Mime-Version: 1.0
Date: Thu, 18 Mar 1999 10:35:23 +0900
To: aml@jca.ax.apc.org, keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 1190] Re:米軍機関紙、石原候補を批判
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 1190
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

 島川です。

 石原慎太郎候補の件ですが、アメリカの政策関係者たちにとって左翼な
 どはほとんど問題にしていない感じですが、右の「民族主義」には大き
 な警戒心を持っているようです。
 

拙稿[aml10130][keystone815] 米国防総省『東アジア戦略報告(1995)』の論理構造(2):
>  ナイは政権入りをする一年前のハーバード大教授時代に、外交雑誌に「日本への
> 対処」という論文を書いている。ナイはそこで、経済的・政治的・軍事的な日本脅
> 威論に反駁して、日本を拒絶して軍拡など「ハード・パワー」の側に追いやるので
> はなく、国際政治的にも民政分野で責任を与え、「ソフト・パワー」で取り込むべ
> きであると主張している。ナイの結論は、「合衆国はいま唯一の超大国であり、依
> 存的な日本は合衆国の利益に挑戦しようとはしない」というものである。ナイは石
> 原慎太郎の著作も例示して、日本が成長するに従って日本は「依存的関係」に満足
> しなくなるだろうが、文民分野で国際機構に組み込んで日本のナショナリズムを相
> 互依存の方向へ取り込むほうが得策だと主張している。このナイの論文は、「アメ
> リカの軍事的役割」は中国・ロシア・北朝鮮の核脅威を抑止することだけではなく、
> 「東京の隣人」に「穏和なパワー」に留まり、地域の軍拡競争に参加する必要がな
> いことを保証することにある、とも述べている。(45)
 

 「NOと言える日本」では、日本を軍事的・政治的な植民地にしておき
 たいアメリカ側には不都合であるということですね。逆に日本のhawkish
 (タカ派)「民族派」にとっては、日米安保体制のような属国的隷属関
 係は我慢ならない、米国の国益ではなく日本の国益に合わせた「自主防
 衛」路線を取るべきである、ということでしょう。

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                                    島川雅史  mshmkw@tama.or.jp
                                               mshmkw@jca.ax.apc.org
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