米軍出撃基地の三沢では12日航空祭が開かれ、三沢市を含む主催者側発表で23万
人が参加。地上展示の戦闘機の前では米兵がカ−ビン銃を持ち、シェパ−ド犬を連れて
の警戒態勢。戦闘機のすさまじい轟音に驚きながら、基地内の高校校舎や施設のりっぱ
さに驚いた見学者もいたとのこと。居ながらにして「異国の風」に触れる三沢市最大の
イベントに満足している人たちも多かったのですが。
自衛隊員はボロ舎に住み、移転演習もテントで野営。片や米兵は日本政府の思いやり
予算で刑務所の待遇に及ぶまでぜいたくに取り扱われる。そこにはおのずと差別意識が
芽生えてくる。
皇軍であった東北の兵士は戦場で差別され、前線に行かされる者が多かったという。
そして彼らは沖縄やアイヌの人々を差別した。それはさらに他のアジアの人々を差別し
残虐な仕打ちにつながっていった。体験者にどうして差別したのか根拠を聞いてみたが
「知らん」と、はきすてるようなこたえが返ってきただけだった。
民族紛争は民族同士が差別していがみ合っているのではない。軍隊が差別を作り出し
ているのだ。
なお、室蘭港順守埠頭に乗り込んでいるブル−リッジの一般公開でいちばん人気があっ
たのは、甲板で売られていた「ブル−リッジ」の名前入りグッズ。6千円のジャンパ−
や2千円の帽子が飛ぶように売れていた。(朝日北海道版11日)
矢臼別演習場付近の住民は寝不足や授業の中断、恐怖感に悩まされています。
防衛施設庁、総額15億円で「矢臼別」を整備
防衛施設庁は1997年度、98年度で総額15億3100万円(2ヵ年度の一部事業
の契約額のみ)をかけて矢臼別演習場内の施設整備。沖縄の米軍基地の整理・縮小のた
めに新設された「沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)」関連費用による事業
。
目的は、訓練の安全管理、効率化を図るため。
施設庁によると、施設整備は王城寺原、日出生台でも進められており、96年度から3
ヵ年度で総額約四十二億九千万円。
施設庁「米側の要望を聞き、日米間の協議で事業内容は決めている。地元自治体からの
移転演習の安全管理には万全を期すようにという要望もあり、施設整備はこれにそった
もの」(防衛施設庁本部調整室)
労働団体・平和団体「金額や中身を見ると米軍演習の恒久化を狙ったもの」
矢臼別施設整備一覧(防衛施設庁資料より)
○整備済み
射撃訓練施設(観測塔・1基)
演習場内トイレ(1棟)
射撃情報提供施設(射撃情報板など)
○設計中
兵員待機施設(宿泊施設70人規模)
○今年度計画(調査、設計分も含む)
射撃陣地施設(一式)
襲撃警報施設(一式)
着弾監視施設(一式)
訓練支援施設(食堂、調理室、シャワ−)
車両整備場(洗車場)
訓練の質的拡大と矢臼別への移転費用の突出
ケリ−中佐は訓練部隊の規模そのものが大きいと説明(六日記者会見)
沖縄駐留米海兵隊移転演習一覧
沖縄の数値は1991年から97年までの平均値。移転費用は日本側負担分(単位=1
00万円)。夜間訓練は午後6時以降も続いた訓練日数。数値は防衛施設庁が公表した
デ−タなどのよる。
演習地・訓練開始日 射撃日数 滞在期間 夜間訓練 発射弾数→
沖縄 30 − 0 3797
北富士(山梨) 97年7月 6 29 2 550
矢臼別(北海道) 9月 10 33 6 3100
王城寺原(宮城) 11月 8 31 1 400
東富士(静岡) 98年2月 10 30 7 550
97年度計 34 123 16 4600
北富士 98年4月 10 30 6 1000
矢臼別 9月 10 36 8 2650
王城寺原 11月 7 31 4 400
日出生台(大分)99年2月 8 33 5 450
98年度計 35 130 23 4500
東富士 99年6月 10 25 6 −
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
演習地 →参加人員 使用砲数 移転費用
沖縄 − − −
北富士(山梨) 130 3門 177
矢臼別(北海道) 380 6門 191
王城寺原(宮城) 190 3門 168
東富士(静岡) 140 3門 90
97年度計 840 15門 626
北富士 130 3門 137
矢臼別 390 6門 369
王城寺原 200 8門 187
日出生台 190 3門 163
98年度計 910 15門 856
東富士 140 4門 −
(朝日北海道版9月8日)
ケリ−中佐は6日午後の記者会見で夜間演習について、「大隊が訓練で使用する砲弾数
(割り当て)が、年々減っているため」「昨年は8日間で終えた。今年も昨年同様に減
らす考えでいる」とはしたが「米軍の戦闘計画は夜間が多く、任務達成のため訓練は必
要」
沖縄との「同質・同量」でない訓練については「移転演習後に赴任し、過去の沖縄での
訓練状況は知らない」
(朝日北海道版7日)
今後の矢臼別訓練について(道新8日)
神浦元影さん(軍事ジャ−ナリスト)
現代戦は夜間の戦闘能力が勝敗の成否を分ける。今後も夜間訓練は続けるだろう
(来年以降の実施時期については)厳冬期の可能性が強い。朝鮮半島有事を視野に入れ
ると、酷寒の季節に訓練しなければ意味がないからだ
富沢暉さん(元北部方面総監・元幕僚長)
(訓練の意義は)沖縄に精強な有事即応部隊が存在すること自体が抑止力。矢臼別など
での訓練が定着することは地域紛争というモグラが穴から顔を出さないようにする機能
がある