Date: Fri, 02 Jul 1999 00:05:22 +0900
From: Masahiko Aoki <btree@pop06.odn.ne.jp>
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Subject: [keystone 1630] 舞鶴誤射事件報告書と処分
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 「国民に銃口を向ける自衛隊」という表現が比喩でないどころか、実際に発砲
することが分かってヒヤリとした舞鶴の自衛艦誤射事件。原発銀座の福井県側に
向けて撃ったので恐怖は倍増。しかも貫通力の高いファランクス(米軍は劣化ウ
ラン弾を使用したりする)を使っているからなおさらです。

 防衛庁は1日、この事件の報告書を出し関係者の処分を発表しました。
 ここではこの報告書のさわりの部分を転載しました。必要な方は、全文と地図
などは、
http://www.jda.go.jp/j/news/1999/07/01a.htm
で確認してください。

 お役所の報告はいつもそうですが、知りたいことが書いてない。なぜこれを隠
そうとしたのか、どのようにして発覚したのかなどは読んでも分かりません。共
同通信の報道で、以下のような部分があります。
> 海幕に報告が上がったのは誤射から約四カ月後の六月中旬で、事故調査委員会
>の事情聴取に金田海将(事故隠しを決断した護衛艦隊司令−辞表提出)は「日本
>海側での緊急事態発生などを考慮し、活動に支障がないように現場で処理した」
>などと話しているという
 ??つまり言いたいことは、「不審船」と戦うのにこういうスキャンダルがば
れれば足を引っ張られると。ひょっとしてこれが人身事故だったら、「不審船」
の発砲にされた恐れもあるのでは。まさか自衛隊が市民に向けて機関砲を撃つと
は思わないもの。
−−−−−−−−−−以下転載−−−−−−−−−−−−

防衛庁・自衛隊

11.7.1
防衛庁

お知らせ

高性能20ミリ機関砲(CIWS)の不時発射事案について


 概要(1) 平成11年2月18日(木)午前、舞鶴港停泊時、護衛艦「はる
な」において、CIWS発砲回路試験中に、22番砲に混入されていた実弾2発
が不時発射された。
(2) 「はるな」艦長は、不時発射を第3護衛隊群司令に報告し、第3護衛隊
群司令は護衛艦隊司令官(同司令部幕僚長経由及び直接)に報告するとともに、
舞鶴地方総監(同総監部幕僚長経由)に通報した。
(3) 護衛艦隊司令官は、舞鶴地方総監に事故の処置は護衛艦隊が実施するこ
とを通報したものの自己の判断で上級司令部への報告を行わなかった。
(4) 平成11年6月17日(木)自衛艦隊司令官の確認により事故が判明し
た。
(5) 平成11年6月18日(金)自衛艦隊司令部幕僚長を委員長とした事故
調査委員会を設置し、事故調査を開始した。


 事故調査委員会の調査等(1)
 事故の関係者
 「はるな」艦長(2等海佐 森井 洋明)
 護衛艦隊司令官(海将 金田 秀昭)等
(2)
 調査事項ア
 不時発射の状況

 事故報告未実施の状況

 事故の原因
(3)
 調査結果ア
 不時発射の状況
 「はるな」のCIWS員長は、CIWSの機構の特性上、計画弾数と実際の発
射弾数に差が生じることが許容されていることを知っていたが、計画弾数と発射
弾数が一致することが技能の高さを示すものと誤って認識し、計画弾数どおりに
射撃することに固執した。そのため、平成10年12月12日(土)に若狭湾沖
で実施したCIWSの射撃の後、実際に発射した弾数(21番砲(CIWS員長
担当)102発、22番砲(他のCIWS員担当)96発、計198発)を計画
弾数(各砲100発、計2O0発)に合わせる偽装工作を企図した。すなわち、
CIWS員長は、発射弾数を21番砲、22番砲各100発、計200発と虚偽
の報告を行った後、余った実弾2発を、一時、CIWS管制室に保管し、翌13
日(日)に、部下であるCIWS員の担当する22番砲の弾薬ドラムの模擬弾の
中に混入隠匿した。
 CIWS員長は混入隠匿した実弾の処置に困っている間に、平成11年2月1
8日(木)に実施された「はるな」、舞鶴造修補給所及び業者によるCIWS発
砲回路試験を迎え、同試験においては定められた砲台内の確認の手順を厳守しな
いまま試験が行われ、当該実弾2発が不時発射された。
 原因究明中の2月21日(日)早朝、CIWS員長は実弾2発を22番砲に混
入隠匿したことを艦長に自供した。

イ 事故報告未実施の状況 「はるな」艦長は、2月18日の事故発生後、弾着
点付近の調査を命じるとともに不時発射を第3護衛隊群司令に報告した。報告を
受けた第3護衛隊群司令は、直ちに事故の概要等を護衛艦隊司令官(同司令部幕
僚長経由及び直接)に報告するとともに、舞鶴地方総監(同総監部幕僚長経由)
に通報した。
 護衛艦隊司令官は、事故の処置は一元的に護衛艦隊司令官が実施する旨、舞鶴
地方総監に調整した。舞鶴地方総監は、所要の支援を実施する旨述べるとともに、
上級司令部へ早期に報告すべき旨助言した。
 護衛艦隊司令官は、報告を受けた後、民間等への被害がないこと、再発防止対
策は自己の職責の範囲内でできる等と考えたことから、上級司令部等に報告しな
いこととし、その旨を2月18日、第3護衛隊群司令及び「はるな」艦長に指示、
さらに、このことを3月中旬になってから舞鶴地方総監に通報した。 関係者か
らの問い合わせがあり、平成11年6月17日(木)、自衛艦隊司令官が第3護
衛隊群司令に確認した結果、同事故が判明した。

(以下略)
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     Masahiko Aoki
     青木雅彦
     btree@pop06.odn.ne.jp
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