仲田です。
10月23日の集会における抗議決議2です。
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県政による沖縄戦実相のわい曲、歴史改ざんへの抗議決議(案)
学者、研究者等で組織する監修委員会が、学問的で実証的立場から提示した八
重山平和祈念館及び県の新平和祈念資料館展示内容が、稲嶺県政によって秘密裏
に改ざんされていたことが明らかになった。日本軍の「沖縄人スパイ取締り項目」
の削除、集団「虐殺」を「犠牲」に、銃を住民に向けた模型の改ざん、戦後の沖
縄の長期占領を希望する「天皇メッセージ」の削除等々、数多くの沖縄戦の実相
と歴史的事実が、歪められた内容で展示され、また展示されようとしていた。そ
の直接的ねらいは日本軍の侵略性と残虐性を薄めることにあった。
この問題が発覚した時、県当局はそのような事実は全くないと明言した。しか
し、マスコミや県議会での追及により、次々と資料の存在が明らかになり、事の
真相があばきだされた。しかしながら、それでも県当局は資料の開示を拒否し、
事実の隠蔽に奔走し県議会において虚偽の答弁を繰り返した。しかも、事件が発
覚するやその証拠隠滅を画策している。今回の沖縄戦の実相のわい曲と歴史改ざ
んは、県三役の指示のもとになされていることは、もはや言いのがれできない公
知の事実である。実に稲嶺知事は事務方から鋭明を受けた際に「事実ではあるが、
反日的であってはいけない」「県政は変わったのに展示が変わっていない。サミ
ットで全国からいろんな人たちが来る」などと具体的に指示をしているのである。
ところが、10月14日の記者会見で、稲嶺知事は恥知らずにもその関与を否
定し、その責任を事務方に押しつけている。このような日本政府に迎合し、県民
を愚弄する政治姿勢は断じて許せるものではない。
ドイツのヴァイツゼッカー元大統領は「過去に日を閉ざす者は、結局のところ
現在にも盲目となる」と、ドイツ国家の犯した戦争の罪を世界に披れきし、率直
に謝罪した。それとは逆に歴史の事実を改ざんし、日本軍の残虐性を薄める作業
を進め、しかも、県民に対し平然とうそをつき通そうとする稲嶺知事にはもはや
平和を語る資格はない。
私たちは、沖縄戦の実相と歴史の真実を正しく伝え、戦争の悲惨さとむなしさ、
その人類的犯罪を告発し訴え、沖縄から世界の平和を発信しつづけるため次のこ
とを要求する。
1.稲嶺県知事は、監修委員会提案を尊重し、改ざんした内容を元に戻すこと。
2.稲嶺県知事は、関与を率直に認め、県民に謝罪するとともに、その責任を明
確にすること。
以上の通り決議する。
沖縄県知事 稲嶺恵一 殿
1999年10月23日
普天間基地・那覇軍港の県内移設に反対する県民大会
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仲田博康
nakada_h@jca.apc.org