「低空飛行をやめろ」ではなく「戦闘機を飛ばすな」
世界遺産地の白神山地上空を戦闘機が低空飛行しているとされる問題で、米軍横田基
地の第5空軍司令部は十六日、朝日新聞社の取材に対して「白神山地付近で第三十五戦
闘航空団の航空機は低空飛行訓練をしていないと分かった」と米軍による検討結果を回
答文書で明らかにした。米軍は先月下旬に青森県からの照会を受け、上空を「飛行」し
ていたことは認めていたが、「低空飛行」だったかどうかについては触れていなかった
。
回答文書によると、第五空軍司令部は、「青森県からの照会に対して第三十五戦闘航
空団が航空機を飛ばしたとは述べたが、指摘された日時に低空飛行があったとは認めて
いない」として、県と三沢基地の第三十五戦闘航空団とのやりとりを説明した上で、「
さらなる検討で、白神山地付近では低空飛行訓練はしていないと分かった」と結論付け
ている。「すべての飛行運用は国際民間航空機構によって定められた国際航空基準に従
っており、日本の航空規則を厳格に守っている」
三沢基地の航空自衛隊第三航空団監理部によると、「低空飛行」に定義はないという
。「一五〇メ−トル以上を飛んでいれば法律上問題はない。どこまでを低空飛行と呼ぶ
かは、それぞれの判断の問題になるだろう」(「朝日」6月17日)
また、三沢基地では、十九日までに、青森県に対し、「低空飛行はしていない」と文
書で回答。スティ−ブン・ウッド司令官の名で、「飛行記録を調査したところ、低空で
の飛行訓練は行っていなかった」とした。飛行高度に関するデ−タなどは記されていな
い。
米軍から飛行を認める先月の回答を受けて、同県が今月二日、イヌワシの繁殖期にあ
たる十月から六月まで上空の飛行の『自粛』を求めたことに対するもの。
また同文書で「イヌワシが営巣していることについて懸念は十分理解している」とし
ているのに対し、先月以来、飛行の目撃情報が寄せられていないことから、青森県自然
保護課では、米軍の『配慮』が進んでいるものと受けとめている。
(「読売」6月20日)
そして、F16は中東へ、
米太平洋軍の準機関誌「星条旗」17日付「対イラク作戦のため中東に展開していた米
軍三沢基地のF16戦闘機部隊のパイロットと支援要員が15日に帰還し、その交代と
して別の部隊のパイロットと支援要員が13日に中東へ向けて出発した。」
帰還したのは、三沢基地所属の第三五戦闘航空団14飛行隊のパイロットと支援要員
150人。今年三月に、同飛行隊のF16戦闘機八機とともに、イラク南部の「飛行禁
止空域」の監視作戦(サザン・ウオッチ作戦)にあたるため中東に出動。当初の派遣期
間は五十日間だったが、米軍がユ−ゴスラビアへの空爆に大量の航空機を投入した影響
で、九十日間に大幅延長。
中東に向けて出撃したのは、同じ戦闘航空団の第一三飛行隊の百三十人。派遣期間九
十日間。サウジアラビアのプリンス・サルタン基地へ。
三沢基地のF16戦闘機部隊が対イラク作戦で中東に出撃するのは、96年7月の初
派遣以来、今回で6回目。
(「赤旗」18日)
自衛隊のF15戦闘機は、嘉手納基地からグアムへ出発
内では「愛される自衛隊」を演じ、外では、米軍のエスコートで「軍隊」として無法を
つくす。米軍も自国では「世界で最高の規律ある軍隊」を演じているようですが。
防衛庁は米グアム島の周辺空域で二十一日から日米共同訓練(コープ・ノース)に航
空自衛隊のF−15戦闘機六機を派遣する。自衛隊の戦車や護衛艦はこれまでも海外で
の日米共同訓練に参加しているが、戦闘機が海外に派遣されるのは初めて。日本での訓
練に比べ広い空域が確保できることに加え、日本有事の際の日米防衛協力の実効性を高
める狙いがある。
共同訓練は21日から25日までの5日間。グアム島の米空軍アンダ−セン基地と周
辺空域で、航空自衛隊航空総隊第七航空団と米第五空軍第十八航空団などが参加して行
われる。同演習に参加するため嘉手納基地のF15戦闘機八機(二機は予備)が十九日
出発。第一八航空団第一二戦闘機中隊所属、KC135空中給油機一機が同行し、途中
で給油した。出発の模様は報道陣に公開された。E3早期空中警戒管制機も派遣されて
いる。
今回の訓練では、電波妨害などによる電子戦を想定し、電子戦機の支援を得た防空戦
訓練などを実施する。
第一二戦闘機中隊の運用部門責任者のリック・トリーニ中佐は「日本以外での初めての
共同演習だが、これまで日本でやっていた演習と大きな違いはない」と語った。北朝鮮
情勢に対応する体制が手薄になるのではとの質問に同中佐は「上部機関と調整の上、演
