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住民投票>名護市民投票裁判おさらい
( 5) 99/09/06 02:00 407へのコメント
ちょっとおさらいしておきます。
沖縄県名護市で海上ヘリ基地建設の是非を問う市民投票が行われたのは97年
12月21日です。条例案は17539筆の署名を添えて直接請求されました。10月2日、
比嘉鉄也・名護市長(当時)の訂正案が市議会で可決成立しました。
まず、沖縄県の親川盛一・知事公室長が言うように、政府の海上案について
の市民投票だったのかどうか、条例をみておきましょう。
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名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、名護市字辺野古地先の公有水面に建設計画されている米
軍の普天間基地の返還に伴う代替ヘリポート基地(以下「ヘリポート
基地」という)の建設について、市民の賛否の意思を明らかにし、も
って本市行政の民主的かつ健全な運営を図ることを目的とする。
=====
名護市東海岸の辺野古へのヘリ基地建設の賛否を問うととるのが自然だと思
います。政府案についての投票とは考えにくいです。
「名護市字辺野古地先の公有水面」という字句から「海上案について問うた」
というのであったとしても、そこから「政府案についての投票」というのは無
理があります。
訂正案の目玉は何と言っても前代未聞の4択でした。どういう日本語のセン
スをしているのか、笑っちゃうような選択肢なんですが、争点ぼかしの効果は
抜群でした。
で、結果はこちら。
有権者数 38176人
投票総数 31477票
最終投票率 82.45%
賛成 2562票
環境対策や経済効果が期待できるので賛成 11705票
反対 16254票
環境対策や経済効果が期待できないので反対 385票
誰がどう見ても「反対」という結果がでたのですが、12月24日、比嘉鉄也・
名護市長(当時)は東京で橋本首相(当時)と会談し、なぜか海上ヘリ基地の
受け入れ表明し、市長職から辞任してしまいました。
98年1月20日、名護市民504人の原告が比嘉鉄也・前名護市長と名護市を提訴。
市民投票の結果を尊重する義務に違反する職権の乱用であり、平和的生存権を
侵害されたとして損害賠償を求め、名護市民投票裁判が始まりました。
市民投票条例で関係あるのは以下の部分。
=====
名護市における米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票に関する条例
(市民投票)
第3条
2 市長は、ヘリポート基地の建設予定地内外の市有地の売却、使用、賃
貸その他ヘリポート基地の建設に関係する事務の執行に当たり、地方
自治の本旨に基づき市民投票における有効投票の賛否いずれか過半数
の意思を尊重するものとする。
=====
比嘉鉄也・前名護市長が受け入れを表明したのは「苦渋の選択」だったそう
です。なんだって市民投票の結果をくつがえし、市長職をなげうってまで苦渋
の選択をしなくちゃいけないことになったのか、名護市民ではないけど、私も
知りたいです。
また、この地方自治法に基づき行われた住民投票の結果が無視され、投票な
んてまるで無かったことのように、争点となった計画が再び具体化している事
に、強い怒りを感じています。
WAKAX
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