結成の趣意

 気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)が1997年12月1日から12まで京都市で開催されます。人々の活動が急速に拡大するに伴って、大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度が上昇し、地球全体の気候系に深刻な影響を与えつつあります。世界の科学者を集めたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第2次報告書(1995年)は、100年後には地球全体の平均気温で2度(1度〜3.5度)、海面水位で50cm(15cm〜95cm)上昇し、その後も上昇し続けると予測しています。そして、その過程で干ばつや洪水などの被害が激しくなると警告しています。生態系や食糧生産にも大きな影響を及ぼすことは避けられないでしょう。このような気候変動に対して、1992年に地球規模で今直にでも対策を取るべきものとの認識のもとに気候変動枠組み条約が結ばれました。
 私たち人間や様々な生きものを育む地球は子孫からのあずかりもの。この条約が目的とする気候系に対する危険な状態となることを防ぎ、より良好な地球環境を将来世代に手渡していくために、また、発展途上国等の人々に望ましい生活環境をもたらすものとするために、まず、日本など先進工業国と呼ばれる国々のこれまでのエネルギー消費のありかたを根本的に見直す必要があります。
 条約では、先進国は2000年までに温室効果ガスの排出を90年レベルに戻すとしています。2000年以後の対策については、95年3〜4月にベルリンで開かれた第1回締約国会議(COP1)で、先進締約国の温室効果ガスの排出抑制・削減目標や実施政策等を具体的に取り決めた議定書を、第3回会議(COP3 )において採択するとの約束がなされました。「ベルリンマンデート」と呼ばれているものです。COP3はまさにその約束を具体化するために開催されるのですが、現状では気候変動防止に実効性のある議定書の採択は楽観できない状況です。COP1で10万人ものドイツ市民による自転車デモが行われたように、国内外の世論が大きく盛り上がることが不可欠です。
 しかしながら、二酸化炭素の排出量を見ても、日本は1994年度に90年度実績を7.2%も上回っており、2000年までに90年レベルに戻すとの約束を達成できないのではないかと懸念されています。COP3は、気候変動枠組み条約を地球環境の保全に実行あるものとするための歴史的な会議であるとともに、私たち一人一人の暮らし方、日本のエネルギーや資源消費についての基本政策そのものが、全般的に見直し・転換を迫られているものでもあります。
 私たちは、このように地球規模の環境問題にとって決定的に重要な会議が日本の京都で開催されることを歓迎し、国内外の市民・NGOと連携し、世論を高め、会議を成功させていきたいと考えます。さらに、気候変動問題に関する国連会議というにとどまらず、地球や地域の環境問題に対する人々の関心を深め、それぞれが行動し、また、持続可能な発展と環境保全のための政策をより具体化させる機会として、市民の立場から、ここに「気候フォーラム」を結成するものです。


規約

1 本フォーラムの名称を、「気候フォーラム−気候変動/地球温暖化を防ぐ市民会議−」とする。

2 本フォーラムの事務所を京都市に置く。京都の事務所を補佐するため東京に事務所を置く。

3 本フォーラムは、設立の趣旨に基づき、市民の立場から二酸化炭素等の温室効果ガスの排出削減に取り組むとともに、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において実効性のある削減議定書が採択されるよう、以下のことを目的とする。
(1)気候変動/地球温暖化問題について、市民の理解をすすめる。
(2)各地域における温室効果ガス排出削減のための具体的活動への支援のための諸企画およびその実施。
(3)世界および日本各地からの参加する市民がCOP3に向けて積極的、効果的に参加・交流できるための諸活動。

4 本フォーラムは、目的を達成するために、次の活動を行う。
(1) 気候変動/地球温暖化問題に関する情報の収集と提供。
(2) 気候変動/地球温暖化問題に関するキャンペーン。
(3) 気候変動/地球温暖化問題に関する政府・自治体や産業界等への働きかけ。
(4) COP3に参加する内外のNGOの受入準備。とりわけ「南」のNGOの参加の支援。
(5) ニュースの発行や資料の作成。
(6) 本フォーラムの活動に必要な資金集め。
(7) その他、目的を実現する活動。

5 本フォーラムは、目的に賛同する民間非営利団体および個人によって構成される。本フォーラム に参加した者は、必要な経費を払うことにより、ニュースなどの情報の提供を受けることができる。

6 本フォーラムに次の機関等を置く。
(1) 運営委員会
(2) 常任運営委員会
(3) 顧問(若干名)
(4) 事務局長(1名)
(5) 事務局次長(若干名)
(6) 監事(若干名)
(7) 事務局

7 運営委員会
(1) 運営委員会は、運営委員によって構成され、本フォーラムの運営について協議決定する。
(2) 運営委員会の定足数は過半数とし、決定は出席運営委員の多数決により行う。
(3) 事務局長及び事務局次長は、運営委員の中から選出する。
(4) 運営委員会は顧問を選任することができる。
(5) 運営委員会は事務局長が招集する。
(6) 運営委員会は、必要に応じて運営委員以外の者を運営委員会に参加させることができる。

