Mime-Version: 1.0
X-Sender: kaymaru@jca.apc.org
Date: Sun, 13 Jun 1999 04:17:57 +0900
To: aml@jca.apc.org
From: "MARUYAMA K." <kaymaru@jca.apc.org>
Subject: [keystone 1561] Re: [aml 12643] Re: 地方分権法案、衆院を通過
Cc: keystone@jca.apc.org
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 1561
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

 丸山です。この投稿及び前便([aml 12622]、[keystone 1552])は私の個人的意見
です。言わずもがなですが一応お断りしておきます。

 さて、赤石さんから「少し誤解があるようなので」とのご指摘をいただきましたの
で、「赤石さんの誤解(?)」を解く努力をしてみます。

At 0:42 AM +0900 99.6.13, 赤石千衣子 wrote:
> 赤石です。
>
> On Sat, 12 Jun 1999 00:55:31 +0900
> "MARUYAMA  K." <kaymaru@jca.apc.org> wrote:

> >  賛成は、自自公と民主・社民。

> > ずの社民はなにを考えていることやら。米軍のための土地取り上げを無条件に許す法
> > 案に賛成しておいて、どうやって新ガイドラインに抵抗するのか。え、おたかさん?
>
> 私も、社民党が賛成するという情報を得て、困ると社民党議員へ問い合わせました。
> 一部私に誤解もあったので、おしらせします。
> 地方分権推進一括法案は、その中の特措法などに反対でも他の地方分権の法案に賛成
> の立場だと修正案を提出する必要があるということです。
> しかし、社民党は衆議院の議席が少なく、修正案の提案権がないので、賛成討論を行
> い、中で特措法には反対するという旨主張するということでした。

 沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロックでは、先週の金曜日(4日)に「行政改革に
関する特別委員会」全委員に対して、特措法改悪を含む地方分権一括法案に対して反
対するように要請行動を行いました。共産党・社民党はもちろん、民主党の中にも特
措法改悪について問題意識を持っている議員がいることがわかりました。社民党の政
策審議室(正しい名称かは失念)にも反対要請を行い、「弱小政党には修正案の提案
権がないこと、民主党が特措法に対して修正案を出せばのること、修正案が通らなか
った場合の賛否は未定」との回答を得ました。

 つまり、「一括法案である限り、全体として賛成するか反対するか二者択一」とい
うことは承知して前便を書きました。以下の部分はそれをふまえての意見です。

> > だめな法案が含まれていたら、飴があろうが、突っ返さなかったらどうなるのだ。

 一括法案形式は中曽根政権時代に濫用されましたが、法務官僚は実にうまい方法を
考えたものです。ただでさえ法案の中身に興味のない議員が、読んで理解しようとた
とえ殊勝にも思ったところで、物理的に理解できるはずはありません。

 法案は議員・自治体などにはCD−ROMで配布されたほど膨大なもの。自治省の
ホームページでダウンロードできますが、要綱は231ページ(圧縮ファイルで39
6KB)、法案自体はA4で1220ページ(圧縮ファイルで2269KB)です。
目次はあってもその項目のページは書いてありませんし、索引もありません。

・法律案要綱(PDFファイル:lzh圧縮 396KB)
http://www.mha.go.jp/news/pdf/youkou.lzh

・法律案(PDFファイル:lzh圧縮 2,269KB)
http://www.mha.go.jp/news/pdf/kaisei.lzh

 こんなものが、数週間の議論で片付くはずがない。賛成討論の中で一部に反対した
ところで、実質は全部に賛成したことになります。さらに、一括法案に賛成したと言
うことは、このような無茶苦茶な法案の形式をも是認したことになります。つまり、
まともな理解なしでも法案を通す。だから、以下のように書きました。

> > これに味をしめて、今後は一括法案なるものがはやるだろう。

 社民党は反対しなかった。で、次のようにも書いたわけです。

> > 少しはまともになったと思ったけど、やっぱりだめな党ですな。

 労組などのしがらみで辛い立場というのは分からぬでもないが、情けない。

> 参議院では提案権があるので、特措法に反対していくということです。

 修正が通らなかったら、また賛成するのですかね?

 一括法案という形式ももちろん問題ですが、特措法改悪以外にも多くの問題を含ん
だ法案です。行政学などの学者・研究者226人がつくる「分権型システム確立を求
める研究者の会」が4月30日に見直しを求める声明を出していますし、『週刊金曜
日』第268号(5月28日)でも、新藤宗幸氏(立教大法学部教授・行政学)が問
題点を指摘しています。また、井上澄夫さんも以下のようにお書きになっています(
[aml 12600][keystone 1546])。
=====================
3月末に国会に上程された「地方分権一括法案」と、その後上程された「中央省庁
改革法案」は一体のものであり、しかも新ガイドライン関連法(戦争法)と無関係で
はありません。2法案は、「普通に戦争ができる国家づくり」のための、中央―地方
を貫く国家改造計画であり、戦争法を実施するための土台づくりです。
=====================

 つまり、外交・軍事は国が、手間のかかる福祉などは地方が、と「分権」する事で
あって、地方の「自治」を推進するためではありません。戦争ができる国家を作り上
げるための不可欠の過程として出てきたものです。だから、周辺事態法、盗聴法、国
民総背番号制、日の丸・君が代などの一連の法案と根は一緒。

==========================
戦争努力が外に大きく動いていく、その時は、内において基盤が固められなければな
らない(2・14 戦争協力を許さないつどいにおける前田哲男さんの講演から)
http://www.jca.apc.org/~kaymaru/Guideline/Maeda990214.html
==========================

 もちろん、これは赤石さんに言っているのではなく、社民党や民主党の賛成した議
員、なかんずく、「おたかさん」に言いたいことです。

> 別に私は社民党支持者ではありませんが、少し誤解があるようなので、指摘して
> おきます。

 誤解しているという誤解は解けたでしょうか?

>  あまりにも反対運動のない特措法です。

 盗聴法・国民総背番号制・日の丸君が代と重要法案が目白押しですし、475本も
一括されたら、まともな反対もなかなか難しい。官僚=政府の技ありですな。しかし
、それに賛成するというのが解せない。

 周辺事態法などで頑張った保坂・辻元を個人的には評価しているだけに、彼らの所
属している党が、賛成に回ったのが解せないわけです。盗聴法などで今後も社民・民
主には頑張ってもらわないといかんので、前便ではかなり押さえて書いたつもりです
が……。

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■6月15日(火)

   私たちは許さない!米軍用地特措法の再改悪6・15集会
       18:30開場、19:00開会、資料代500円
       シニアワーク東京(飯田橋歩5分、ホテルエドモンドとなり)
       報告:有銘政夫(違憲共闘会議議長)、照屋秀伝(反戦地主会会長)
       主催:沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック

・米軍用地特措法 改悪・再改悪 関連の資料
http://www.jca.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Tokusoho/Tokusoho.html

・駐留軍用地特別措置法の再改悪案の廃案を求める署名
http://www.jca.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Tokusoho/Petition.html
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 MARUYAMA K.  kaymaru@jca.apc.org
 2GO GREEN (JCA-NET)
 http://www.jca.apc.org/~kaymaru/2GG_JCANET.html



 
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