At 17:17 +0900 1999.04.02, Masahiko Aoki wrote:
> ところでユーゴからの生の報告を読みたいのは誰しもですが、実際には戦争
> 状態にある地域からプロパガンダでない情報を送るのはまさに命懸けです。コソ
ということでしたので、以下の情報を流します。
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MSF(国境なき医師団)、現地派遣団情報
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1999.3.
NATOの空爆が続く。
ブリシュティナに駐在していたNGOは次々避難し、今では「赤十字国際委
員会」と「国境なき医師団」が残るのみである。MSFは3人の派遣団員を
残して、8人がマケドニアの首都スコビエへと移動した。今後は派遣準備隊
を編成し、マケドニアとコソボとの間の調査に入る予定だ。先週も国境が開
かれ、800人余りのコソボ住民がマケドニアに流入している。また、モン
テネグロにも準備隊を送ることを考えている。
一方、コソボに残った3人は赤十字国際委員会と連絡をとりながらも孤立し
た状況を余儀なくされている。地元警察に自動車を没収されたため身動きが
とれないのだ。同じ通りにある事務所と住居を行き来するのみで、セルビア
語通訳もいないため周囲の人々との意思疎通もままならない。
先週、病院へ向かう途中警官に捕らえられ警察まで連行された。派遣団員に
対する扱いは悪くなかったようだが病院関係者も非常に緊張しており、コン
タクトを取るのがますます難しくなっている。爆撃のあった現場に近づくの
は勿論不可能であり、ブリシュティナ以外で何が起きているのかは殆ど分か
らない。
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1999.3.30.
コソボ全域における情勢悪化のため、「国境なき医師団」はコソボ現地スタ
ッフの撤退を決定した。略奪や極度の混乱、外国人に対する敵対感情が増す
なか、最早コソボにおいて医療援助活動を行うことは不可能であると思われ、
現地スタッフ3名はベオグラードへ移動した。
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1999.4.2.
コソボから一時撤退した「国境なき医師団」は、現在コソボから流出した大
量のアルバニア系難民に対応すべく、隣国アルバニア及びモンテネグロにお
ける難民援助活動の強化を図っている。医療スタッフ増員のほか、昨日は2
機の輸送機により、医療品、毛布、仮設テント、飲料水などの合計50トン
の援助物資が各地に送られている。今週末には新たに2機が向かう予定。ま
た数日前まで地方自治体と地域住民によって大量の難民が受け入れられてい
たアルバニア北部とマケドニアでは既に限界を越えており、現地MSFは難
民受け入れ場所を準備している。モンテネグロでは新たに派遣された医療チ
ームが現在現状の調査を行っている。
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国境なき医師団=日本
http://www.japan.msf.org/
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