From: "NAKADA Hiroyasu" <nakada_h@jca.apc.org>
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Subject: [keystone 1629] 新聞労連アピール
Date: Thu, 1 Jul 1999 13:02:33 +0900
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仲田です。
6月29日に出された、日の丸・君が代法制化に対する新聞労連のアピールです。

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報道機関各位

    日の丸・君が代の拙速な法制化に反対するアピール

 なぜ、そんなに急ぐのだろうか。
 政府は、開会中の国会で、日の丸・君が代をそれぞれ国旗・国歌とする法制化
を進めようとしている。しかし、日の丸・君が代を国旗・国歌とすることについ
ては、未だに議論が分かれており、法制化に向けて、国民的な議論を尽くしたと
は、到底言えない。新聞労連は、国旗・国歌法案を今国会で無理に裁決せず、継
続審議としてさらに論議を深めるよう求める。
 そもそも、今回の法制化の動きは、今年に入って、広島県で卒業式を前にした
公立高校の校長が自殺したことをきっかけにして急浮上したもので、世論が広く
成熟されて持ち上がってきたものではない。言うなれば、ひとつの出来事を利用
した、極めて作為的な動きで、従って、今、拙速に法案を成立させなければなら
ない理由はどこにもない。
 政府は、日の丸・君が代が国民の間にすでに広く定着していると説明している
が、本当だろうか。確かに、日の丸・君が代は日本の国旗・国歌に当るものとし
て、スポーツの大会などで慣習的に使われており、一般の人々にとって、違和感
が薄れている一面は否定できない。しかし、一方で、今もなお、日本の侵略戦争
の象徴ともなった日の丸や、天皇制の賛美につながる君が代に抵抗感を抱く人も
決して少なくはない。
 政府は先に、君が代の「君」が象徴天皇を意味するとする解釈を示したが、こ
れには大いに疑問がある。日本がかつての君主天皇制の反省に立って「国民主権」
を憲法にうたったのでであれば、当然、その理念に根ざした国歌を持つべきだし、
もし、君が代を国歌とするのであれば、「君」は天皇や特定の支配者ではなく、
「国民」そのものを指すと明記すべきではないか。このことに対してさえ、まだ
十分には議論が尽くされてない。にもかかわらず、簡略な閣議で簡単に「君」の
解釈を決めてしまうというのは、いかにも、この問題に対する政府の理解の“軽
さ”を表しているのではないか。
 国旗・国歌は、個々人が自由な意思を持ってそれぞれに向き合うべきもので、
決して、敬意の表明や使用を強制されるようなことがあってはならない。そうで
あればこそ、強引に反対意見を封殺して法制化するのではなく、国旗・国歌は日
の丸・君が代でよいのか、別の候補はないのかと、さまざまな角度から検討し、
議論を積み重ねて国民的な合意の形成を目指すべきと考える。
 新聞社などのアンケート調査によれば、日の丸・君が代をイヤだと言う人が、
まだ半数近くいる。急いで法制化して国旗・国歌を無理強いすれば、必ず、亀裂
は深まる。新聞労連は、国旗・国歌法案の拙速な審議、採決に反対するとともに、
日の丸・君が代が国旗・国歌に適当かどうか、さらに慎重な論議、検討を強く望
む。

1999年6月29日

               日本新聞労働組合連合(新聞労連)
                      中央執行委員長 服部 孝司
この声明に関する問い合わせは、新聞労連 3265−8641 森川まで

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仲田博康
nakada_h@jca.apc.org



 
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