7月29日午後3時半ころ、秋田県の秋田市・湯沢市・稲川町の住民から戦闘機の低
空飛行による轟音の苦情が県環境保全課に10件寄せられ、同日岩手県内でも低空飛行
が観測されました。
秋田県では、情報を防衛施設局に問い合わせていますが、その所属や機種は不明です
。 報道でも「米空母コンステレ−ションのF14トムキャット戦闘機ではないか」と
していましたが、低空飛行問題に詳しい佐藤裕二さんの説明によるとこの飛行は、空母
コンステレ−ションの艦載機である疑いが濃厚であるとしています。
その理由として
@F16は88年、89年に秋田空港へ緊急着陸して以来、秋田市上空を低空飛行をし
たことがない
A当日は曇り空であり、晴天でなければF16は危険な低空飛行訓練を行わない
B米空軍三沢基地第35戦闘航空団(F16戦闘機部隊)の作戦態勢運用演習(シ−リ
−)は7月20日から23日に終えたばかりで、つぎも8月10日から13日に予定さ
れていた。
C27日午後6時に空母コンステレ−ションが横須賀を出航している
D28日三沢市に米海軍機が、天ヶ森射爆場で夜間飛行訓練をすることを通告、数機が
実施
Eコンステレ−ションが8月6〜7日頃東シナ海で中東から横須賀へむかっていた空母
キティ−ホ−ク(排水量八一〇〇〇トン、乗員四千八百人、約5ヵ月ぶりに横須賀へ入
港)と共同訓練を行った後、中東へ向かったと報道されたが、7月27〜8月6日まで
の足取りは不明
そして8月11日付けでリムピ−スHPに「コンステレ−ションの航跡推定図(3)(
7.27〜31)」が掲載されました。
Fその図によると空母は横須賀出航後、28日には三沢沖、29日には秋田沖におり、
1日に約250キロしか動いていない。この間に天ヶ森射爆場での夜間訓練飛行、秋田
、岩手県での低空飛行訓練を行う時間は十分にあった
としています。
また、報道はされていませんが、新聞社の問い合わせに防衛施設局がコンステレ−ショ
ンの艦載機であることを認めたとのことです。
コンステレ−ションの艦載機による飛行だとしたら、在日米軍所属以外の米艦船が、通
告もせず自由勝手に日本上空を飛行訓練場にすることができたことになります。ミサイ
ル巡洋艦2隻、戦闘補給艦1隻、カナダのフリゲート艦1隻を従えた空母戦闘群が津軽
海峡を通過、秋田沖から秋田県内に出撃訓練をするというとんでもない暴挙です。
住民にとっては、「安心して暮らす空間」を侵犯されたのですからその代表である秋田
県知事には事実を明らかにする責務があります。
いくら日本政府とアメリカとの間に約束があったとしても、軍艦が何をしてもいいとい
うことではありません。この暴挙を日本政府が容認するのであればその根拠を住民に明
らかにする必要があります。
米軍の指示か施設庁独自の配慮基準かはわかりませんが、防衛施設庁が「低空飛行によ
る騒音で窓ガラスが割れたなどの被害がない限り、ジェット戦闘機の所属は確認しない
」としているのは、住民や他の動物の精神的苦痛を無視した生存権の侵害です。