(from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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Date: Sun, 20 Jun 1999 18:29:41 +0900
From: 和田 喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>
Subject: [aml 12748] 6月末〜7月・関西の集会ほか
大阪から和田です。
今月末から7月にかけての集会その他です。
6月14日関西法曹関係5団体主催による「盗聴法」NO!6.14緊急集会(中之
島剣先公園)は、約800人が参加、そのあとデモを行った。(「緒方盗聴事件」の問
題をスローガンに入れる適否とか、「国民」と「市民」の呼称を巡る問題など、多少の
行き違いもあったようだった。)
また、6月18日の“「盗聴法」反対大阪府民集会”(大阪平和人権センター主催・
中之島剣崎公園)は、翌日の新聞(『毎日』写真入り)によれば、約5000人が参加
し、雨の中を梅田までデモをおこなった。
私はこの日、同じ時刻開催の記録映画『日独裁判官物語』上映会に行った。(この件
は後述)地下鉄・京阪の北浜駅を降りると、集会・デモ参加の人たちでごった返してい
た。久々の連合系のこの手の集会だった。集会では国会議員社民党・辻元清美議員や民
主党・藤村修議員ら報告・挨拶した。
以下、集会などです。
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●6/26シンポジウム 今、真剣に平和を考える
−−映画『プライド』の歴史的検証−−
日 時:6月26日 午後1時半より
場 所:「ピースおおさか」(JR森之宮駅西へ5分)
◎パネラー
赤沢史朗さん(立命館大学教授):歴史研究者の立場から
西野瑠美子さん(ルポライター):女性の立場から
林 伯耀さん(日中民衆交流史研究):在日中国人の立場から
主 催:映画『プライド』を検証する実行委員会
大阪平和市民会議、「ピースおおさか」市民ネットワーク
後 援:大阪国際平和センター(ピースおおさか)
連絡先:関西大学文学部小山仁示研究室 090-8657-9083
●宋神道さんの裁判勝利に向けて 6・26関西集会
と き:6月26日(土)午後6:30〜
ところ:ドーンセンター(地下鉄・京阪天満橋駅東)
◎内 容:お話し:宋神道さん
裁判の経過報告:在日の慰安婦裁判を支える会
参加費:1000円
主 催:「国民基金」撤回を求める関西・女のネットワーク 090-8797-0968
●講演・討論集会
「ユーゴの状況、民族紛争とNATOの動向」
講 師:藤本和貴夫さん(大阪大学教員、東欧・ロシア研究者)
日 時:6月30日(水)18:30〜
場 所:エルおおさか(京阪・地下鉄天満橋下車)
主 催:関西共同行動 06-6364-0123 中北法律事務所
参加費:900円
●「日の丸・君が代」法制化反対! 緊急抗議大阪集会
日 時:7月2日(金)午後6:00〜 ※7時過ぎより梅田まで抗議デモ
場 所:中之島公園野外音楽堂(京阪・地下鉄淀屋橋下車)
主 催:「日の丸・君が代」法制化反対大阪実行委員会
連絡先:大阪教育合同労働組合 TEL&FAX:06-6352-2572
※法案に対する国会議員の報告や、豊中八中の校長刺傷事件について現場からの報
告など予定。
同実行委員会は5月2日(弁天町学習センター、約150人)にも集会を開催、
憲法学者や広島からのゲストを迎え、活発な討論が行われた。
●弁護士・安田好弘さん支援 “突破者”宮崎学講演会
日時:7月8日(木)18:30〜
場所:大阪弁護士会館大ホール (大阪裁判所の東隣)
主催:死刑廃止フォーラムinおおさか
入場カンパ:500円
連絡先:中道法律事務所 06-6364-5411
●自衛官人権ホットライン・7月例会
「新ガイドラインを巡って」パート_
講 師:青木雅彦さん(反戦ドタバタ会議事務局)
日 時:7月10日(土)午後2:00〜
場 所:京大会館 (TEL:075-751-8311)
主 催:自衛官人権ホットライン TEL:0774-33-0851
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・・・ドイツにできたことが、なぜ日本にはできないのでしょうか。日独裁判官の姿
を通して「司法のあり方」を激しく問う六〇分・・・
記録映画『日独裁判官物語』リーフレットから。