習を決定した。即応体制に影響は出ない」と話した。
嘉手納基地報道部によると、コープ・ノースは年三回実施され、今回は同基地の百三
十四人の兵員がかかわっているという。
(「読売」「沖縄タイムス」6月20日)
不安は上空ばかりではなく陸上にも
北海道の矢臼別、浜大樹演習場で行なう陸上自衛隊の99年度北方機動訓練の移動は、自
衛隊による自衛隊のためのものではなく、自衛隊と労働者による国民総動員のために行
われるもの。
周辺事態法が成立し、有事立法策定作業も進められている中、この演習は従来とは異
なった意味あいを持っている。周辺事態法はすでに前倒しに発動され、「定着」させよ
うとしている。
加害者として直接手を汚すのは、先端の現場で働く労働者。知恵を出し合って取り組
めば良心を守る手だてはある。
神戸市は外国艦艇の入港に際し、非核証明書の提出を求める「非核神戸方式」を続け
ているが、同市職員労働組合は16日、先月成立したガイドライン関連法による自治体
協力を拒否しようと、組合員を対象にしたマニュアルを作成、全員に配った。市職労に
よると、自治体協力を拒否するための労組マニュアルは初めて。
[毎日新聞 06月
17日]
秋田では演習監視行動準備開始
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1999年6月19日
各地域実行委員会殿
新ガイドライン反対・有事立法を阻止する秋田県実行委員会
(代表世話人委員 佐藤裕二)
事務局:秋田市山王4-4-14、高教組内
TEL:018-824-1663、FAX:018-863-0493
演習監視行動のお願い
自衛隊の准機関紙「朝雲」6月10日号は、別紙のように、6月23日から7月29日まで、
陸上自衛隊の99年度北方機動訓練を北海道、矢臼別、浜大樹演習場で行なう、参加部隊
は山形東根市の第6師団を主体とする、4,100人、車両1,200両、火砲14門、戦車22両
および輸送支援などで、自衛艦・輸送艦12隻、航空機100機も参加する。演習の一項目
として、
強襲揚陸艦[おおすみ][おじか](8,900トン)が戦車をエアクッション艇を使って陸揚
げ
訓練も行う。
なお、6月23日から7月2日までは、輸送機、輸送艦、車両を使用した陸海空の長距離移
動訓練、同様に7月23日から29日には帰りの移動訓練を行うと報道しています。
航空機による移動では、東北地方では花巻、山形、仙台空港の使用、輸送艦による
移動は、仙台港の使用が考えられます。
また、陸路移動の人員および物資を搭載した多数の車両は、国道13号腺、秋田自動
車
道(高速)あるいは、山形自動車道経由で東北高速で青森県へ移動、津軽海峡はフェリ
ーを利用、火砲、動力車両などは、JRの特別仕立ての貨物列車を利用するものと思われ
ます。
なお、86年7月6日から8月20日に行なわれた北方特別機動演習では、九州から釧路ま
で
、自衛隊員4,500人が移動、7月11日には、その一部がトラック80台で大館市を通過、
県平和委員会の通報で地元民主団体など30名によって確認されました。また、11日、12
日には、戦車(38両)、火砲(155mm榴弾砲、8門、105mm榴弾砲、16門)の一部と
シャベルカーなどが、羽越線牛島駅南の鉄橋で県平和委員会のメンバーが確認し、撮影
しました。また、11日には秋田駅に12:24から7分間9563号列車が停車、24両の15
5mm砲や
牽引車、シャベル車などが10名の県平和委員会の会員によって確認され、写真に収めま
した。
周辺事態法が成立し、有事立法の策動が進められている現在、この演習では自治体
、
民間団体への協力など各種のテストが行われることが、予想されます。各地域実行委員
会では、地域の民主団体、労働団体へ呼びかけ、早急に地域内の建設省国道工事事務所
、国鉄、その他からの情報収集を行い、監視体制を組織して下さい。県事務所でも情報
を収集し、分かり次第、監視方法などとともにお知らせします。なお、各地域では、防
衛庁等からの自治体や民間団体への協力要請などないかも調査して下さい。問題点を明
らかにしたう上で、広くこれらの実態を広く一般国民に明らかにしていきたいと考えて
おります。
これらの組織的監視行動は、周辺事態法を発動させない」「有事立法阻止」という
国
民的運動を一層大きく発展させていくために、極めて大事な取り組みですので、往路の
移動訓練日程まではあまり時間的余裕がありませんので、事務局段階だけでも早急に取
り組んで各団体に呼びかけて下さい。
以上