方ではなく、4年後に出された大野判決のあてはめ方が可部判決を修正した最高裁の
 判例なのである。したがって、最高裁第1小法廷は大野判決に基づいて「看過しがた
 き過誤」を適用するのが普通の裁判のやり方である。大野判決の基準で判断すれば、
 少なくとも横浜地裁が違法とした二つの検定例は違法なものするのが当然である。そ
 のことを無視した横尾判決は明らかに不法である。
 判決文はわずか18ページの薄っぺらなもので、しかも最高裁としての判断らしきもの
 は2.5ページ程度しかない。その判断は、高裁判決の欠陥を全てそのまま容認し、
 適法としている。この程度の判決を書くのに3年半もの歳月が必要だったとは、とう
 てい思えない。検定意見が合法か違法かを真剣に検討・合議するために時間を使った
 のではなく、国側を勝たせる(上告棄却)という結論が先にあって、判決を言い渡す
 タイミングを、政治情勢の動きを様子見していたとしか考えられない。その意味でも
 きわめて政治的で悪質な判決だと断ぜざるをえない。
 私たちは、こうした重大な欠陥と問題だらけの最高裁・横尾判決に対して、今後も批
 判と抗議を続けるとともに、すでに、様々な問題点が露呈してきている検定制度や採
 択制度など教科書制度の改善に向けて、引き続き活動を強めることを表明する。
    2005年12月5日   子どもと教科書全国ネット21常任運営委員会     

 【高嶋教科書訴訟・最高裁判決に対する北教組見解】
 12月1日、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は、高嶋教科書訴訟に対して上告棄
 却の判決を下した。この不当判決に強く抗議する。
 原告の高嶋伸欣さん(沖縄・琉球大学教授)は、前任の筑波大学附属高校教員時代の
 1992年、教科書検定で「新高校現代社会」の執筆を断念させられた。当時の文部省が
 福沢諭吉の「脱亜論」・天皇死去の際の報道・湾岸戦争と情報操作・掃海艇派遣など
 について削除を命じたことによるもので、高嶋さんは「執筆を断念させられ、精神的
 な苦痛を受けた」として、1993年6月、横浜地裁に国家賠償を求める訴訟を起こした。
 1998年4月に「脱亜論」・掃海艇派遣の2点で勝利したが、2002年の5月の東京高裁
 で全面敗訴となった。
 「高嶋教科書訴訟」は、原告が高校現場での授業実践から教科書を執筆したものであ
 り、これを全面否定する反教育的な検定に対して、学校における「教育の自由」を求
 める教科書裁判である。また、「高嶋教科書訴訟を支援する会」は、この裁判闘争を
 通して、強まりつつある「歴史修正主義」の動きを止めるための運動を全国各地に広
 げてきた。
 北教組はこれまで、高嶋さんと「教科書検定・採択の問題点」についての学習会の開
 催や、とりわけ2006年度使用の中学校教科書検定・採択にあたって、「4.23教科書問
 題を考える道民のつどい」「どうする教科書!北海道7.2札幌・十勝集会」における
 講演・問題提起などをとおして、「民主的な教科書採択」に向けて連携したとりくみ
 を強化してきた。また、「支援する会」とともに、最高裁への「口頭弁論開催・高裁
 判決破棄」を求める要請署名に組織をあげてとりくんできた。しかし、口頭弁論が開
 かれることもなく、事実審理の不十分な二審判決を追認した最高裁判決に対して厳し
 く糾弾する。
 本訴訟において、検定意見の文書化など制度を一定程度改善させてきた。しかし、こ
 の間の教科書検定・採択をめぐっては、戦争を賛美し歴史を歪曲する憲法・教育基本
 法改悪を視野に入れた極めて問題ある教科書が検定合格したばかりか、現場教職員の
 意見を排除・軽視して教育委員会が採択するなどの問題も生じている。
 私たちは、当面、「高嶋教科書訴訟を支援する会」など民主的諸団体と連帯する中で、
 保護者や子ども、さらには教育に直接携わっている現場教職員の意向が反映される民主
 的な教科書検定・採択を求めるとりくみを強化していく。
    2005年12月6日      北海道教職員組合中央闘争委員会     

