米軍基地を初提訴/じん肺で機械工ら12人と遺族/国に3億2500万円請求
じん肺になったのは基地の粉じん対策が不十分だったためなどとして、米海軍横須
賀基地(神奈川県横須賀市)の日本人元従業員と遺族計16人が7日、雇用責任を持
つ国を相手に総額約3億2500万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁横須賀支部
に起こした。
原告側によると、米軍基地をめぐるじん肺訴訟は全国で初めて。
原告は、終戦直後から同基地で機械工などとして勤務した60―80代の男性12
人と、肺がんで死亡した男性元従業員一人の遺族。
訴えによると、戦後間もなくじん肺が問題になったのに同基地では1970年代ま
で対策が取られず、原告らは防火材としてアスベストが使われた艦船の修理などに従
事しじん肺になったなどと主張。労災保険では回復できなかった精神的苦痛への慰謝
料として、一人約2000万―3000万円の支払いを求めている。
原告らは昨年4月、日米地位協定に基づき、横浜防衛施設局に労災の上積み補償を
請求したが、同施設局は「じん肺法に基づく認定から3年以内とした時効を過ぎてい
る」として却下した。(共同)
SATOSHI GOTOU
沖縄
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