沖縄県収用委員会の裁決で1年間のみの使用が認められていた瀬名波通信施設の土
地一筆が強制使用の期限切れになりました。
沖縄タイムスの記事(一部引用):
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<1999年9月2日 朝刊 2面>
瀬名波通信施設「1筆」きょう返還 強制使用の期限切れで
http://www.okinawatimes.co.jp/day/199909021300.html#no_5
読谷村の米軍瀬名波通信施設の一筆、約二百五十一平方メートルが二日返還される
。現場はすでに返還地を除き新たな境界さくが設けられ、地主へ引き渡す準備が整っ
ている。同土地に関し、県収用委員会(当山尚幸会長)は昨年五月の強制使用裁決で
、国に対し同年九月からわずか一年間の使用しか認めず、事実上の返還を命じていた
。
(中略)
地主らは、本来一筆だった所有地を国が細切れ返還した上で、同土地を強制使用し
たことを批判。このため返還地は三角形のいびつな形状になり、利用できないと指摘
していた。県収用委は裁決で「その土地がなくても事務所や通信施設の機能にはほと
んど影響はない。宅地などとしての利用の障害になっている。速やかに返還しても通
信施設の機能にはほとんど影響がない」と認定した。
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この件については、沖縄県収用委員会・第6回公開審理で、弁護士の神田高さんが
スライドを使って詳細な陳述を行いました。以下に陳述全文(+スライドの画像)が
ありますのでご覧ください。
http://www.jca.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Kokaishinri/6th/Kanda.html
陳述の最後の部分のみ引用します。
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日本国憲法は第29条1項で財産権の不可侵性をさだめ、その精神に基づいて、29条
の3項では、正当な補償のもとに国民の財産権、なかでも土地は重要な財産権であり
ます。この国民の財産権を、公共のために用いることができるとしております。つま
り、公共の利益のために、どうしてもある国民に特別の犠牲を強いなくてはならない
場合、その場合は補償をして、いたしますと定めております。 しかし、本件土地の
場合、新垣さんに特別の犠牲を強いてまで土地を強制使用しなければならない必要性
・合理性・適正性はあるのでありましょうか。全くありません。
新垣さんの三角形の土地の使用権を敢えて奪ってまで、米軍に土地を使用させる必
要性はまったくなく、強制使用する適正かつ合理的な理由は全くありません。本件土
地について、裁決申請は却下されるべきであります。
最後に、わたくしは先の米軍用地特措法の改悪に際して、国会内での座り込みを含
む抗議行動をしてまいりましたが、その行動を通して、今や安保が国会を牛耳ってい
るという実感を強く持ちました。沖縄から基地を無くすには日本の民主主義のあり方
を変えていかなければなりません。収用委員会が、収用委員会は法に基づく判断を行
っていく機関であることはわたくしが敢えて申すまでもありません。日本の最高法規
である日本国憲法の理念に基づいて、収用委員会が厳正かつ公正な、実質的な審理を
最後まで貫かれるよう強く希望いたしまして、意見陳述をさせていただきます。
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裁決は、申請却下には至らなかったものの、1年の使用期限という実質的な却下の
内容でした。収用委員会は限界がありましたが、国の横暴を押しのける防波堤として
の役割を果たしたといえます。しかし、先の国会では、自自公+社民・民主の賛成に
よって米軍用地特措法が再改悪され、国が望めば自由に米軍用地が確保できることに
なりました。社民の賛成議員よ恥を知れ。
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■9月8日(水)
沖縄の将来は民衆の手で
米軍基地の県内移設反対 9・8講演会
18:30開場、19:00開始、資料代500円
シニアワーク東京 講堂(飯田橋下車7分、ホテルエドモント隣)
講師:新崎盛暉(沖縄大学教授、一坪反戦地主会代表世話人)
主催:沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
連絡先:090-3910-4140
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MARUYAMA K. kaymaru@jca.apc.org
2GO GREEN (JCA-NET)
http://www.jca.apc.org/~kaymaru/2GG_JCANET.html