(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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Date: Sat, 23 Oct 1999 13:58:27 +0900
From: 和田 喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>
Subject: [aml 14516] 無防備宣言ステッカーできる!
<無防備地域宣言運動>のステッカーができました。
・かねて、小山広明さん(泉南市議)が、応募を呼びかけ準備中だった「無防備地域宣
言運動」のためのステッカーができました。
縦8センチ、横10センチ、7色刷り、かわいい象さんとハート型の絵模様、「無防
備地域宣言」「戦争に協力しません」の文字いりです。もちろん粘着ラベル用紙ですか
ら、裏紙をはがせばピタリコンです。
・このマークの提案者は20代の女性。「人間と同じ大きさの脳をもちながら、動物界
で何ものとも争うことなく暮らす。そういうゾウに平和の願いを託してデザインした」
とのことです。国際赤十字提案のもの、交通標識や鳩をあしらったものなど、色々提案
がありましたが、「これでいこう」と衆議一決したわけです。
・2枚100円で、数が多ければもっと安くなるとのこと。詳しくはメールか電話で、
小山さんに連絡して下さい。
・なお、一足先に同じ絵柄で、尼崎限定版ができました。こちらの方は「いやや!戦争
協力」「尼崎に市民平和条例を」の文字入りです。つい先日発足したばかりの「“いや
や!戦争協力”尼崎市民の会」がリーフレットとセットして制作したものです。
・いま、ガイドライン関連法施行にあたり、各地で「戦争協力拒否」の様々な運動がす
すめられていますが、この「無防備地域宣言」の運動は、単なる思いつきでなく、それ
なりの理由と背景があります。以下は小山さんの呼びかけ文からです。
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<無防備地域平和条例をつくろう>
「無防備地域宣言」は、世界約180ヶ国のうち、154ヶ国が署名している77年
の「ジュネーブ条約追加第一議定書」を根拠とするものです。
ところが日本は、文民保護の同第4条約を承認しながら、それを補充するための追加
議定書は署名していません。これも促進しなければなりません。
無防備地域宣言を入れた自治体平和条例をつくろう、と言ってもすぐには実現できま
せん。あまり知られていない、追加議定書など「国際人道法」のことも多くの人々に伝
え、大きな目標に向かって一歩づつ運動を広げていくため、それらの第一歩としてステ
ッカーを作りました。そして、これまで各地で決議されている「非核平和都市宣言」を
更に「無防備地域平和条例」へと発展させましょう。
この運動を80年代から提起している、林茂夫さん(軍事評論家)は次のように述べ
ています。
「・・・『無防備地域』(非防守地域)は国際武力紛争の際に、紛争当事国が手段
の如何を問わず攻撃を禁止されている地域である。『無防備地域』は自治体の宣言で
実現でき、しかも同地域への攻撃は戦争犯罪として禁止されている。
平和時の自治体の平和への努力が、戦時になってもそのまま活用でき、自治体当局
はその住民を戦禍から守ることができる。・・・」
近代化がすすむほど、下の表にある通り、戦争は無抵抗の民衆に犠牲を強いてきまし
た。ジェノサイド(大量虐殺)が問題となったベトナム戦争後の77年、従来のジュネ
ーブ協定・戦争国際法が根本的に見直され、文民・非戦闘員の保護を一層きびしくした
のがこの年の4条約であり追加議定書です。この議定書原案では、当初主体が国であっ
たものが、議論の上「適当な当局(地方自治体)」が無防備宣言ができることになり、
それへの攻撃は、軍事・武装施設を置かないなど条件付ながら、「手段の如何を問わず
禁止する」ことになりました。
戦争
死者総数(万人) 一般民衆の死者数
第一次世界大戦 853 5%
第二次世界大戦 3544 48%
朝鮮戦争 452 84%
ベトナム戦争 300 95%
資料:大田平和総合研究所(沖縄)
●主な関係参考文献
・林茂夫『Q&Qの時代を生きる…平和・非核への新たな挑戦』95年日本評論社
・モーリス・トレッリ:斎藤恵彦訳『国際人道法』88年白水社(文庫クセジュ)
・林茂夫『自治体の平和政策としての無防備地域』99.8月号:月刊『自治研』
・無防備地域運動パンフ:魔P〜14国民文化会議気付「平和 110番」03-3261-8686
・『国際条約集』有斐閣(各年度刊行)
●無防備宣言運動・関西:世話人・小山広明
大阪府泉南市信達市場2661-6 TEL&FAX:0724-83-7291
E:mail <koyamah@gold.ocn.ne.jp>
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◆以上のほか『毎日新聞』99年7月10日号の、林茂夫さんインタビュー記事など抜粋掲
載していましたが省略します。ステッカーも画像で紹介できませんが悪しからず。
なお以上の呼びかけ文は、本人に断ったうえ、これまでの小山さんのチラシなど継ぎ
合わせたり少し加筆したものです。
99/10/23 和田喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>