昨年は新ガイドラインで舞い上がり、記者団を乗せて米艦艇への洋上給油の写真を
とらせたりして軍事演習を見せびらかし、今年は周辺事態法で一気に一丁前の軍事
国家ぶりをひけらかした矢先に、ペリーさんに、「日本はTMDに参加すべきでな
い」などと水をさされ、「米の国益」に差しさわってはことだと、米の対北政策に
あわせ、あわてて超党派を仕立てて村山代表団を北に送って、世論にごますり。
その一方で、8日から三沢ではじまったコープノース日米航空共同訓練では、在
韓米軍のF16−30(WP)、岩国の海兵航空団のF/A18Cらが、三沢のF
16CJ、自衛隊のF1、E4J改らと猛訓練。「米の国益」に沿った日米韓三国
の軍事策動はしかっとやっています。
(自衛隊機墜落事故で中断した)総隊演習とは別に、11月8日から19日ま
で、空自と米空軍による日米共同演習。三沢東方訓練空域、秋田西方訓練空域、臨
時訓練空域で、空自二空団(千歳)、三空団(三沢)などから四十機、米空軍一八
航空団(嘉手納)、三五戦闘航空団(三沢)などから四六機が参加。(朝雲11月
18日)
<「米の国益」については、島川雅史さんの「アメリカ東アジア軍事戦略と日米
安保体制」(社会評論社)が参考になります。アメリカ政府のPR機関・外務省の
ウソのつき方もわかっておもしろいです。これに比べたら私がお相手願っている自
治体の「うそつき方」なんてちゃちなもんです>
最近の対中国姿勢も、後でスカを食わされる羽目にならなければよいがと。いつ
かもそんなことがありましたっけ。
沖縄に軍事施設を集中させたいのは、日本政府の事情であって、アメリカ政府に
してみれば、沖縄であろうと岩国であろうと、構わないようです。この国全土が米
軍基地たりえるのですから。
沖縄県の普天間米海兵隊飛行場の移設問題で、米議会調査局は10日までに、山
口県岩国基地をヘリコプター部隊の移転先とする構想について「実行不可能とは言
い切れない」とする報告書をまとめた。
同報告書は、岩国への移転構想に対する日本政府の立場について、「できるだけ
無視する姿勢のようだ」と書き、@日本政府は移転構想が日本本土での反対を生
み、政治問題化するのを恐れているA日本は在沖縄米軍の現在の兵力水準を維持す
るという米国の見解に盾突こうとしない−と分析。
同報告書によると、国防総省と海兵隊の当局者は、岩国への移転に反対論を展
開。しかし当局者は、移転による作戦面の影響について正式な研究が行われていな
いことを認めた。
(毎日11月11日【ワシントン10日時事】)
1999年度海上自衛隊演習(共同演習)が終わりましたので、舞鶴へどんな演
習をしたのか伺ってみましたが、電話では答えられないとのことでしたので、「正
式に」文書で質問書を差し上げました。
舞鶴では詳しくわからないこともあるようですし、あそこは、FAXで催促する
と、機械を止めて雲隠れするなど、電話は機能しないところのようですので、こち
らの電話番号も明記せず、ムダを省きました。
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海上自衛隊舞鶴地方総監部防衛部長 様
公開質問書
1999年度海上自衛隊演習(共同演習)について
今年も10月27日から11月9日まで、「日本周辺海域」で海上自衛隊演習が
行われ、11月3日からは米海軍との共同演習もありました。
関係沿岸自治体では漁業関係者に注意を呼びかけましたが、海域も、通過時間はお
ろか、通過予定日もしめされませんでした。日本海では同時期、底引き網の最盛期
ですが、漁業者はいずこの海域かも分からないのでは、注意のしようがありません
でした。
秋田県では、81年に演習中にマス漁の漁網が切られたことがあり、漁業関係者
から、詳しい情報を知りたいという声が強く、秋田県農政部では貴総監部へ情報の
公表を求めましたが、具体的な回答はありませんでした。
もし漁船が操業中に艦船を見つけたとしても、おいそれと移動することは困難で
す。また、潜水艦などが通って、網にひっかかれば船ごとひっくり返され、人命に
かかわる危険もあります。
漁業は魚を追って操業します。軍艦の航行にあわせて待っていては、魚が採れま
せん。軍艦が漁業海域を漁船に優先して航行するとすれば、漁業者の生活権を侵害
します。それでも漁業者の多くは、軍艦に対しても、「百歩譲って、共存するので
あれば、お互いに危険を回避するためにも演習の際の場所や時間をある程度知らせ
てもいいのではないか」と配慮を示しています。それにさえ、誠意を示されないの
は、余りにも理不尽です。私たちは漁師のおかげでおいしい魚を食べることができ
ます。その漁師が安全に漁業を営めることを願う者として、演習の際には、通過・
滞在の日時、種類・数の公表を強く要請します。
また、防衛庁によると 今年の演習は、「ガイドライン法にもとづく訓練」との
ことですので、当然その関連法である「周辺事態法」にも基づいていると解されま
す。
私は、同法は日本の最高法規に反する法律だと思いますが、私たちが選んだ国会議
員によって採択され成立しました。私たちは今後、有権者として、国会議員の今回
の判断が正しかったかどうか検証する責務があります。そのためにも今回の演習が
ガイドライン法に基づいてどのように行われたか知る必要があります。
そして、これらの演習はすべて私たちの税金を使って行われます。この国に住む
人は何らかの形で税金を納めています。その税金でなされる演習が、市民の目に見
