> 追伸: 記事の中では軍事紛争がNATOセルビア間となっているのは
> どういうことでしょうか。アメリカのことは何故書かないのでしょうか。
島川さんwrote
文意がイマイチ不明なんですが、アメリカはNATOメンバーであり、
「NATO軍の一部」として参戦していることはご存知ですよね?
どうやらまぬけな質問になってしまったようです。攻撃の中軸がアメリカの
軍事力なので アメリカ/NATO(U.S./NATO)
と表記するメディアもあります。進歩的なニュースサービスのわりには
その配慮が無いのでは という意味だったのですが、すでに遅し...(^^;)
それでは本題です。
《A birthday bash for NATO》 by Lars-Erik Nelson (LA Times通信員)
週末にはNATO50周年を祝う式典が、軍事関連企業を
中心としたスポンサー 《ボーイング、フォードモーターCo、ジェネラル
モータース、ユーナイテッド テクノロジー、ハニーウェル、ルーセント
テクノロジーなど》 によって米国本土で開催されます。44カ国の首脳や
防衛大臣と肩を並べてのこのパーティ、ビジネス界からの参加費用は
一人につき なんと$250,000。しかし武器を売りこむためには
もってこいのチャンスです。
新しくNATOに加わった諸国は兵器システムをアメリカと同等のレベルに
引き上げる義務がありますが、去る1月、新しいメンバーであるポーランドの
防衛大臣Janusz Onyszkiewizがワシントンを訪れた際、彼の一番
の
公式会合相手はNATO拡大委員会を設置したロッキード マーティン社の
販売員集団でした。
ユーゴ攻撃中に派手な式典をを開くなど趣味が悪いという声に配慮して、
バーバラ・ストライサンドなどを招いてのお祭り騒ぎは
表向きにはないようです。
ただこの大規模な式典はNATOの葬式になる可能性もあるわけです。
ポーランド、チェコ、ハンガリーはNATOに参加する時点で、今回の
ユーゴ攻撃のことはもちろん考えていませんでした。またアメリカ自身
19のNATO加盟国政府が日々不安をつのらせる中(パフォーマンス?)、
軍事負担の大部分を単独背負っている事実と向き合わなくてはなりません。
現在加盟を希望しているバルト共和国、スロベニア、ルーマニアも
結局アメリカの軍事力の傘に入ることはあっても、これらの国がアメリカに
直接的な利益を与えることはないでしょう。チェコにしても加盟国
としての支出を極力抑えようとしています。周知の通り、アメリカの
暴力外交に他のNATO加盟国が即座に反応しているわけではなく、NATOは
こういった不安定要因を抱えたまま50周年を迎えることになります。
とはいえ、ビジネス界にとって、NATOは金の宝庫であることに なんら
変わりありません。武器で儲けるだけでなくNATOを拡大することでアメリカ
本国ベースのビジネス界にとって より安定したビジネス環境ができるという
相乗効果も期待しているようです。
以上(カッコ内以外部分訳)
安倍 rentai@labyrinth.net