 【高嶋教科書訴訟に対する最高裁の不当判決に抗議する
 最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は、12月1日、5人の裁判官全員一致で、高嶋
 教科書訴訟の原告・高嶋伸欣氏の上告を棄却し、高嶋氏を全面敗訴とした東京高裁の
 判決をそのまま追認する不当な判決を言い渡した。
 本件1審判決は、教科書検定制度およびその運用の違憲は認めなかったものの、具体
 的な検定意見について立ち入った検討を行い、争点となった4箇所のうち2箇所につ
 いて「看過しがたい過誤」があり、違法であることを認めた。第1は、勝海舟の「氷
 川清話」と福沢諭吉の「脱亜論」の対比のための引用を恣意的とする検定意見が、勝
 の談話の発表時期などを改ざんした文献にもとづくものであることが明らかになった
 ためである。第2は、湾岸戦争後の掃海艇派遣に関して、東南アジア諸国から派遣す
 る前に意見を聞いてほしかったとの声が出されたとの趣旨の記述に対し、教科書調査
 官が低姿勢過ぎないかという検定意見を口頭で述べたことについて、いかなる検定基
 準にもとづくものかが明らかでなく、検定意見の理由が不明確だと判断されたためで
 ある。
 ところが東京高裁は、1審法廷で明らかになった事実を無視し、とくに第2について
 は、調査官自身の証言にも反してこれを検定意見ではないと強弁し、本件検定をすべ
 て適法とした。
 今回の最高裁判決は、上告以来3年半におよぶ歳月を費やしながら、検定制度そのも
 のの問題点はおろか、争点となっている検定事例についてなんらの具体的検討を加え
 ることなく、わずか12ページの簡単な判決書をもって、東京高裁の根拠のない不当な
 判決を追認したのである。
 高裁・最高裁を通じて、教育・教科書のありかたを真摯に問う姿勢はまったく認めら
 れず、ひたすら行政の行うことを正当化し、政府の政策に対する批判を教科書から排
 除するという結論先にありきの不当な判決であり、私たちは厳重に抗議する。それと
 ともに、今後の司法のありかたについて、各裁判官が真摯に反省することを求めるも
 のである。
 しかしながら、家永教科書訴訟を引き継ぐ高嶋教科書訴訟が提訴され、多くの人々の
 支援を得て裁判が続けられたことによって、今日の教科書制度の問題点がひろく明ら
 かにされてきた。その結果、検定意見の文書による通知を実現するなど、一定の制度
 改善の成果もあげることができた。今日、「新しい歴史教科書をつくる会」の策動に
 よる教科書制度・内容のいっそうの改悪が企てられているが、私たちは、高嶋教科書
 訴訟の成果にもとづき、検定・採択などの教科書制度、および教科書内容の問題点を
 ひろく明らかにし、その改善をめざして、いっそうの力をそそぐ決意を表明する。
   2005年12月8日         歴史教育者協議会常任委員会      

 【高嶋教科書訴訟・最高裁横尾判決に抗議する】
 12月1日、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は、高嶋教科書訴訟に対して上告
 審を棄却する判決を下した。神高教は1993年の提訴以来、家永教科書訴訟の成果
 を引き継ぎ、教育の自由をまもり教科書検定をつうじた教育の国家統制にこうする裁
 判として一貫して支援してきた。今回の判決は弁論を開くことなく東京高裁の判断を
 追認するものであり、到底容認できるものではない。
 最高裁が追認した東京高裁北山判決に対しては、すでに多くの問題点が指摘されてい
 る。勝海舟の『氷川清話』の引用を不適切とする検定意見は検定意見の根拠となった
 文献自体が改ざんされたものであることが研究者から指摘されている。また、最高裁
 横尾判決は福沢諭吉と勝海舟のアジア間の比較というテーマに対して、「高校生には
 無理」との断定を下しているが、この原稿は原告高嶋さんの長年に渡る高校教育現場
 での実践をもとにしてかかれたものである。だからこそ、最高裁は口頭弁論を開き、
 教育論や教育実践の成果の中から学んだ判決を下すべきだったのである。
 教育行政は教育への統制を強めるとともに、教科書採択から現場教職員の声を排除し
 ようとしている。保守勢力は歴史的事実をゆがめ、政治的意図を持って教育内容・教
 育実践への介入を強めている。さらに、憲法・教育基本法の改悪が現実の政治日程に
 上っている現在だからこそ、12年の多年にわたって本訴訟をたたかってきた原告・
 支援の会・支援者との連帯の力を糧として、「教科書・教科書検定制度の改善」、
 「教育の自由」、「事実と真実に基づく教育」をもとめるとりくみを今後も継続して
 行かなくてはならない。
     2005年12月9日      神奈川県高等学校教職員組合

 

最高裁不当判決への原告・支援する会 声明
   既にお知らせした通り、12月1日、最高裁判所において極めて不当な判決が出されました。
  以下に原告と支援する会の声明を掲載し、改めて強く抗議します。

