沖縄の後藤です。
いくつかのメーリングリスト重複投稿です。
慰霊の日、勤務先の子供たちも祈りをあわせ、アニメの「対馬丸物語」
見て、糸満・米須の「魂魄の塔」で市民集会を持ちました。
国際反戦沖縄集会アピール
−鎮魂そして、闇を掘るがごとく平和の模索を−
今生も、六月二三日がやって来た。その日、島は巨大な墓となる。
母たちは、夜も明けぬうちにいまだ行方がわからぬままの夫の骨を求めて西へ東へ、
あるいは、慰霊碑へと出掛ける。そして、母たちは闇の中で声もなく死んだ赤子に語
りかける。戦争で親を奪われた子らも、そのまた子らを引き連れて、
あの日のことを語り継ぐために島尻マージの焼けつくこの地にやってくる。御馳走を
重箱に詰め、花をたづさえて・・・。
今年は、とりわけ重い足音を伴って五四回目の慰霊の日がやってきた。
戦争のためのガイドラインが国会で可決され、もはや誰の目にも戦争の準備をいそい
でいるかのように見える。すでに、民間航空機に兵士が乗り込み沖縄の基地から、日
本各地の基地へと、軍事演習のために移動をする。きな臭い匂いが少女の白いブラウ
スにしみ込み、レースのワンピースには演習の泥さえ染みつきそうだ。二度と戦争を
くりかえさないと誓ったのに。
今や基地は不況対策として、日本全国にまるで工業地帯が広がっていくように、建
設されようとしている。
日本だけではない。お隣のフィリピンでも、再び形をかえてアメリカの軍隊がやっ
てくるという。日本の「新ガイドライン関連三法」とフィリピンの「訪問米軍地位協
定」は、なんと九九年五月二四日の同じ日にそれぞれの国会で可決されたのだ。
父よ母よ、この地に眠る祖父母たちよ。
今も、この地球上で戦が続いている。
あいも変わらず、女たちが凌辱され、男たちが戦場にかり出されていく。
その戦争をおこしている世界の首脳たちが、「沖縄サミット」にやってくる。
でも 私たちは毅然として
もう二度とこの島に巨大な墓はつくらせはしない、
罪のない多くの人たちを殺したその手で沖縄に来ないで、と叫ぶ。
戦後五四年目ののこの日も
私たちの平和を模索する作業はまるで闇を掘るかのように続く。
今では野山で、すっかりサンゴのかけらのようになってしまった
父や母や兄や妹たちのことを、私たちは忘れない。
一九九九年六月二三日
第十六回六・二三国際反戦沖縄集会実行委員会
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いうまでもなく、摩文仁の県主催の慰霊祭もあれば、「ひめゆりの塔」
やおおよそ140あるという「慰霊碑」の前で、手を合わせる人々、
戦争を悔い現在の有り様を問うものから、極めて右翼的なものまで
様々です。あるいは北中城村平和文化課では、映画「ガマー月桃の
花」のモデルの安里要江(としえ)さん79歳の、当時の逃避行を
たどる「追体験」があったり、佐喜眞美術館では丸木さんの絵の前で
「鎮魂の琉舞」踊られたり、各市町村、各行政区、各団体でも「慰霊
行事」がありました。糸満は限られた道しかなく、どこも渋滞になる
ほどでした。
すでに新聞ホームページで報道されている通り、県内最大手の
海運会社「有村産業」が300億円超の負債で「会社更生法」
の「適用申請」、要するに「倒産」です。「経済の稲嶺」「サミットに
湧く沖縄」の実体がこれです。グループを含め数百名の雇用問題も
さることながら、島嶼国沖縄の物流に及ぼす影響を心配します。
月曜日発売の「少年ジャンプ」「週刊ポスト」が沖縄では木曜日ごろ
しか店頭に出回らないのは船で輸送するからです。野菜や衣料品
などもコンテナ輸送です。それらにどういう影響がでるか、そんな
沖縄です。
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SATOSHI GOTOU
沖縄
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