『日独裁判官物語』上映会は、同映画製作・普及100人委員会と大阪弁護士会が共
催した。250名先着順だったらしいが、急遽椅子を持ち込むなど大ホールは超満員。
弁護士会役員挨拶のあと約1時間の上映。後ろの方だったので画面下の翻訳テロップ
見えにくく残念だった。最初のシーンは、黒塗り送迎乗用車で登庁の日本最高裁判事。
かたや赤いスクーターで登庁する独連邦最高裁判事。
単純ピラミッド型の日本と、普通裁判所のほかに特別裁判所をおく制度の違いもある
が、秘密主義と開放主義、建物にしてもガラス張りと密室の違いなど、何かにつけ対照
的で、これらがドイツの日常裁判の取材を通じて明らかに照らし出される。残念ながら
日本の裁判所は、一歩敷地内に入るや一切取材拒否なので、元裁判官のナレーションに
頼るしかない。
アメリカなどの陪審制に対しドイツは「参審制」と言うらしい。法服裁判官の両脇に
私服の名誉裁判官がいる。例えば労働問題裁判の場合なら経営側と労働側から選ばれる
とか、職業裁判官のほかに目付役の裁判官が加わるが、その権限は変わらない。
そして裁判官は一段高いところでなく、円卓会議でもやっているような具合で、裁判
官、被告側、原告側みな同じ目線で裁判をすすめ、ガラス越しには外の風景も見える。
反核運動で座り込みした裁判官もいれば、区会議員も兼ねる裁判官もいるし、様々な
ボランティア活動への参加は自由だ。もちろん、これらが制度として最初から認められ
ていたわけでなく、警告や処分を受けながら裁判官自身による市民的、政治的自由がた
たかいとられてきた経緯がある。
映画が終わってから、製作スタッフや映画出演の元裁判官や現職裁判官、そして会場
からの意見感想など次々に発言があり、この後半のディスカッションも映画に劣らぬ興
味あるものだった。
話によれば、ヨーロッパでも「遅れているドイツをどうして取材するのか」と言われ
たという。その「遅れている」ドイツに比べても日本ははるかに遅れているわけだ。
「私はいま、足がガタガタ震えています」「どうか私の名前は忘れてください」など
ジョークをいれながら現職裁判官や元裁判官など次々に発言、映画についての感想や意
見を語ってくれた。製作スタッフによれば、取材に応じてくれたのは関西の裁判官がほ
とんどだった。しかし、後々の締め付けなど考慮し、あえて大幅にカットした。「私の
取材は20分の1くらいに縮められていた」という裁判官もいた。
この映画にも出演する寺西判事に関する資料集も会場受付テーブルにおかれていた。
長々ととした処分に関する最高裁判決文・・・新聞に投稿したり、集会にちょっと顔を
出した程度で、どうして日本ではこんなに大騒ぎになるのか!ほんとに情けない。
司会役は自ら任官拒否の体験のある坂口徳雄弁護士、いま裁判続行中の神坂直樹君も
発言していた。弁護士から裁判官になった方の発言もあったが、いま、弁護士会が提唱
する「法曹一元化」の会場資料もあった。簡単に言えば10年ほど弁護士経験を積んだ
うえ、市民代表を含む諮問委員会で裁判官を選任する仕組みだ。世間知らず、純粋培養
された官僚的裁判官任命制度に風穴をあけていくやり方だ。ごく一部にはそれに近い動
きもあるが、まだまだといったところ。
この映画は法曹関係者ほか、様々な団体・個人がカンパし製作費にあてられた。会場
からは「ビデオを作成し裁判官に送り付けるなどしたらどうか」との提案もあったが、
現在はとりあえずフイルム上映で、こうして意見交換することを重視したい、とするの
が製作スタッフの意向だったが、ビデオ製作は準備がすすめられているという。なお、
次のような解説本が出版(市販)されている。
※木佐茂男監修・高見沢昭治『市民としての裁判官−−記録映画「日独裁判官物語」
を読む−−』日本評論社 800円
なお、次のように当番弁護士制度発足記念集会が開かれる。(配布ビラから)
●今こそ公的な被疑者弁護制度の実現を!
講演:「なんで悪いことをした人に弁護士が必要なの!?・・・被疑者弁護の本当の
意味とは」
小林つとむさん(和歌山カレー事件・弁護団長)
日時:7月17日(土)午後1:30〜
会場:大阪弁護士会館(地下鉄淀屋橋下車北東8分、大阪裁判所東隣)
主催:大阪弁護士会&当番弁護士制度を支援する会・大阪 (後援・日弁連)
参加費:無料 問い合わせ:TEL:06-6364-1227大阪弁護士会
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99/06/20 和田喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>