Date: Wed, 24 Mar 1999 05:02:30 +0900
From: Masahiko Aoki <btree@pop11.odn.ne.jp>
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Subject: [keystone 1221] 自衛隊史上初の「出動」と「武力行使」
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 自衛隊発足以来初めて、もちろん戦後初めての「出動」と「武力行使」が始まっ
ているようです。この事件が後世、「戦前」の始まりとして記録されることにな
るかもしれません。
 日本海の「不審船」追跡です。「威嚇射撃」を行ったのは海保だけ(1953
年以来)かと思っていたのですが、自衛艦も護衛艦「みょうこう」が「警告射撃」
を行ったと以下の読売新聞は報道。これは確認されているのでしょうか。
 自衛隊にはこれに先だって防衛庁長官から「海上警備行動」の命令が発令され
ていた(自衛隊史上初)とのこと。この「根拠」の自衛隊法を転載しておきます。
ご存じのようにこういう形の「出動」の「法的整備」こそ、自衛隊が最近要求し
てきたものであまりにもできすぎという印象です。

 自衛隊法をご覧いただければお分かりのように、第82条には武力行使の規定
はありません。法の拡張解釈ですが、これでは何でもできてしまう。相手は某国
の情報収集船でしょう。これがただちに日本の「人命、治安、財産」に脅威を与
えるとは言えないはずですが。しかしこれが自衛隊法のような法律の怖いところ。
現場で何が起こっているか分からない。政府は恣意的な判断で法を運用する。
 

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 新潟県沖の日本領海内で二十三日、国籍不明の不審船
二隻が発見された。小渕首相は二十四日未明、逃走を続け
る不審船に対応するため、海上自衛隊による海上警備行動
の発動を承認した。これに先立ち首相は持ち回り閣議と安
全保障会議で了承を取り付けた。これを受け野呂田防衛庁
長官が二十四日午前零時五十分に海自に海上警備行動を
とるよう発令した。海上警備行動は自衛隊発足後初めて。二
隻の不審船は海上保安庁の巡視船艇などの停船命令を無
視して日本海を北上。巡視船「ちくぜん」などが二十三日午
後八時から二隻に対し、二〇ミリ機銃などで威嚇射撃を行っ
た。しかし二隻が速度を上げて逃走したため、政府は巡視
船では対応できないと判断、治安維持のため海上警備行動
の発令に踏み切ったものだ。護衛艦「みょうこう」などが二十
四日午前一時十九分、不審船に対し警告射撃を行った。
(読売3月24日2:40)
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自衛隊法

第82条【海上における警備行動】
 長官は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必
要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必
要な行動をとることを命ずることができる。
 

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     Masahiko Aoki
     青木雅彦
     btree@pop11.odn.ne.jp
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