8 常任運営委員会
(1) 常任運営委員会は、本フォーラムの日常的な運営について協議決定する。
(2) 常任運営委員は、運営委員の中から選出する。
(3) 常任運営委員会は事務局長が招集する。
(4) 常任運営委員会は、必要に応じて常任運営委員以外の者を常任運営委員会に参加させることができる。

9 事務局
(1) 事務局は、事務局長、事務局次長、事務局員によって構成される。
(2) 事務局次長は、事務局長を補佐する。

10 本フォーラムは、助成金、賛同金、寄附金その他の収入によって運営する。

11 本フォーラムは、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)の終了後、報告書の作成、会計報告など必要な残務を処理した後、速やかに解散する。

12 本規約は、運営委員会の決議によって改正することができる。


活動内容

1)情報収集・提供
  • ニュースの発行(毎月)
  • ホームページの開設
  • 気候変動・地球温暖化についてのわかりやすいリーフレットの作成(近日中)
  • テーマ別学習資料の作成
    「地球温暖化とごみ問題」「地球温暖化と交通問題」「地球温暖化と食糧問題」など
  • スライドの販売・貸し出し
  • 2)イベント・キャンペーン
  • NGO国際シンポジウムの開催(3月28日〜29日・京都)
  • アースデーでのキャンペーン(4月〜5月・各地)
  • COP3/100日前キャンペーン(8月23日・各地)
  • COP3/One Day Before COP3・前日集会の開催(11月30日・京都)
  • COP3会期中のNGOフォーラムの開催(12月1日〜10日・京都)
  • 3)国際会議への代表派遣・CANなど海外NGOとの交流
  • AGBM、リオ+5、国連環境特別総会、CSDなど
  • 4)学習会・研究会の開設
  • 各団体、各地での学習会
  • 研究会の開催(京都・東京)
  • 5)政府・自治体・産業界への働きかけ
  • 地球温暖化を防ぐための気候フォーラムの主張づくり
  • 署名活動など
  • 6)南のNGOの参加支援
  • アジア、アフリカ、中南米などの南の国々や東ヨーロッパのNGOのCOP3への参加支援
  • 7)COP3でのNGO参加者の受け入れ
  • NGOフォーラムのための会場確保
  • 各団体・各地からの企画募集
  • NGOフォーラム参加企画の日程調整
  • 宿泊などの案内
  • 気候フォーラムに参加するNGOが地球温暖化問題について関心を高めるために必要な資料、情報の提供。

  • 運営委員・団体(3/21現在:敬称略)

    (括弧内は*常任運営委員:団体/運営委員で表記)
     アースディ・カメオカ(瀧 陽乙子)
     アースデーひょうご(新間 智照)
    *IUCN地域理事事務所(川道美枝子)
     A SEED JAPAN(岸本 聡子)
     ウータン・森と生活を考える会(西岡 良夫)
     NGO環境監視ネットワーク(都筑 建)
    *環境市民(浅岡美恵・杉本育生)
     関西NGO協議会(平田 哲)
     北山の自然と文化をまもる会(榊原 義道)
    *京都・水と緑をまもる連絡会(佐々木佳継)
    *京都消費者団体連絡協議会(原 強)   
     (社)京都青年会議所             
    *(財)京都ユースホステル協会(山本 幹彦)
     原子力情報資料室(大林 みか)
     公害・地球環境問題懇談会(大嶋 茂男)
     公害なくせ兵庫県民集会実行委員会(井上 准一)
     (財)日本野鳥の会京都支部(中村 桂子)
    *滋賀県環境生活協同組合(藤井 絢子)
    *市民運動全国センター(須田 春海)
    *市民フォーラム2001(畑 直之)
     主婦連合会(吉岡 初子)
    *SCOP(佐藤 健明)
     ストップフロン全国連絡会(萩 由美子)
     生物多様性JAPAN(小堀 洋美)
    *(財)世界自然保護基金日本委員会(WWFJ)(鳥生次雄・渡辺耕一)
    *全国公害患者の会連合会(森脇 君雄)
     全国公害弁護団連絡会議(板井 優)
    *地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)(泉邦彦・早川光俊)
     地球の友・日本(小野寺勇利)
    *中部リサイクル運動市民の会(萩原 喜之)
    *TOMORROWコンサートの会(長谷川有機子)
     西日本環境市民ネットワーク(松隈 一輝)
     日本科学者会議公害環境研究委員会(林 智)
     日本カトリック正義と平和協議会(宮西いづみ)
     日本キリスト教協議会(NCC)(未定)
     日本生活協同組合連合会(伊藤 和久)
     日本ネイチャーゲーム協会(降旗 信一)
    *(社)日本青年会議所
     ネットワーク「地球村」(渡辺 裕文)
     熱帯林行動ネットワーク(JATA)(小倉 正)
     ノー・ニュークス・アジアフォーラム(佐野 雅哉)
     POWER〜市民の力(羽仁カンタ)
    *まちづくり市民会議(中島 晃)
     みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)(北條 祥子)

       顧問: 西島安則
     事務局長: 浅岡美恵(環境市民)
    事務局次長: 早川光俊(CASA),杉本育生(環境市民),渡辺耕一(WWFJ)
     事務局員: 湊香代子、松本郁子、小林哲也

    内容に関するお問い合わせは「kiko97@jca.or.jp」へどうぞ。