北海道矢臼別では8日から3年連続の在沖縄米海兵隊の実弾砲撃訓練が始まり、海兵
隊員や武器が運び込まれています。
北海道では、自衛隊訓練が年間を通して行われており、その砲撃音は止むことがあり
ません。その中に米軍も入り込んだわけです。住民もある程度環境に慣れなければ生き
ていけませんが、同時に軍隊も受け入れられることに慣れると、沖縄をはじめとする米
軍基地でくり返される暴挙に見られるようにしだいに本性を表すであろうことも忘れて
はなりません。
北海道では当初の「沖縄と同質・同量の訓練」の約束も破られ、夜間砲撃訓練も1年
目の6日から2年目は8日に増え、発射弾数も移転演習場全体の6割を占める多さにな
っています。
地元では、訓練の固定化をしない、夜間訓練の中止、規律維持などを求め続けていま
すが、防衛施設庁は「米軍に伝える」とするのみでその返事もなく、聞く耳はないよう
です。また米兵外出の際は同庁職員が同行するとした約束も反古になりました。
堀知事も公約に「夜間訓練の自粛など、地域の要望が受け入れられない場合は、訓練の
見直し、中止を訴える」と公約しましたが、具体的な施策は市民に伝わってはきません
。
別海町では今回、演習期間中の特別下校バスの廃止を決定しました。保護者らが町に
通学バスの増便を申し入れてもけんもほろろの対応だったとのこと。1年目は増便して
一人ひとりを家まで送り迎えしましたが、昨年は、部活で遅くなる中学生を対象に一便
出しただけ。そして今年は廃止。
町長は増便の要請に対して「同盟軍が演習するのに、さも危険であるかのごとくバス
をだすのはおかしい」と拒否。
警察も当初から海兵隊の護衛隊のような振る舞いがありましたが、年々その姿勢があ
からさまになっているようです。演習を中止するよう求める要請文を手渡そうとしてゲ
−トで足止めをくった市民に、警察が駐車違反をとがめるなど、見回りも郷土の軍事基
地化に反対する市民への抑制が顕著になってきています。
海兵隊員の外出に備えてか、市街戦ゲリラ訓練などの情報収拾かわかりませんが、海
兵隊では、コンビニの視察など、一ヵ月ほど前にあらかじめ市街地調査を行い、8月末
には第三次救急救命センタ−機能を持つ病院を例年に引き続き調査に訪れ、医師名簿や
救急医療発生時の連絡体制の手引書など新しい資料を持ち帰り、傷病兵受け入れ先の確
認もしているとのこと。
10日あまりの射撃訓練の前後にどんな訓練が行われるか。
昨年11月に宮城県の王城寺原での同訓練で、米海兵隊が核兵器や生物・化学兵器の
使用(NBC攻撃)を想定した訓練を実施していたことを米軍機関誌「オキナワ・マリ
ン」が報道しましたが、日本政府はその確認を怠ったまま。
在沖縄米海兵隊第12連隊第三大隊のデ−ビッド・A・ケリ−大隊長は、生物兵器や
NBC兵器の使用を想定した防御訓練を行っていることを6日の記者会見で初めて認め
た。「化学兵器などに対応する通常の防御訓練だ。(矢臼別でも)これまで行っており
、どこでも実施している」
大隊長は、夜間砲撃を10日間行う予定も明らかにした。昨年公表した実弾数につい
ては今回は「答えられない」。訓練終了後、一般市民宅への家庭訪問を初めて実施する
と述べた。
来年の矢臼別での訓練は行わない方針も明らかにした(持ち回りで4年に1回は休み
)。再来年は未決。札幌防衛施設局も「わからない」
(北海道新聞7日)
自衛隊も後方支援
海兵隊の射撃訓練の前に130ミリ砲を一日に135発も連続して打ち、海兵隊が撃
つ155ミリ砲の音を目立たないように気配り。
5日には札幌・丘珠空港で、約3万人の観客を集めて、市街地上空を5〜60M低空
でアクロバットや空中給油飛行、F16の急旋回・急上昇・急降下と米軍と自衛隊機が
仲良く航空ショ−。
なお三沢基地はF16のシ−リ−(作戦態勢運用演習)を8月14日から17日まで
本州北部と北海道で行うと発表。3ヵ月連続。
海兵隊との「友好交流」は東京でも(産経9月5日)
沖縄駐留米海兵隊員ら40人(20歳代男女下士官)を橋本龍太郎前首相夫人(久美
子さん)が1週間招待。皇居や相撲部屋、築地魚市場、NHKなどの見学や一般家庭で
の夕食会などを計画。95年に沖縄で起きた米海兵隊員の少女強姦事件に「心を痛めた
」同夫人が、一層の日米交流が必要だと考え、96年からはじめたもの。参加者は今年
で延べ160人。今年は小渕首相夫人にも協力を要請。
橋本久美子さん「いざとなれば日本を守ってくれるまじめな兵士たち。バス1台分の
人数だけど、少しでも日本のことを知ってもらうため細く長く続いてほしい」
そして天皇と自衛隊も親密な仲に(自衛隊準機関誌「朝雲」より)
6月17日にはホンジュラス国際緊急医療援助隊の派遣隊員全員が皇居で天皇に「拝
謁」
隊員の一人(投稿)「陛下のお出ましからご退出までの約40分は、一瞬のうちに流れ
去ったが、私にとり一生に一度の光栄に浴した喜びは永遠となった」
7月15日第35回自衛隊高級幹部会が、自衛隊最高指揮官の小渕首相や野呂田防衛
庁長官を招いて防衛庁で行われましたが、前日には会合に出席した藤縄統幕議長以下5
7人の自衛官が皇居で天皇に面会。
8月19日には天皇らが奥尻島を視察。北海道南西沖地震の被害者遺族らを慰問。復
興に関わった関係者を慰労した際は、空自奥尻島分屯基地司令の空佐を「奉送者」(君
や貴人を送る役)として招き「先の震災ではたいへんご苦労さまでした。復旧に尽力さ
れた隊員のみなさまにご苦労さまとお伝えください」
小沢一郎さんは、「日本国憲法は立憲君主制の理念に基づく憲法」だから天皇は日本
国の元首だと「解釈」しているようですが、政権獲得のためなら、「国民」の安全を売
り渡してもかまわないとは考えるも、その責任を一身に担うほどの度胸はない。
いかに政府に飼われている身とはいえ、天皇にも一個の人間としての人権がある。歴
代天皇のみじめな生涯を繰り返さないように、天皇もそこら辺をご自身の頭で考えたほ
うがいいんではないかとおもうんだが、だめかしら。