(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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Date: Thu, 01 Jul 1999 17:33:45 +0900
From: Yasuhiko Furusawa <ivan@luna.email.ne.jp>
Subject: [aml 12877] 嘉手納弾薬庫返還地区問題の疑問
まず、沖縄タイムス(6/24朝刊)は、
嘉手納弾薬庫返還地にカドミウム/きょう地主に引き渡し
今年3月に返還された読谷村の嘉手納弾薬庫地区から、発がん性のある有害物
質カドミウムが検出されたことが23日分かった。地下埋設された米軍のパイプラ
インやケーブルを撤去する中で、バルブボックスなどから出た。カドミウムは
「かなりの量」(関係者)に上り、現在現場から運びだされ、仮保管されている。
(中略)
カドミウムは国道58号東側部分のバルブボックス二カ所などから検出されたも
ようだ。国道58号から東側約百メートルの地点。ボックスそのものが撤去され、
くぼ地になっている。詳細は明らかになっていないが、関係者は「かなりの量」
と話している。パイプラインの管内にはまだオイルが残っていたため、専門業者
が処理したという。
(以下略)
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一方、同日の琉球新報 (16時33分)は、
カドミウム検出されず/嘉手納弾薬庫跡、鉛などは基準値内
今年3月に返還された米軍嘉手納弾薬庫地区(計約78.4ヘクタール)の国道58
号東側部分(約39ヘクタール)の原状回復作業で、基準値内だが、発がん性物質
の六価クロムと鉛が検出されたことが24日分かった。那覇防衛施設局によると、
埋設された米軍のパイプラインやケーブルの撤去作業中、バルブ・ボックス付近
で検出された。一部報道のカドミウムの検出は「まったくない」と否定した。
(以下略)
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と、施設局はカドミウム検出を否定。
続いて、沖縄タイムス(6/24夕刊)は、
六価クロムも検出/嘉手納弾薬庫の返還地
24日に地主に引き渡される読谷村・嘉手納弾薬庫地区からカドミウムなどの有
害物質が検出された問題で、那覇防衛施設局は6月初めには検出の事実を知りな
がら地主や地元読谷村、県など関係者に連絡していなかったことが分かった。報
道で明らかになった24日朝から急きょこれらの事実の地主への連絡を始めた。同
日午後には地主らに正式返還の手続きを取ることになっており、その場で地主ら
から質問が出ない限り、検出の事実を隠そうとしていた疑いが強い。さらに、現
場からは、六価クロムなども検出されていたことが新たに明らかになった。
カドミウムや六価クロムは、国道58号東側部分の埋設パイプラインが連結され
たバルブボックスや倉庫跡地などから検出されており、那覇防衛施設局から24日
朝、読谷村に検出の事実の連絡が入った。施設局は、六価クロムなど有害物質は
基準値以下で、バルブボックス周辺の5カ所をボーリング調査したが、問題なか
ったと説明している。
(以下略)
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ところが、沖縄タイムス(6/25朝刊)では、
「返還地から有害物質の六価クロムや鉛が検出されたこと」
とカドミウム部分を削除。
「那覇防衛施設局の野津敬造施設部長は、カドミウムは検出されていない点を強調」
とした。また、沖縄タイムス(6/29朝刊)でも、
野中広務沖縄開発庁長官(官房長官)は28日の参院行政改革特別委員会で、読
谷村嘉手納弾薬庫の一部返還から六価クロムなどの有害物質が検出され、地主が
再調査を求めていることについて「調査は米軍の使用実態を考慮して適切に実施
されており、再調査を行う必要はない」と述べた。
(中略)
また、野呂田芳成防衛庁長官は「返還地にあるバルブボックスの一カ所から土
壌環境基準を超える六価クロムと鉛が検出され、その後、直下部分と周辺のボー
リング調査を実施したが有害物質は検出されなかった。また、カドミウムは検出
されておらず、検出されたとする一部報道は誤っている」と説明した。
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と同様。タイムスも確証があるなら押せばいいのに。
<参考>
検出された土地は今年3月に返還され、6月まで工作物などを撤去をした上で、
地主に引き渡されることになっていた。米軍は軍用地がいったん返還されてから
は日本政府の責任で環境調査・浄化を行うべきとの立場を取っている。
日米特別行動委員会(SACO)合意に伴い、移設に対する移設先市町村の同
意が得られるなど、動きが出始めている時期だけに、基地跡地から今後も有害物
質が出てくる可能性は極めて高い。有害物質が検出された場合に関係者に連絡し
ないとなると、不信感は高まるばかりだ。
今回、返還に向けた土地の原状回復作業は一時難航した。黙認耕作されている
畑地も多く、放置車両が目立った。加えて、南西隅部分には墓が大小合わせて7、8
基建てられている。墓の移転は今月21日、土地所有者の法人が代替地を提供する
ことで合意した。
県は軍転特措法の最初の適用となった恩納通信所からPCB(ポリ塩化ビフェ
ニール)などの有害物質が見つかり、跡地利用の大きな障害になったことから同
法改正を要望。国に対し(1)環境調査および浄化(2)不発弾撤去(3)建物
の撤去などを返還実施計画で明示―するよう求めている。
(沖縄タイムス6/24)
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水や土壌汚染に詳しい沖縄大学の宇井純教授は「施設局の調査方法はおおむね
妥当」としながら、「六価クロムは『クロムイエロー』という顔料に含まれてい
たのではないか。返還が相次ぐが、さまざまな有害物質が見つかる可能性を示し
たケースだ」と話した。
土壌分析調査は16カ所で環境庁の「土壌汚染環境基準」に基づき実施された。
発表がずれ込んだことに、北原局長は「調査に万全を期した。結果が出て、県
と読谷村に連絡しようとしたが、慰霊の日で連絡がつかなかった。事実を隠そう
とした意図はない」と話している。県の親川知事公室長は「できれば、異常値が
出た時点で県に連絡をしてほしかった」と述べている。
(琉球新報6/25)
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★2000.7沖縄世界平和会議案に賛同します!★
Yasuhiko Furusawa
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