  ◎高嶋教科書訴訟・最高裁判決に対する原告としての声明
   本日、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は、高嶋教科書訴訟に対し5人の裁判官
   全員一致で、上告棄却の判決を下した。
   原告としては、とうてい承服できない決定であり、同判決は反社会的なものであると
   して、強く抗議する。
   第一に、争点の一つとなった勝海舟著『氷川清話』からの引用を不適切とした検定意
   見は、大幅に改竄された文献を根拠に発したものであったという重大な過失を、検定
   官自身が一審の法廷で認めている。これは、横尾判決が判断基準とした「看過しがた
   い過誤」そのものである。この検定意見も適法だったとすることは、虚偽の事実認定
   を真実であったとすり替える主張に最高裁が加担したものであり、犯罪的で反社会的
   と言わざるをえない。
   さらに、横尾判決は福沢諭吉と勝海舟の著作の引用を対比することでアジア観の差異
   を問うのは「高校生には無理」と断定した。この教科書原稿は、原告が高校現場での
   十数年に及ぶ授業実践により高校生たちの豊かな反応を根拠として執筆したものであ
   る。同判決は、高校生たちの無限の可能性を何の根拠も示さないまま全面否定してい
   る点で、看過しがたい反教育的なものである。
   また、原告が十数種ある「現代社会」用教科書の一種類として執筆したにすぎないも
   のを、横尾判決は全高校生に学ばせるには「無理」と認定している。これは教科書制
   度に関する無知を示すものである。
   これら重大な欠陥を持つ横尾判決に対して、今後も糾弾を続ける。加えて当訴訟にお
   いて、検定意見の文書化など制度の改善を促進できたのも多くの支援者の力添えによ
   るものと感謝しつつ、さらなる教科書制度の改善に向けて行動することを、ここに声
   明する。
                2005年12月1日  高嶋教科書訴訟原告 高嶋伸欣


  ◎高嶋教科書訴訟を支援する会・声明
   最高裁不当判決に抗議する。一審では福沢諭吉「脱亜論」と勝海舟の対比、湾岸戦争
   時の掃海艇派遣に対してアジア諸国から疑義が出された事実の2点で勝訴した。二審
   では事実審理も不十分なまま逆転敗訴し、最高裁は高裁を追認している。
   訴訟の内容については、明らかな検定作業のミスを国家機関が総ぐるみで隠蔽するエ
   ネルギーに驚いたというのが、率直な感想である。教員免許も持っていない教育の素
   人の検定官が検定し、記述された教科書の内容をきちんと読んだとも思えない裁判官
   が判決を書くという茶番劇に負けたということなのであろう。学習活動の中で、教科
   書という教育素材、福沢諭吉や勝海舟の思想家としての意義づけ、子どもの権利条約
   などについて学べたことは大きな収穫であった。
   12年半、私たちは戦い抜いた。最大2,500名の支援会員、126名の弁護団、家永教科
   書訴訟の後継訴訟、さまざまな力添えとプレッシャーを乗り越えたといえよう。
   1965年からの家永訴訟は教育運動のシンボルであった。しかし1993年の私たちの提
   訴時は、多様な教育運動が躍動している時期であった。家永訴訟と同様な訴訟運動を
   展開できる条件はできていなかった。
   教組のナショナルセンター分裂の直後に発足した私たちは、個人加盟原則を守りきっ
   た。大きな団体でも個人と同じ扱いにさせていただき、20名近い神奈川の「世話人」
   たちが運動を担いきった。団体のちからにあまり頼らず、市民運動を貫き通したとい
   ういささかの自負は持っている。それでも神奈川県高教組、横浜市立高教組、北海道
   教組、大分県教組、広島県教組、出版労連、「子どもと教科書全国ネット21」には、
   終始支えていただいたことに対し感謝している。
   この運動に関わって得ることができたさまざまなちからを今後の活動に生かしていき
   たいと考える。全国の会員の皆さん、そして外側から支援して頂いた多くの皆さんに
   感謝致します。ありがとうございました。
                 2005年12月2日  高嶋教科書訴訟を支援する会

不当判決!! 最高裁を上告棄却、たった30秒で終わる
    *12月1日、午前10時30分。上告から3年以上も待たされた揚げ句の果て、上記のような結果
     となりました。棄却の理由さえ伝えられませんでした。しかも、少数意見もつかない裁判官全員一致
     という不当性の極めて高い判決となっています。
    *後日、判決文等は当サイトでもお知らせ致しますが、まずは簡単に報告致します。

