沖縄の後藤です。
今日のアピール、送ります。
私たちは、本日、「サミット」の歴史や
それが果たしてきた役割、
沖縄で「サミット」が開催される意図などを明らかにし、
「沖縄サミット」を利用した基地の県内移設、
再編成化に反対し、沖縄民衆の平和への意志を
世界に発信するための多様な行動を展開するために、
「沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連格会」を結成しました。
去る四月二九日、二十世紀最後の「サミット」が、
大方の予想に反して沖縄で開催されることが決定されて以来、
県内は歓喜と歓迎のムードに包まれているように見えます。
しかし、世界の先進国の首脳たちが沖縄に来て
会議を開くということで、
何か大きな経済的効果があるとか、
世界に沖縄が知られて特別のメリットがあるとか、
単純に喜んでばかりはいられないことが、
だんだんとわかってきました。
アメリカのクリントン大統領が
「サミットまでに普天間基地の移設問題が
解決していなければ、沖縄に行きたくない」と
述べたのをはじめに、
日米両政府の高官たちが、
サミットと県内移設問題は関係ないと言いながら、
あらゆる力を動員し、手練手管を使って、
県内移設問題の解決に向けて稲嶺県政への圧力を
日増しに強めています。
沖縄で、いま「サミット」を開こうとしている政治的意図は、
この「サミット」を利用して、
普天間基地の県内移設問題に決着をつけるのをはじめとして、
沖縄基地の固定化・再編・強化をはかり、
アメリカの誇りとする極東最大の米軍基地の威容と機能、
その存在価値を全世界的に認知させようとするところに
あるのではないでしようか。
いまや、沖縄は、なにがしかの振興策と引き替えに
軍事基地を受け入れ、未来に向けて
半永久的に「基地との共存」を自ら選択するのか、
あくまで、軍事基地を拒否し、
基地のない平和な沖縄をめざすのかの
剣が峰に立たされているといえるでしよう。
善意の県民のなかには、
全国の米軍基地の七五%も集中する
沖縄基地の実態を見てもらって、
基地の整理・縮小・撤去を願う
県民の気持ちに理解を示してもらう
いい機会ととらえる人も少なくないように思われます。
しかし、サミットを構成する首脳は、
ほとんど湾岸戦争やユーゴ攻撃を行った当事者と
その有力な支持者であり、
核兵器をはじめ軍事力による
他国民、他民族への支配・介入をいとわない
基地や軍隊の信奉者たちです。
沖縄基地の実態に触れたら、
むしろこれを賞讃、
沖縄の「基地との共存」を転化する方向で働くのではないでしようか。
この巨大な動きを前に、私たちは、
多くの平和を愛する県民・市民を結集して、
事態の本質も究明しつつ、
この機会に県内の政党、労働組合、民主団体等はもちろん、
全国、全世界の戦争に反対し、
平和を希求ずる人々と手をたずさえ、
世界に向かって、沖縄の平和の願いを訴え、
アピールするためのさまざまな方策について、
ひろく検討し、実践することをめざして、
この市民連絡会を結成した次第です。
平和を愛する県民のみなさん、
全国のみなさん、全世界のみなさん、
手をとりあい、心を寄せあって頑張りましょう。
一九九九年八月十四日
「沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会」
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SATOSHI GOTOU
沖縄
fwgk4969@mb.infoweb.ne.jp