えないところで行われるのですから、納税者には演習が自衛隊として正しく行われ
ているか知る権利もあります。演習内容が公表されないことをいいことに、自衛隊
の任務をこえた演習をしているかも知れないし、演習と称して、釣りをしたりゲー
ムをして遊んでいるかもしれないからです。
つきましては主権者のひとりとして下記の質問をします。もし手元に資料がない
場合は関係機関に問いあわせて調査してください。
「国民に愛される」自衛隊としての誠意ある回答を期待しています。
質問1
秋田県農政部長、山形県・新潟県・富山県・石川県・福井県・京都府・兵庫県・鳥
取県・島根県・各農林水産部長あての、海上自衛隊舞鶴地方総監部防衛部長からの
通知で、昨年は「平成10年度日米共同統合演習(実動演習)及び平成10年度
海上自衛隊演習(共同演習)について(通知)」(10.10.16)でした
が、今年は「平成11年度海上自衛隊演習(共同演習)について(通知)」(1
1.10.18)となっています。今年は、日米共同統合演習(実動演習)につい
ての通知はなかったのですか。それはなぜですか。
質問2
「平成11年度海上自衛隊演習(共同演習)について(通知)」の別紙の、「5
運航船舶等に対する安全措置」のなかで「(1)演習の計画及び実施に当たって
は、船舶・航空機の航行、漁船の操業状況等を事前に調査するとともに、民間船
舶、漁船等のふくそうする海域の使用を極力避けるよう配慮し、事故防止に万全を
期する。」としていますが、調査はどのような方法でなされましたか。調査の結
果、演習中に、民間船舶、漁船等のふくそう海域を使用したことがありましたか。
もしありましたら、どのような配慮がなされましたか。
また、「(2)演習においては、射撃及び爆撃は実施しない。ただし、参加しな
い艦艇及び航空機が射撃又は爆撃を実施する場合は、従来どおり所定の手続を行
う。」とありますが、「参加しない艦船及び航空機が射撃又は爆撃」とは、たとえ
ばどういう場合で、「所定の手続き」とはどんな手続きですか。今回の演習期間に
そのような場合がありましたか。
質問3
秋田県農政部では、海上自衛隊舞鶴地方総監部防衛部長あてに、10月25日付
で、「平成11年度海上自衛隊演習(共同演習)について(依頼)」の文書を提出
し、その中で 「演習参加艦船の本県沖の通過・滞在の日時、種類・数を公表して
いただきますよう併せてお願い」しましたが、11月1日付の同部長名の回答は、
「1 操業漁船等の航行の安全確保につきましては、演習参加艦艇になお一層徹底
いたします。2 演習参加艦艇の秋田県沖合の通過・滞在の日時、種類、数につい
ては、演習の性格上、流動的であり、特定することが困難ですのでご了承下さ
い。」とのことでした。
安全確保について、どの艦船に、どのような徹底をしたのですか。
また、演習は流動的で特定することができないとしていますが、演習が終わりまし
たから、秋田県沖合での通過・滞在の日時、種類、数 は記録されていると思いま
すので、教えてください。
質問4
海上自衛隊舞鶴地方総監部では、農政部へ、「演習海域」に記載されている「日本
周辺海域」とは、日本周辺海域全体であるといい、具体的な海域は特定できない
が、概ね距岸20海里以遠の沖合海域であること、この演習においては、艦船等が
日本海から津軽海峡を抜けて太平洋へ移動する予定はないと口頭で通知されたとの
ことですが、潜水艦等を含む演習艦船すべては、距岸20海里以遠の沖合海域で演
習をおこなったのですか。
また、すべての艦船等が日本海から津軽海峡を抜けなかったということですか。艦
船は日本海沖のどこまで北上しましたか。
そして、情報によると 米韓の共同演習(フォール・イーグル)の後、米海軍(空
母キティホークなど)と自衛隊との共同演習が11月3日から9日まで行われたと
のことです。
昨年は同様な共同演習が行われた時期にキティホークが秋田沖を通ったとされてい
ますが、今年は通りましたか。
質問5
演習に関して海上保安庁水路部では水路通報 で、最も詳しい情報でも
期間 10月27日〜11月 9日
区域 北海道西岸付近、本州北西岸付近、本州北岸付近、本州東岸付近、
本州南岸付近、瀬戸内海、四国南岸付近、九州沿岸付近
と通知をしているだけで、具体的な通過時間や範囲は示していません。
また、自衛隊では、自衛隊法第105条に基づき、訓練のための漁船の操業の制限
又は禁止ができ、 国は、「当該区域において従来適法に漁業を営んでいた者が漁
業経営上こうむつた損失を補償する」としていますが、今回の演習では、禁止も制
限もしていません。
今回の演習期間に、民間船がトラブルに巻き込まれたときの補償を担保する規定は
何でしょうか。
通知では「事故防止について万全を期する」としていますので、事故が起きた場合
の第一義的責任は演習を行った側にあると思いますが、1988年7月23日に起
きた「なだしお事故」の時、その誠意は感じられませんでした。
今年の米海軍との共同演習も含めて、演習期間中に民間船などとの事故やトラブ
ルはありましたか。
秋田県では81年にマス漁の漁網が切られました。一昨年は丹後半島沖で海自掃
海艇とズワイガニ漁船が衝突、昨年は若狭湾で輸送艦が定置網に乗り上げました。
これらの被害に対して、どのような規定に基づき、どのような補償がされました
か。
1999年11月25日
秋田県男鹿市
加賀谷 いそみ