 

急告!! 高嶋教科書訴訟・最高裁判決 傍聴行動・報告集会
    *口頭弁論も開かれずに判決が出されます。ずさんな教科書行政のしわ寄せで、暴論の高裁判決の
     再来が予想されます。多くの皆さんの参加をお願いします。
      日時:12月1日(木) 
          9時45分 最高裁(地下鉄「永田町」駅下車)南門集合
         10時30分 判決言い渡し(第一小法廷:定員48名)
         11時30分〜13時30分 記者会見 報告集会
                (全国町村会館/ホールB:定員128名 地下鉄「永田町」3番出口)
    *既に、「見通し」による報道がなされています。→asahi.com       

日中韓3国共通歴史教材
   『未来をひらく歴史 東アジア3国の近現代史』絶賛発売中!
    
*「開かれた歴史認識」の共有をめざす日・中・韓の研究者・教師らが、共同編集・執筆した
      近現代史の入門書です。同一内容を各国語で出版しています。
     *全国書店や上記の各集会で販売しています。高文研刊、定価1600円です。


「高嶋教科書訴訟 控訴審判決 判決全文」(冊子)出来ました!
  当サイトでも判決要旨は掲載しましたが、全文(全163)ページを載せることはちょっと無理です。
 そこで、全文を載せた冊子(資料集)を作成しました。1部1000円にてお分けしますので、御希望
 の方は事務局まで、連絡下さい。(メール可)


「不当判決に抗議します!」
  2002年、5月29日、午後1時半より東京高裁において控訴審判決が出されました。結果は下記の
 ように、第一審の勝訴の部分まで否定する、不当判決というべきひどいものでした。以下は判決の要旨
 からの抜粋です。高裁が配付した要旨についてはこちらをご覧下さい。→ 「判決要旨」

 *教科書検定制度は違憲ではなく、本件の検定手続きや検定意見にも問題なく違法ともいえない。
 *よって、原告の請求はいずれも理由が なく、したがって、一審原告の請求を一部容認した原判決は
  これを取消し、同部分につき一審原告の請求を棄却すべきである。


高嶋教科書訴訟とは…

 30回に及ぶ東南アジアの戦争の傷跡に学ぶ「マレー半島戦争追体験の旅」の取り組みで知られている高嶋伸欣さん(琉球大学教授・前筑波大学附属高校教員)は、1994年度からの新教育課程用の教科書検定で『新高校現代社会』(一橋出版)の執筆を断念させられました。文部省(当時)は新教科書検定制度の下で高嶋さんに対し、福沢諭吉の「脱亜論」・天皇死去の際の報道・湾岸戦争と情報コントロール(メディア操作)・掃海艇派遣の四つの内容について削除を命じました。高嶋さんは「違憲、違法な検定意見で執筆を断念させられ、精神的苦痛を受けた」として、1993年6月、居住地の横浜地裁に国家賠償を求める民事訴訟をおこしました。1965年に始まり、3つの訴訟を連続して提訴した家永三郎さんにつぐ、第2の教科書訴訟であります。
 第1審判決(98年4月)では、ペルシア湾への掃海艇派遣決定(91年)にアジアから異論があったことを削除させた検定官の発言を違法とする判決がでました。しかし、掃海艇派遣10年後の昨年、政府はインド洋に戦闘艦を派遣しました。また、福沢諭吉の「脱亜論」を削除させた検定意見についても違法としましたが、〈現代版脱亜論〉と言うべきアジア蔑視の中学歴史教科書は、検定に合格しています。第2審は2001年4月に結審したにもかかわらず、判決が遅れに遅れ、2002年5月29日に判決がでました。結果は、第1審の判決を覆し、前述した検定官の発言を適法と判断するという、まさに時代に逆行する、「不当判決」となりました。さらに、近年の教科書攻撃・反動化を反映したものと言えるでしょう。いうまでもなく、原告・弁護団は最高裁への上告を行いました。

 「高嶋(横浜)教科書訴訟」は学校における教育の自由を求める運動を全国各地に広げることを目的としています。また、強まりつつある「歴史修正主義」の動きを止める運動も進めていきます。私たちはこれらの実現のために、今後も横浜を拠点として闘っていきます。

 

高嶋教科書訴訟を支援する会・入会案内のページ


高嶋教科書訴訟を支援する会 

事務局 〒231-0012 横浜市中区相生町1-18 光南ビル5F

             TEL 045(671)9282 FAX 045(664)7826

            kyoukasyo_saiban@jca.apc.org

                               

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