あなたにとっての「日の丸」は?/石川さん、写真展を開催
「『日の丸』であなた自身を、日本人を、あなたの人生を表現してみてください」
―。そんな質問をして「日の丸」と自分自身との関係を表現した人たちの写真を撮り
続けているフリーカメラマンの石川真生さん(46)=豊見城村=の写真展「日の丸
を視る目」が、大阪で開催中だ。無関係、拒否、誇らしく思うなど石川さんがファイ
ンダーでのぞいた人たちの「日の丸」に対する思いはさまざまだった。
このアイデアは「日の丸」を焼いた知花昌一さんが復帰運動の時に買った「日の
丸」を大切に保管していることを知ってから。「これは焼かないのか」と尋ねると
「これには復帰の思い出が詰まっている」という答え。それがヒントとなり「『日の
丸』には人それぞれの思いがある。『日の丸』をキーワードに、それぞれ人生、『日
の丸』への思いを表現してもらおうと考えた」
93年から撮り始め、北海道から沖縄まで、反対運動を続ける活動家、アイヌ民
族、被差別部落、右翼など14県87組を撮影。その中から50組を選び、展示し
た。
その中で最も印象に残っているのはアイヌ民族の長老と沖縄の元従軍看護婦。長老
は「『日の丸』の『日』は太陽の意味。だから独り占めはよくない」と神様のいる部
屋へ持って行った。元従軍看護婦は「『日の丸』を持つ予定はない」とたたんでし
まった。
6日には那覇で地方公聴会が開かれるなど国会で国旗国歌法案が審議され、今国会
で成立の見込み。石川さんは「私が撮っただけでもあれだけ意見が分かれた。法案は
突然出てきた。公聴会で本当に国民の意見を集約することになるのか」と疑問を投げ
掛けた。
写真展は大阪の府立社会福祉会館など四会場を8月中旬まで回る予定。13日から
は東京で、25日からは奈良でも開催する。
SATOSHI GOTOU
沖縄
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