仲田です。
「海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会」の決議文です。
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名護市 1999年7月5日
市長 岸本 建男殿
海上ヘリ基地建設反対・平和と
名護市政民主化を求める協議会
代表 新 城 春 樹
安 次 富 浩
住所:名護市名護2497−1
電話:0980−53−6992
サミットを圧力にした普天間基地の県内移設問題についての要請
ケルンサミットに先立って行われた日米首脳会談でのクリントン米大統領の
「沖縄サミットまでの普天間基地移投問題の解決」発言に対し私たちは強い怒
りと懸念を持っています。この発言は、サミットと基地の県内移設をリンクさ
せ普天間基地の県内移設を押しつけるものであると同時に、「ヘリ基地建設反
対」の名護市民の民意を踏みにじる暴挙であり断じて許せるものではありませ
ん。私たち「ヘリ基地反対協」は去る6月29日に抗議決議を行い、日米両政
府への抗議と沖縄県当局と名護市当局に対する要請を行うことを決定しました。
つきましては、別紙決議文を添付し下記の通り要請を行いますので対処方を
お願い申し上げます。
記
(1)クリントン米大統領こよるサミットと普天間基地移設問題とのリンク
発言に抗議しその撤回を求めること。
(2)沖縄サミットを圧力にした普天間基地の県内移設押しつけに反対する
こと。
(3)名護市民投票で示された「海上ヘリ基地建設反対」の民意を尊重し、
名護市長としてヘリ基地建投に反対表明をすること。
以上の点について名護市の見解を求めます。
サミットを圧力にした普天間基地の県内移設強行に反対する決議
クリントン大統領は6月19日、ケルンサミットに先立って行われた小渕首
相との会談で「沖縄サミットはこれまでの基地移転を含む軍事面の合意を解決
し、履行する機会になる」と述べ、24日には「基地問題が未解決な状態で沖
縄に行きたくない」と発言し、沖縄サミット前に普天間基地の県内移設のメド
をつけるよう日本政府に迫ったとの報道がなされました。その後、米政府は
「大統領が初めて沖縄の地を踏むからには、それなりの環境づくりが必要だ」
として、サミットと基地がリンクするとの考えを明確に示し日本政府に対する
圧力を加えてきています。
これに対し、日本政府は「早期進展への期待を示したものだ」(小渕首相)
「遅々として進まないこの間題に期待感を含め懸念を表明することは当然」
(野中官房長官)と述べ、政府主導で早期解決を図る意志を示しています。し
かも、斎藤駐米大使にいたっては「サミットが近づかないうちに普天間基地返
還の実質的な進展をみたいと希望している」とし、サミット前に基地の県内移
設を強行すべきだとの発言を行っています。このような情勢の中で、6月29
日に行われた「沖縄政策協議会」で政府は県に対し普天間基地の県内移設を強
く求め、稲嶺知事は「着実に努力したい」と述べました。これら一連の日米両
政府の言動は、サミットと基地の県内移設が現実的・具体的にリンクして動き
だしたことを示すものであり、「サミットと基地はリンクしない」「県の頭越
しには行わない」とのこれまでの政府の発言がいかに詭弁であったかが明白と
なりました。
また、日米両政府は来年の「沖縄サミット」において沖縄基地問題が焦点に
なるとの認識を示しており、アジア・太平洋地域における沖縄基地の重要性の
確認の場とする懸念が一段と強まっています。このことは、周辺事態が発生し
た場合沖縄が最も影響を受けると答弁した野呂田防衛庁長官の発言とも符合す
るものであり、サミットを契機にして普天間基地・那覇軍港の移設をはじめと
する「SACO」合意を一気に推進し、沖縄基地をガイドラインに沿った有事
即応基地として強化する狙いが如実に示されたものとして憂慮されます。
サミットとリンクした基地建設の動きは、沖縄サミットが決定した当初から
県民や名護市民がもっとも懸念してきたことであります。この懸念が現実のも
のとして県民の上に押しかぶさってきたことに怒りを込めて抗議します。サミ
ットと引き換えにした基地の県内移設の押しつけは市民投票で示した「ヘリ基
地建設反対」の民意に逆行する暴挙であり断じて認めることはできません。日
米両政府は、沖縄サミットを圧力にした基地の県内移設の押しつけを直ちに断
念するよう強く申し入れます。
1999年6月29日
海上ヘリ基地建設反対・平和と
名護市政民主化を求める協議会
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仲田博康
nakada_h@jca.apc.org